『建築基準法改正』

 

 

■新しい法律

改正された法律は、平成15年7月1日から施行されました。以下の内容のように、禁止と制限と義務付けが決まりました。この法律は、確認申請時に書類上で申請し、役所の許可が必要となるもので、途中の検査などでチェックされます。

 


■クロルピリホスを添加した建材の使用禁止について

防蟻剤として使用されてきたクロルピリホスですが、以前、厚生労働省からだされた室内空気汚染の指針値のリストの中には入ってはいました。

クロルピリホスは、有機リン系の農薬でシロアリ対策の薬剤として、多く使われていました。この農薬のおかげで化学物質過敏症になった人も多いはずです。防蟻剤として使用されている名称としては、カヤタック、クロリピリック、ケミガードーDC、シロアリピリホス、レントレクなどがあります。

禁止に至った理由としては、「床下の換気により希釈され、居室内に流入する場合のクロルピリホス濃度のシュミレーションを行った結果、通常の換気等で室内の濃度を指針値以下に制御することは困難であるということが明らかになった。」ということで、要は、指針値以上のクロルピリホスが、簡単に居室内に入り込んできて、それが有害であると認められたということなのだそうです。クロルピリホスの指針値は0.07ppb(小児の場合0.007ppb)。ということは、他の農薬系シロアリ駆除剤で、有害性の度合いが低いものといえども、室内に入ってくるという恐れが多くあるということだと思います。現在はピレスロイド系の薬剤が多く使用されていますが、有害性が低いといっても農薬は農薬、使用に関しては、充分注意しなければならないでしょう。ピレスロイド系の農薬でも、化学物質過敏症やシックハウス症候群になる人も居るので十分注意が必要です。

 

■ホルムアルデヒドを発散する建材の使用面積制限

これが現在混乱の元となっている法律です。まず、ホルムアルデヒドの量によっての等級分けと全く含ないもので等級分けに入らないものがあるということを理解しなければなりません。

全くホルムアルデヒドを含まないという建材は、「告示対象外」というカテゴリーに入り使用面積の制限はありません。そしてそれ以外のホルムアルデヒドを含む建材が、「規制対象外」と「ホルムアルデヒド放散の等級」で分けられます。等級がついたものに関しては使用面積が制限されることになりました。この制限に関しては、換気設備と換気回数が連動して使用量が決められています。

今まではホルムアルデヒド発散の等級は合板などの工業化木質材料にしかありませんでしたが、今回規制対照となった建材についても表示されるようになります。

表−1をみるとわかりますが、今まで、JISJASFCOE0と表示されていたものが今度は☆印で表れます。☆4つから2つまでは使用してもかまいませんが、☆1つは、内装仕上げへの使用は、禁止となります。また、☆2,3は換気回数によって使用面積の制限が異なり、☆4つは使用面積の制限がありません。また、JISJASの発散等級がないもので規制対象になった建材は「大臣認定」を受けなければならなくなりました。

さて、今回の改正により、基準の値がppmからμg/u(r/u)とかわりました。これは、基準となる測定方法が気中濃度から発散速度(放散速度)に変わったためで、以前のppmよりも、ホルムアルデヒドの放散量がわかりやすくなったと思います。放散速度というのは、その建材の中から、時間当たりどのくらいの量の揮発物質が放散されるかということで、その速度が遅いほど汚染されるまでの時間がかかります。その間に換気をすれば、気中濃度が下がっていきシックハウスになりにくくなるということです。つまり放散速度の速いものほど、WHOと厚生労働省の指針値0.08ppmに達する時間が短くなるということで、たくさんの換気量が必要となります。シックハウス症候群、化学物質過敏症にならないためには、室内空気中の有害な揮発成分の濃度を極力低くすれば良いのですから、今回の基準法では、建材の放散速度換気回数を関連づけて考えて改正したわけです。

 

●表−1

 

 

 

 

名称

マーク

放散速度の基準(*1)

