
ニュージーランド短期留学
(August 1992 〜 December 1992)
その1 回りを説得するには 準備編
その2 子どもはどこでも育つ NZ生活編
その3 大ピンチ 入院編
回りを説得するには 準備編
私は専業主婦には向いていない!
二人の子供を連れてニュージーランドに短期留学しようと思い立ったのは、万里を身ごもったときだった。これからも教師として働きつづける私には、この育児休暇しか長期にわたって仕事を休む機会はない。
長女の亜希を出産したあと1年間仕事を休んだ。初めて専業主婦を経験して、私は自分自身を見失いかけた。子供はかわいい。でも何か物足りない。何かがしたい。毎日時間はたっぷりあるはずなのに何をしてよいのかわからない。友人に会いに出かけたり,子ども服を作ったりしたが満たされなかった。
生後11ヶ月の娘を保育所に預けて仕事に復帰してみると,自分があまりにもボケてしまっているのに気が付いた。教科書の英文を見ても以前のようにすんなり頭に入らない。知っているはずの単語の綴りも間違える。毎日ごまかしながら授業をしているようで生徒に対しても申し訳ない。なぜあのあり余る時間に勉強しておかなかったのか。
仕事に復帰してまもなく私は妊娠に気がついた。第2子は2年以上あけて産むつもりだっただけにショックを受けたが、授かったのは運命だ。1年も経たないうちに再び産休、育休をとることになった。今度こそあんなむなしい日々は送るまい。この時期を自分の充電期間にしなければ。
まず夫を説得するには・・・
つわりに苦しみながら夫にどう打ち明けるべきかを考えた。あるとき、些細なことでひどく口論となり、結婚以来の不満が次から次へと口をついて出た。「あなたは結婚したからといって自分の生活はそれほど大きく変わらなかった。でも私は自分のペースを掴めないまま妊娠し母親になってしまった。このままでは仕事も家庭も中途半端になりそうな気がする。」
「来年の育休中にオーストラリアかニュージーランドに短期留学をしたいと思うの。もちろん2人の子どもは連れて行く。」
「金銭的な援助は求めない。費用は自分の独身時代の貯金をはたいて行くから。」
夫は考え込んだまま何も言わなかった。半月ほどしてもう1度切り出した。
「この間の留学の件どう考えているの?」
「計画やその経過について必ず詳しく話してくれ。そして何よりも子ども第一だということを忘れるな。」と夫は答えた。
利用したもの
「地球の歩き方」シリーズのオーストラリア、ニュージーランド留学編、アルクから出ている短期留学ガイドを見て、オーストラリア5校、ニュージーランド3校に問い合わせの手紙を出した。場所はシドニー、ブリスベン、オークランド。なるべく都市のほうが飛行機の便や移動も楽だろうし、保育所の設備もあるだろうと考えたからだ。
これらの本には問い合わせの見本の手紙も載っている。英語教師のくせにと自分でも思いながら、それを参考にワープロで手紙を書いた。
やっぱり親切な対応が信用できる
最初に返事をくれたオークランドのShore Englishという語学学校は6ヶ月と2歳3ヶ月の子ども連れでも大丈夫と言ってくれた。ホームステイも見つけられるし、保育所の手配もしてくれるとのことだった。あとの7校のうち無理じゃないかと言ってきたのが3校、相談する時間が必要だからもう少し待ってほしいというのが3校。そしてブリスベンのある学校からはホームステイは難しいが、アパートを借りるのなら可能だと返事がきた。
結局、最初の学校はとても親切で、何回も出した手紙にもすぐ対応してくれたため安心してそこに決めることができた。
最後の難関(?)姑にも打ち明ける
万里が生後1ヶ月を迎えた日、最終的に行く決心をした。夫にその旨を告げ、もう1度よく話し合った。往きは夫もついてきて、彼自身の目で私たちの生活を見ることにした。そして学校に正式な申込書を送る前に姑に話をした。日ごろからあまり自分の意見を言わない姑は、夫に「あんたも賛成してるねんな。」と念を押し,それ以上何も言わなかった。