<再生産Explorer比較>

1958年に衝撃的なデビューをしたExplorerですが、あまり注文が入らなかったため、わずか数十本で生産打ち切りになりました。 しかし1970年代に入って他社からCOPYモデルが発売され、好調な売れ行きを示しているのを見て1975年に本家からもリイシューモデルが 発売されることになりました。ボディ&ネック材はコリーナ(アフリカン リンバ・ウッド)ではなくマホガニーでしたが、 若干の相違点を除けば形状はオリジナルを再現していました。
1980年代に入り、Explorerの派生モデルが次々に発売されます。 そんな中で1983年に初のコリーナ材を使用したリイシューモデルが発売されることになります。 Explorer HeritageというCustomShop製のモデルで、500本だけ生産されました。 (Limited Edition と Reissueを入れると1600本になります。) しかしこの時期に派生モデルとして存在したExplorer兇箸いΕ椒妊7曽の異なるものとピックガードを共用化したためにその形状がオリジナルとは異なり細くなって いる事と、12fretのポジションマークの間隔が狭いのが外見上の相違点です。
(ここに書かれてるモデル以外にも81年から86年にかけてカスタムショップ製コリーナExplorerは生産されているようです。)

再生産モデルと主な特徴を列挙してみます。
1975-1980 Explorer (mahogany body/neck gold parts)
1979-1984 Explorer供5 piece laminated walnut/maple body maple neck ebony fingerboard TP-6)
1981-1989 Explorer decal logo black or white finish
1983 Explorer Heritage(Limited Edition) KORINA body/neck black control knobs 3桁インクシリアル 100本限定
1983 Explorer Heritage(Custom Shop) KORINA body/neck gold parts 刻印シリアル 500本限定
1984 Explorer KORINA reissue KORINA body/neck gold parts Schaller-tuners 刻印シリアル 1000本限定
1984-1989 Explorer 83(Kahler or Floyd Rose tremolo) option:custom graphics finishes
1984 Explorer CMT bound curly maple top
1985 Explorer Black Hardware
1984-1985 Explorer 3×soapbar p-90
1985-1987 XLP Custom bound top Dirty-Fingers PU
1986 Explorer 425 black hardware ebony fingerboard

非常に多くの派生モデルが存在しているのですが、日本に輸入された代表的なモデルは 1975-80年製のマホガニーモデルと1983年製のコリーナモデルではないでしょうか?
近年では1994年頃から販売されているHistoric Collectionのコリーナシリーズはさすがに良く出来ているようです。 80年代のコリーナボディは2ピースまたは3ピースでしたが、Historicのボディはオリジナル同様1ピースです。 山野楽器海外事業部に問い合わせたところ、コリーナシリーズの材料であるアフリカン リンバウッド自体が少なくなっているため、 材が入手できた時だけ生産されるそうです。特にFuturaやExplorerは大きな1ピース材が必要になるため生産本数は非常に少なく、 正規輸入された数はごくわずかだということです。FlyingVは2ピースなので他の2種類に比べると生産本数は多いようです。
また、その後、カスタムショップからマホガニーボディのECモデルが55本限定で発売されました。 このカスタムショップ製は山野楽器が発注したのは55本だったようですが、Gibson C/Sでは今でもオーダーは受付けているようです。 この特集では'76年製リイシューと'81年製コリーナ、'99年製Historicコリーナ、'00年製ECモデルを比較してみます。

レオスキ所有 再生産Explorerの比較


左から寿庵皆男氏所有'76年製と'81年製、RS修平所有'99年製、RCさん所有'00年製ECモデルです。
両端はマホガニーで中央の2本がコリーナです。色の違いは一目瞭然ですが、こうして並べてみると 細かい仕様の違いが良く判ります。ピックガードは一見すると同じように見えますが、76年製は白1プライ、 81年製は白黒白の3プライ、99年製と00年製はオリジナルと同様の黒白黒白の4プライです。但し、 ピックガードの止めネジは00年製のゴールドに対して99年製Historicは黒いネジです。
(FlyingVやFuturaのコリーナシリーズには全て黒いピックガード止めネジが使用されているようです。)



裏側を比較するとボディシェイプの違いが良く判ります。6弦側のボディ上部が76年製と81年製の方が撫で肩です。 コントロール部分のバックプレートは76年製は濃いブラウン、81年製は黒、99年製と00年製は薄いブラウンです。 ネックのヒール部分の形状が異なります。76年製と81年製は段差が付いていますが、99年製と00年製はツライチに なっています。ボディ材は76年製がマホガニー3ピース、81年製がコリーナ2ピース、99年製がコリーナ1ピース、 00年製がマホガニー1ピースです。ネック材は76年製がマホガニー1ピース、81年製がコリーナ3ピース、 99年製がコリーナ1ピース、00年製がマホガニー1ピースとなっています。


76年 81年
99年 00年
ロゴは76年製と81年製はbとoの上が切れていない70年代タイプです。ロゴの位置も下段のHistoricとは異なります。


76年 81年
99年 00年
ペグは76年製はクルーソンの6個一体型です。その他はキーストーンタイプのクルーソンですが、 81年製はナット式のブッシュが付いています。シリアルの形式も位置もさまざまです。



左から76年製、81年製、99年製、00年製
この角度から見るとネックの差し角の違い('76年製 3度、'81年製と'99年製及び'00年製 5度)、や
ヘッド角の違い('76年製 14度、'81年製と'99年製及び'00年製 17度)が良く判ります。'81年以降のカスタムショップ製はこの角度もオリジナル通りに再現しています。


76年 81年
99年 00年
PUキャビティを見ると面白いことが判ります。76年製と81年製はLespaulと同様のディープジョイントですが、 76年製の方がより深くフロントPUキャビティ後端まで入っています。99年製と00年製はフロントPUキャビティを 突き抜けてリアPU側との間まで入っています。フロントPUを外しただけでは判らないのであまり知られていませんが、 これが1958年製のオリジナルExplorerやFlyingVで行われていたジョイント方法です。 当時の設計者はこうやって露出部分が多いネックの強度を稼ごうとしたんですね。
この思想が63年以降のFirebirdでのスルーネック構造に引き継がれていったと推測されます。
99年製と00年製はPUキャビティへの配線溝を別の木材で埋めていますが、これもオリジナル通りです。 PUは81年製がNEW PAF,99年製が57クラシック、00年製はギブソン純正では57クラシックですが、この山野オーダー品(55本限定)は バーストバッカーが付いています。(ディッキーベッツ シグネチャーLPも同じですね。)


76年
99年
コントロールキャビティもかなりタイトな造りになっています。当時の設計者は空洞が最小限になるよう真面目に作っていたのですね。




オリジナルハードケースです。上から'76年製、'81年製、'99年製、'00年製
タタミ一畳分近い大きさで、かなりの重量です。
'99年製のHistoricでは1958年当時のブラウンケースを再現しています。



左はHistoricのブラウンケースですが、インナーもオリジナル通りのピンクです。右のカスタムショップ製とは内部構造が 異なります。
(ちなみに1963年製のExplorerのオリジナルケースはブラックレザーにイエローのインナーらしいです。)


参考資料編もご覧下さい。オリジナルexplorer編参考資料編