特徴

内装仕上可能面積

(換気回数0.5回/h以上の場合)

規制対象外

F(星4つマーク)

5μg/uh以下(0.005mg/uh以下)

ホルムアルデヒドの放散量が少ない、新しい等級

面積の制限なし

3種ホルムアルデヒド発散建築材料

F(星3つマーク)

20μg/uh以下5μg/uh超 (0.002mg/uh以下 0.005mg/uh超)

ホルムアルデヒド放散量が比較的少ない、従来のFc0、E0相当

床面積の2倍以内

2種ホルムアルデヒド発散建築材料

F(星2つマーク)

120μg/uh以下20μg/uh超(0.12mg/uh以下0.02mg/uh超)

ホルムアルデヒドの放散量がやや多い、従来のFc1、E1相当

床面積の0.3倍以内(*2)

1種ホルムアルデヒド発散建築材料

F(星1つマーク)(JASの一部のみ)または表示なし

120μg/uh超(0.12mg/uh超)

最もホルムアルデヒドの放散量が多い、従来のFc2、E2、無等級に相当

使用できない(*3)

上記の表内のマークF☆☆☆☆はエフフォスターと呼びます。☆3つはエフスリーフォスターです。☆で表現されたのはわかりやすいのですが、四ツ星、三ツ星と呼ぶほうがなじみやすいような気がしますね。

等級のマークはJISJASのものと、各業界団体が等級表示を行うものがあります。各業界団体の表示もF☆☆☆☆、F☆☆☆・・・で行われます。

各業界団体は下記のとおりです。

1.日本建材産業協会

2.日本繊維板協会

3.全国天然木化粧合単板工業組合

4.日本プリントカラー合板工業組合

5.全国木材協同組合

6.日本フローリング工業会

7.日本複合床板工業会

8.日本防音床工業会

9.日本壁装協会

10.日本塗装工業会

11.日本建築仕上げ工業会

12.日本接着剤工業会

また、住宅設備品(システムキッチン、洗面化粧台など)や家具などに完成品を対象にホルムアルデヒドの発散等級を説明書などに記載する場合のガイドラインが協会から示されています。購入時、使用時の参考にしてください。

1.日本住宅設備システム協会

2.日本建材産業協会

3.リビングアメニティ協会

4.キッチン・バス工業会

 

■規制対象の建材

対象となる内装建材は、木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MFDなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、塗料、仕上塗料などです。

規制対象となったものはJISJASまたは各業界工業会が認めた等級の表示があるか大臣がそれと同級品と認めたものでなければ、内装には使用できません。

 

1.木質建材

@合板

合板については今までのFC0FC1などの等級わけがあったので、等級の呼び名と分類の仕方が多少変わったくらいなのでわかりやすいと思います。

A木質系フローリング

木質系フローリングに関して、完全な無垢材は告示対象外です。ムクのフローリングでも継いであるものは繋ぎ目の接着剤にホルムアルデヒドが使用されていなければ規制対象外になります。また、工場で塗装されたものに関しても規制対象外です。木質系フローリングに入るのは単層フローリングと複層フローリングです。

B構造用パネル

ウエハーボード、OSB(オリエンテッドストランドボード)、コンポジットボードなどが構造用パネルです。これにはJASのホルムアルデヒド放散量と強度の等級が明確に表示されたものを使用します。

 

C集成材

集成材は造作用と構造用と2種類あります。主に壁面材、階段材、カウンター材に使用されています。造作用集成材に使用される接着剤は、水性ビニルウレタン樹脂接着剤(水性高分子イソシアネート系接着剤)やユリア樹脂接着剤などです。水性ビニルウレタン樹脂接着剤はホルムアルでヒドを含みませんが、ユリア樹脂系接着剤はホルムアルデヒド系接着剤です。

構造用集成材は、梁、柱などに使用されています。接着剤はレゾルシノール樹脂接着剤が使用されています。この接着剤も製造過程でホルムアルデヒドを使用するので、構造用集成材を使用するときは、注意が必要です。

