昨日、肺に激痛が走った。そんな痛みは今まで経験した事がなかった。不安が襲ってきた。激痛は希だが、それでもガン部分の痛みが続いている。

今日は、名古屋ガンセンターへ行ってきた。
オヤジが知り合いに頼んで医者を紹介してもらったから。行ってみて・・・・最悪だった。受付で書類に記入した。嫁と一緒に行ったので嫁が書いた。その後、書類を持って診察室へ受け付けにいる職員が案内してくれたんだが、、、

スタスタスタ・・・・
あのなぁ、、俺、そんなに早く歩けないんだわ。
息が上がるし。しばらく歩いてもいなかったから筋力も萎えてる。
それなのに、職員はスタスタスタ・・・。
ガン患者に慣れてるのかもな。
べっつに、、、親切にしろ!とは思わないけど
案内役なら、なんかあるだろ?
嫁と二人で「ここはアカンかもな」そう思った。
案の定、医者にも会ったが最悪な人で
末期患者は僕の腕がふるえないね。って感じ。
名古屋ガンセンターにも良い医者はいるとは思うが
俺があたったのは、悪かった。

わざわざガンセンターへ来たのが時間の無駄だった。
少しの怒りとアホらしさで
嫁と二人、「病気になると人の色んな面が見えるね、、」
変なところ、、しみじみしていた。
ガンセンターの帰りに、そのまま丸山ワクチンをうってもらいに
成田医院へ向かう。

今日は車を俺が運転した。
病気がわかってから、車の運転はほとんど嫁にまかせていたが
今日は、なんとなく大丈夫だったので俺がしていた。
今池から桜山にさしかかったところで
嫁が自宅の留守電を携帯から確認していた。

「ソーちゃん、、坂井さんから留守電入ってる!!」
「坂井?坂井って坂井三郎か?嘘つけ(笑」

坂井三郎と言う人は、俺が一番尊敬している人だ。
元零戦闘機パイロットで、映画「大空のサムライ」の元となった人だ。
坂井氏が書いた本はすべて読破していた。
そんな坂井氏からなんで俺に電話が入るんだ?

「ソーちゃんに坂井さんのパワーをもらえたらと思って手紙を書いた」
そう嫁が言った。。

家に戻り、留守電を聞くと本当に坂井三郎さんからのメッセージが入っていた。
嘘みたいだ。・・・
何度も何度も聞いた。消えてしまうのがいなやのでカセットテープにダビングもした。
興奮している自分がわかる。

今日は夕食もとれそうだ。興奮状態のまま、食卓につくと小さいケーキが置いてあった。
そうか、、今日は俺の誕生日だ。33回目の。
毎年、ケーキを嫁が焼いてくれるが今年は食べられるかどうかわからなかったから買ってきたという。息子は無邪気に美味しいといって食べていた。
「パパお誕生日おめでとう」と言ってくれた。

来年も誕生日・・・迎えられたらいいな。
そう思うと悲しくなるので、思わないようにしたが無理だ。
でも、今日は、落ち込む前に、坂井さんからの電話があったのでそれだけで気分が高揚していた。食事も終わりに近づいた時、、電話がなった。嫁が取る、直ぐに顔が変わった。

坂井さんがまたかけてきてくださった!

俺は咄嗟に「何、しゃべればいいんだぁ?!だめだぁ、」と動転していた。嫁は笑いながら、「うなずいてたら?」と言った。
緊張は最高潮で受話器を持つ。
何を話したなんてことは覚えていない。
ただ、俺が直立不動状態で話していたのは、後から嫁に聞いた。嫁は俺より長く坂井さんと話していた。ちょっと羨ましかった。

坂井さんは、俺に言った。
「奥さんからの手紙は僕の家の神棚に飾ってあるからね。そこから毎日、僕は君に氣を送るからね。それからね、とても良い医者がいるから紹介するよ。治療方法がないからって諦める事はない。ほかの方法を試してみればいいよ。その医者はとても人間的に僕が大好きな人だ。何でも相談したらいい。体調がよければ、一度、東京の僕の家に遊びにいらっしゃい。君も飛行機が好きだろ?一緒に話そう。」

嘘じゃないけど、嘘みたいな、、でも本当で。
最高のプレゼントだ。

その日、映画「大空のサムライ」をもう一度見た。初めの冒頭部分に本人坂井さんが出てくるから。この映画の時よりは、結構年月がたってるから今は80歳を超えてるはずだ。でも、、声はすごく張りがあった。
本当にパワーをもらった気がする。
現実には、ガン部分の痛みや微熱があるが、、
それでも、なんかがんばれる気がしてきた。