
以下は、きょうたんを出産後、お世話になっていた桶谷式の助産婦さんに頼まれて書いた文章で、私のお産に対するポリシーを綴っています。
私が出産した病院の付属の看護学校の同窓会誌に載せていただいたようです。 ちょっと載せようかなあ〜っていう気持ちになったので、アップしちゃいました。
〜お産に対するポリシーが生まれた場所〜
平成13年7月25日、7年ぶりに次男をK病院産科分娩部で出産しました。長男も同病院で出産し、今回妊娠したときには7年前と同じようにお産を介助して貰えるのなら「絶対にK病院で産みたい」と思いました。
7年前、初めての妊娠で知識も経験もなかった私は、二人の姉がお産をした某病院を選ぼうと思っていたのですが、その病院の産科がなくなってしまい断念せざるを得ませんでした。そこで、総合病院なので安全であり、且つ家から近いということでK病院を選びました。この時は、まだ私のお産に対するポリシーなんてものはありませでした。
私の生まれて初めてのお産は早期破水から始まりました。私は「促進剤」を使うものだとばかり思っていましたが、「促進剤」は使用せずに次々と良い陣痛がきました。そして、分娩台でいよいよ産まれてくるという時に、医師と助産婦さんの会話によって私のお産に対するポリシーが生まれる事になりました。
「この様子やったら切らずにすむなあ」
そうです、この言葉です。素人知識しかなかった私は、お産の時には必ず「会陰切開」をするものとばかりに思っていたのです。「切らずに産めるんや」と、強烈な陣痛がきていたにも関わらず、私はこの事実が衝撃的でした。結果は、会陰切開せずに一針の縫合のみの裂傷で終わりました。産後は、切開した人に比べ痛みも少なく動作も機敏でした。切開をしないだけでこれだけ違いがあるということを目の当たりにしました。そして、お産は自然の姿であるのが一番いいのではないかという私のポリシーが出来上がりました。「促進剤」を使用せずに産めたことも、この私のポリシーの中の重要な要素となっています。
実は、私は長男の出産後に、看護学校に入学し、正看護婦の免許を持っています。看護学校で学んだお陰で、一人目の妊娠・出産の時よりも「専門知識」をもって今回の妊娠を迎えました。そして、前回同様に自然の形でお産が出来るのなら、現在住んでいる長崎から帰省してまででも、K病院で産もうと産科分娩部に直々に問い合わせをしたくらいです。
今回は外来受診の時から「会陰切開はしたくない!」と主張し、入院した時にも主治医にその旨をお願いしました。そして、分娩の経過で会陰切開は必要ないと判断され、切開なしで産むことが出来ました。その上、今回は裂傷も一切なく「私と赤ちゃんの二人の自然なお産」という私の理想の形となりました。これは、私の要望に医師・助産婦さんが答えて下さり、それに見合った介助をして頂いたお陰だと感謝しています。
私が言うまでもありませんが、お産は病気ではありません。医学が進歩した現代では、新生児死亡率が低下しているというメリットはもちろんありますが、何のリスクもないお産に治療は必要でないのではないでしょうか?私自身、看護学生時代に数ヶ所の産科に実習に行っていますが、健康でリスクの無い妊婦に「促進剤」を使用したケースが非常に多かったのです。そして、会陰切開をせずに分娩した人は一人も見ませんでした。また、母乳指導をしながら、新生児室でミルクを飲ませるという矛盾を感じる所さえありました。そういった私のポリシーに反する病院に入院していた妊婦さんは、それが当たり前のことだと思っていたようでした。そうなのです。妊婦(特に初産婦)は病院で出会う助産婦・医師の指導が絶対的なのです。
また、最近は「ホテルの様な病室・美味しい食事付き」の産科を選ばれる妊産婦さんが多いです。これは、「お産は病気ではない」というマイナス面であると思います。お産の病院選びは、妊産婦さんの価値観が現れると思います。「この考えが一番正しい!」というものは絶対的には存在しないとは思いますが、「本来のお産というものはどういうものか」を妊産婦さんに伝えられる助産婦さんがもっと増えていって欲しいと切望します。
K病院で2回のお産を経験した私は、K病院の産科の助産婦さんは、そういった「本来のお産とは」という事をしっかりと伝えられる助産婦さん達であると確信しています。なぜなら、私のお産に対するポリシーはあの産科分娩部の分娩台の上で出来上がったものだからです。もし、もう一度お産をすることになるのなら、私は迷わず「K病院産科分娩部」であると考えています。