D単板積層材

合板と同じ製造方法ですが、合板は薄い皮のような板を交互に繊維方向を90℃ずらして(下の板と上の板の繊維方向が直行している)張り合わせ板ですが、この単板積層材は、繊維

方向を平行に張り合わせたもので、LVLと言われています。

 

E繊維板・パーティクルボード

合板・製材の残材をチップ化して原料として使います。このチップを繊維状に成型したものをパーティクルボードと言います。

これらのうちハードボードとインシュレーションボードは告示対象外です。MDFとパーティクルボードは接着剤を使用するので、ホルムアルデヒドの放散等級が必要となります。

上記のボード類は、主に、洗面化粧台やシステムキッチンの収納部の箱や棚板、ワークトップの裏打ち材、家具、オーディオ製品に多く使用されていますので購入時には、できるだけ使用建材の等級表記があるものを選びましょう。畳の中に使用されている畳ボードはインシュレーションボードなので告示対象外となります。

 

2.壁紙

ホルムアルデヒドの等級は日本壁装協会の表示もしくは大臣認定書で証明されたものを使用しますが、壁紙は「通気性がある仕上材」となっており、その下地の板材、ボード類についても、仕上材と同じ規制を受けます。一般戸建住宅の場合、壁紙の下地材はほとんどが石膏ボードなので「告示対象外」ですが、水回りなどにも壁紙を使用する場合は、下地は合板になることがあります。この場合の合板は制限されるので注意しましょう。壁紙用接着剤については、ほとんどのものがホルムアルデヒド無しのものになっていますが、乾燥時にアセトアルデヒドなどが揮発するものがあるので注意しましょう。心配な場合は、実際、サンプルとして石膏ボードに塗布し、壁紙を貼り何人かの人に乾燥時の臭いを嗅いでもらって、変な臭いがしないか確かめて使用の決定をしてください。

 

3.断熱材

ホルムアルデヒドを放散する断熱材も規制を受けることになりました。現在、多く使用されているグラスウール、ロックウールがホルムアルデヒト放散等級の表示をしなければなりません。「吹き込み用繊維質断熱材」も対象になりますが、この吹き込みよう断熱材には、セルローズファイバーは含まれず、グラスウールとロックウールの吹込みが対象になるそうです。ただし、高気密住宅の工法で、断熱材と内装材、または内装下地の間に気密層(気密シートなど)がもうけられた場合は、規制対象とはならないので、等級無しのものが使用できますが、あまり望ましいことではないので、使用しないようにしてください。

 

4.塗料

現場塗装の場合の塗料が規制対象になります。塗料全部が対象になるわけではありません。塗料の場合、告示対象外のものが多くあります。ただ、気をつけなければならないのは、塗料に関してはホルムアルデヒドは入っていなくてもトルエン、キシレンなどの有機溶剤が含まれているので、使用する際には十分注意が必要です。また水溶性の塗料でも、有機溶剤がゼロという訳ではありませんので注意してください。自然系塗料は告示対象外です。自然系塗料は、乾燥時にホルムアルデヒドが揮発されるということが言われていますが。検査実験の場合、生乾きの状態のままチャンバー(ステンレスの密封できる蓋付バケツ)に入れて計測するとホルムアルデヒドが検出されます。この理由は、自然塗料は亜麻仁油をベースとしたものが多く、乾燥するにあたって酸素と温度が必要です。無機質のプレートなどに塗布してすぐ実験用のチャンパーに入れ蓋をしてしまったら、酸素と光不足で、乾燥への反応が進まず、ホルムアルデヒドが揮発する条件になります。現場で使用する場合は、光も酸素も温度もあるわけですから、ホルムアルデヒドが多く揮発するということはありません。ドイツでの自然塗料の計測方法は、塗布してから一定の時間が経過し、反応が終わってから計測することが決まっており、その場合、ホルムアルデヒドは揮発しないという結果が出ています。自然塗料に反感を持っている人たちは、然塗料からホルムアルデヒドの揮発について当たり前のように話してますが、実は上の様な事情があったので、惑わされないよう、今までと変わらず、使用してください。ただし、住みながらのリフォームに関しては、通気をよくとって工事してください。また、塗りすぎによる生乾き状態を作らないように心がけましょう。

 

5.仕上げ塗料

仕上げ塗料は「しあげぬりざい」と読みます。どのようなものかというと「セメント、合成樹脂材などの結合材、顔料、骨材などを主原料とし、建築物の内外装又は天井を吹きつけ、ローラー塗り、こて塗りなどによって立体的な造形性を持つ模様に仕上る建築用仕上塗料について規定」とJIS6909の中で定義されたものをさします。その中でも合成樹脂、セメト、石灰などの結合材の種類によって分類され、そのおのおのに薄塗り、厚塗り、複層仕上げなどの分類があるそうです。

今回問題になっているのは、その中に使用されている合成樹脂の種類です。日本建築仕上材工業会によると、今回の法改正の説明会等で使用されたマニュアルに掲載されているホルムアルデヒト系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、レゾルシノール樹脂は現在の塗料には使用されていません。ただ、ホルムアルデヒド系防腐剤は使用されていることがあるので、使用する塗材が規制対象に含まれているかどうかは、樹脂の種類とホルムアルデヒ系防腐剤が使用されているかどうかの証明書をメーカー側から提出させれば、規制の対象かどうかがわかるそうです。

 

6.接着剤

接着剤については多くの化学物質が含まれているので、注意しなければなりません。

今回の規制対象となるのは、現場施工に使用する接着剤で、工場で使用されたものに関しては規制対象にはなりません。これもホルムアルデヒド系樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂とホルムアルデヒト系防腐剤が使用されていないかの確認が必要です。F☆マークは日本接着剤工業会からだされていますが、それ以外のものでも、樹脂と防腐剤の確認が取れれば、規制対象になりません。

 

ユリア系樹脂接着剤・・・・・・・・・・・・・・・・・ 尿素とホルムアルデヒドをアルカリ性の触媒を使って反応されたものがもととなっている接着剤

メラニン樹脂接着剤・・・・・・・・・・・・・・・・・ ジシアンジアミドを加圧加熱するとメラミンができます。それをホルムアルデヒドをアルカリ性触媒を使って反応されたものがもととなっている接着剤。

フェノール樹脂接着剤・・・・・・・・・・・・・ フェノールとホルムアルデヒドをアルカリ性触媒下で反応させたものがもととなっている接着剤。

レゾルシノール樹脂接着剤・・・・・・ レゾルシノールとホルムアルデヒドを反応させたものがもととなっている接着剤。

 

規制対象から外れているものでも、トルエン、キシレン等の有機溶剤や他の有機溶剤が使用されているかもしれないので確認する必要があります。塗料と同じく、水性というものにも数%、有機溶剤が含まれている場合があるので。確認と注意が必要です。無用材と明記しているものか、もしくはMSDSの中に「火気厳禁」とか「引火注意」など引火しやすいと書かれた事項があった場合は、有機溶剤が含まれている可能性が高いので、十分注意してください。

 

7.カーペット

カーペットは「通気性がある仕上材」に分類されますので、下地材も内装材と同じ規制対象になります。多くの場合は、合板下地なので、合板のF☆☆☆☆を選べば問題ないでしょう。また、カーペットで注意しなければならないのは、パイル式の裏打ち材に合成ゴムや接着剤が大量に使用されているものがあるということです。どのような構成で出来ているか把握してから使用するようにしましょう。

 

8.住宅設備部品・家具

表示の義務はありませんが、各業界団体で、完成品を対象にしてホルムアルデヒドの発散区分を説明書などに記載している場合もあります。これは、住宅設備や家具を選ぶ上での指標となりますので、参考にしてください。各業界団体は以下の通りです。日本建材協会、リビングアメニティ協会、キッチン・バス協会。

最近、ステンレス製のシステムキッチンが、大手キッチンメーカーから出されていますが、ワークトップ(天板)の裏打ち材に合板が使用されています。化学物質に過敏な方のお宅の場合には、たとえF☆☆☆☆でも使用しないほうがよいでしょう。狭く風通しの悪いところに使用してあるので、ホルムアルデヒドの放散が早く行われず、ホルムアルデヒドが充満する可能性もあります。ステンレス製だからといって安心せず、確認してから使用してください。

 

■告示対象外と規制対象外

ここでじっくり今回の建築基準法を読んでみると、告示対象外というものと、規制対象外というものをよく理解しなければならないということに気づかされると思います。

告示対象外の建材とは、もともと、ホルムアルデヒドを含有していない建材を指します。例えば、わかりやすいものでは金属や石材、天然木などです。天然木からはホルムアルデヒドが揮発されますが、製造時に添加したものではなく、天然に持ち合わせているものなので、告示対象外となります。塗料や接着剤、仕上材(左官材や塗り壁材など)などはわかりづらいのですが、基本的には、製造段階で、ホルムアルデヒドを添加しているかいないか、ホルムアルデヒドを製造時に使用する接着剤(ユリア樹脂、メラミン樹脂、レゾルシノール樹脂)を使用していないか、または、ホルムアルデヒド系防腐剤の添加の有無で告示対象外か規制対象外になるかが決まります。規制対象建材となった場合、その中に規制対象外(F☆☆☆☆)かもしくは第3〜1種の表示、またはそのカテゴリーと同等品と認められた大臣認定が必要となります。

告示対象外=規制対象外と誤解をしやすいのですが、規制対象外というのは、ホルムアルデヒドがゼロというわけではありません。ただ、使用面積の制限を受けないという建材なので、条件によっては、ホルムアルデヒドの空気中濃度が高くなる場合もあります。ゆえに換気システムを併用しなければならないのです。

またホルムアルデヒドがゼロの建材でも、明確にするために大臣の証明書を取得したり、第三者機関で試験をしてもらったり、F☆☆☆☆を取得したりするものもありますが、それ以外のものはF☆☆☆☆=ゼロホルムアルデヒドではないということを充分認識してください。重要なことは、ホルムアルデヒドを含有しているかいないか、また含有している場合の放散速度を知るということです。今回の改正建築基準法で決められた使用建材の面積を制限するということは、従来より改善された建築にするという意味であって、完全で健康的な住宅を作るということではありません。

 

◎告示対象外となる建材の例

金属類                                                     アルミ板、銅版、ステンレス板

                                                               ホーロー鉄板(PCM板、塩ビ銅版、

                                                               カラーアルミなどは含む)

                                                 PCM板は建築事典に掲載されていな

                                                                 いので建築用語ではないと思いますが、

                                                                 調べたところ、家庭用電化製品に使用さ

                                                                 れる塗装鉄板のことを指すようです。

 

コンクリート類                                       コンクリート、モルタル、コンク

                                                               リートブロック

 

窯業建材                                                 ガラス、タイル、レンガ

 

天然石材                                                 石材、大理石

 

無機系塗装(水和硬化型・自己接着型)     漆喰、プラスター

 

木材                                                        ムクの木材、縦継ぎ等、面的に接

                                                               着して板状に成形したものではな

                                                               いもの

 

ボード類                                                 木質系セメント、パルプセメント

                                                               板、石膏ボード、ケイカル板、ロ

                                                               ックウール吸音板、インシュレー

                                                               ションボード、ハードボード、火

                                                               山性ガラス質複層板

 

化粧版                                                     印刷紙、オレフィンシート、突板、

                                                               塩ビシート、高圧メラミン樹脂板

 

塗料                                                        告示対象以外の塗料

                                                               セラックニス類、ニトロセルロー

                                                               スラッカー、ラッカー系シーラ−、

                                                               ラッカー系下地塗料、塩化ビニル

                                                               樹脂ワックス、塩化ビニル樹脂エ

                                                               ナメル、塩化ビニル樹脂プライマ

                                                               ー、アクリル樹脂ワニス、アクリ

                                                               ル樹脂エナメル、アクリル樹脂プ

                                                               ライマー、合成樹脂エマルション

                                                               ペイント及びシーラー、合成樹脂

                                                               エマルション模様塗料、合成樹脂

                                                               エマルションパテ、家庭用室内壁

                                                               塗料、建築用ポリウレタン樹脂塗

                                                               料、つや有合成樹脂エマルション

                                                               ペイント、アクリル樹脂系非水分

                                                               散樹脂塗料、オイルステイン、ピ

                                                               グメントステイン

 

接着剤                                                     告示対象以外の接着剤

                                                               酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形

                                                               接着剤、ビニル共重合樹脂系エマ

                                                               ルジョン形接着剤、ゴム系ラテッ

                                                               クス形接着剤、エポキシ変性合成

                                                               ゴム系ラテックス形接着剤、水性

                                                               高分子−イソシアネート系接着剤、

                                                               α−オレフィン樹脂系接着剤、エ

                                                               ポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹

                                                               脂系接着剤、変性シリコーン樹脂

                                                               系接着剤、シリル化ウレタン樹脂

                                                               系接着剤、ホットメルト形接着剤

 

仕上げ塗料                                              告示対象外以外の仕上塗料

                                                               内装セメント系薄付け仕上塗料、

                                                                        内装消石灰・ドロマイトプラスタ

                                                                        ー系薄付け仕上塗料、内装ケイ酸

                                                                        質系薄付け仕上塗料、内装水溶性

                                                                        樹脂系薄付け仕上塗料材、内装消

                                                                        石灰・ドロマイトプラスター厚付

                                                                        け仕上塗料系、内装せっこう系厚

                                                                        付け仕上塗料、内装けい酸質厚付

                                                                        け仕上塗料材系、ポリマーセメン

                                                                        ト敬複層塗料材

 

以上が、告示対象外となる建材の例ですが、あくまでも例であって、これ以外にも昔から使用されている自然系の建材なども告示対象外となります。

 

規制対象をうけるところ

今回の法律でホルムアルデヒドの発散等級第3(F☆☆☆)と第2(F☆☆)を使用し面積制限を受ける場合は、「居室」と「天井裏」があります。

 

■居室の制限

まず、その部屋や空間が居室とみなされるか、みなされないかという制限と、各居室の中でも、使用する建材、例えば、床材なのか、巾木なのかなどの違いによって制限される場合があります。この規制は内装建材にかかるものなので、もちろん外装部分や構造部分、内装部分に現れない建材に関しては、制限を受けません。但し、壁紙、カーペットなどの通気性の高い建材を使用する場合は、下地まで制限を受けます。居室とは今まで建築基準法では「居住、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう」と定義されており、廊下やトイレ、浴室は居室ではありません。しかし、今回のシックハウス対策の法律では、換気設備の位置によって居室と同一とみなされる場所が生じまある場合は、廊下やトイレ、浴室は居室とされません。しかし、多くの場合、排気口や換気扇は、トイレや浴室にあります。この場合、空気は居間や個室を出て、廊下を通ってトイレや浴室に到達します。このような廃棄経路の場合、廊下、トイレ、浴室も居室とみなされます。また、開き戸、ガラリ、アンダーカットのある扉で仕切られている何度やクローゼットで給気の経路(納戸やクローゼットの中に給気口がある場合)となっているところも居室と一体とみなされます。つまり、建材のみならず、人間の呼吸などで汚れた空気が排気されるために通るところや空気が簡単に出入りするところに関しては居室とみなされるということになります。

 

■規制対象となる部材

使用面積の少ないものに関しては、規制がかかりません。また、部材によっては、内装の規制を受けずに天井裏などの規制になる所もあります。

○内装材の規制

内装材の規制となるところは面として現れてくるところで、壁、ふすま、畳(ホルムアルデヒドを含む材料を使用している場合)、天井、床、ドア、引き戸、折戸、収納部の扉、システムキッチンの扉や側板、ワークトップ、キャビネットの扉、箱の外側に出ている部分。造作家具で扉のないものに関しては、背板や固定棚板、階段の踏み面、けあげ、腰板などが主だったもので、使用面積が多いものと思えばよいでしょう。

 

○内装材の規制対象外

これは、帯状に現れてくる部材で、巾木、框、手すり、階段の側板、ふすまの枠、造作家具、フィラー、造作家具の可動棚板、建具の枠、窓枠、柱、出窓の膳板(天板)などが含まれます。使用されているなかでも面積の少ない部材と考えればよいでしょう。

 

○天井裏

法律の中では、「天井裏等」となっていますが、具体的な箇所は、天井裏、小屋裏、床裏、壁、物置とその他これらに類する住宅の部分や換気経路や建具などの分類で居室とみなされなかった収納スペース(押入れ、造り付け収納、小屋裏収納、床下収納、ウォークインクローゼット等)です。これに関しての規制は、居室に比べて緩やかになっています。まざ、建材の等級による制限でホルムアルデヒドの放散量を押さえる方法とまったく居室のとの間を閉じてしまう(密閉)方法、換気設備を設置してホルムアルデヒドの居室内への流入を防ぐ方法の3通りあります。

1.建材の等級による方法

・第1種ホルムアルデヒド発散建材(F)

・第2種ホルムアルデヒド発散建材(F☆☆)

・第2種ホルムアルデヒド発散建材と大臣認定で認められた材料

以上の等級のものは使用できません。

2.居室との間を閉ざしてしまう方法

居室と天井裏を完全に通気をとめてしまう方法です。主に気密シート等で通気を止めホルムアルデヒドの流入を抑えます。この場合は、使用建材に制限はありません。

3.換気設備による方法

上記、1.2.の対策をしていない場合は、天井裏等に関して機械換気設備を設け、ホルムアルデヒドが居室内に流入しないようにしなければなりません。2階の床下地は、F☆☆☆☆の下地合板を使用し、小屋裏は同じくF☆☆☆☆の合板か内側に石膏ボードを使用すれば換気設備は必要ないということになります。

 

■換気設備の義務

昔の木造住宅、つまりアルミや現代的な木製のサッシなどを使わず、木製のガラス戸や板戸を外部建具に使用した家や真壁造りの家で天井や床下地に合板類を一切使用しない家については、換気設備をつける義務はありません。ただ現在、多くの住宅は、どこかここかに合板を使用したり、サッシ(金属製や木製)を使用するので、換気設備の設置は義務となります。

それでは、どのような換気設備を設けなければならないのか、また、どの位の空気が出ていけばよいのでしょうか。換気設備については、どのようなものでも良いのですが、空気の量については、換気回数が0.50.7が基準になっています。

換気回数とは1時間にその部屋の空気がどのくらい(何回)入れ替わるかということを表した数値です。部屋全体の空気が入れ換わった場合は1回。半分の場合は、2分の1回、つまり0.5回。今回の法律の改正では、その換気回数によってホルムアルデヒド発散材料の等級と使用可能面積が決められています。

では、どのような機械換気の方法があるというと、給気と排気の方法に違いにより第1種換気設備、第2種換気設備、第3種換気設備があります。

第1種は、給気と排気の両方にファンをつける方法で、給気機によって強制的に外気を入れ、排気機によって室内の空気を排気します。この場合給気のファンは掃除しやすいところに設置し、まめに掃除することをお薦めします。もちろん排気ファンも掃除をしないと風量能力が落ちますので注意してください。

第2種は、給気にファンをつけて強制的に給気だけを行い、排気は孔だけを開けます。きれいな空気をどんどん入れて汚い空気を排出してしまおうという考え方です。

第3種は、一般的な換気の方法で、排気を機械で行い給気は孔だけという方法で、多くは台所や浴室、トイレなどについているファンで行います。この方法には必ず給気口が必要です。従来は排気については意識されていましたが、給気についてはなおざりになっていました。汚い空気を排出しても、入ってくるきれいな空気がない以上、換気はされないので、給気口が不可欠となります。また、第1種と第3種にはダクト式のものがあり、居室から天井裏にダクトを通して、集中式のファンによって排気(給気)を行います。

 

■必要な換気量

必要な換気量は、下記の式で求めることが出来ます。

 

 

換気回数に今回基準法で決められた0.5回または0.7回を入れて計算します。

6畳一間の床面積は約10u。換気回数0.5回、天井の高さを2.4mとした場合、0.5×10×2.412?/hです。

換気量に関しては、換気経路によって居室とみなされるところの面積も入れなければなりません。トイレに換気扇をつけた場合は、居室の面積と廊下、トイレの面積を居室の床面積とします。ダクト式でファンが一つの場合は、住宅全体の必要換気量を計算し、それに合った給気ファンや排気ファンが必要になります。この換気経路に関しては、とてもややこしいのですが、とにかく汚い空気が通っていく道はすべて面積に入れなければいけないということと、建具に仕切られた収納なども空気が通るガラリなどが開いている建具などで仕切られる場合は、居室にカウントされることになります。「天井裏」の項で説明しましたが、天井裏に含まれる収納や納戸でも、居室に面していて、ドアに通気のためのガラリやアンダーカットがほどこされて、換気の経路になっていたらその収納や納戸は居室になります。ここを何もないドアの場合で仕切った場合は収納、納戸は天井裏の扱いになります。但し、収納、納戸に給気口も排気口もない場合です。ということで、必要換気量に収納、納戸の容積を加えなければならない場合があるので注意してください。

 

 

■換気の注意

法律的に必要な換気の量は、使用縷々材料の等級と床面積を掛けたものから出されますが、それではどのような換気設備を選んだらよいのでしょう。

壁につけるパイプファンといわれる一般的なもの(浴室やトイレについているようなもの)やダクト式と言われ、天井にファンがついているもの(これは11つのファン)。ダクト式でも、大きなファンをクローゼットや洗面室などの天井裏や壁につけ、そこから数個のダクトを、各居室にまわし排気するシステムのもの、キッチンにつけるレンジフードなどがあります。

基本的には、どの種類の換気設備を選んでも問題はありませんが、注意しなければならない点がいくつかあります。

 

●圧力損失

換気扇を使っての換気を考える場合、その換気扇の能力を示す「風量」といわれるものがあります。一時間にどのくらいの量の空気を排出できるかという値ですが、m3(立方メートル)/hであらわします。たとえば部屋の容量が500m3である場合、0.5回の換気量にするには、250m3/hの風量のものを選べばよいのですが、壁付けのパイプファンの場合、外壁につける雨、風よけのフードの圧力損失量を考慮しなければなりません。つまり、フードやカバーなどが排出される排気の勢いを邪魔するので、そのため少しその風量が落ちるのです。また、ダクト式の場合、外壁までのパイプの長さも圧力損失に関わってきます。パイプは短ければ短いほうが良いのですが、取り付けの場所によっては、長くしなければならないこともあります。グラフが換気扇のカタログに掲載されたりしていますので、確認して適切な量の風量のある換気扇を選んでください。

 

●給気

汚い空気は換気扇で排出します。しかし、出て行った量と等しいだけの新鮮な空気が入ってこなければなりません。給気口がない場合、部屋の中の空気圧はマイナスになり、バランスを取るために、色々な隙間から空気が入ってきます。例えば床下や、壁から。その空気が新鮮ならば問題はありませんが、ほとんどの場合、汚染されていることでしょう。故に、新鮮できれいな空気を部屋に入れるためにも給気口を必ず一部屋一つ設けることをお薦めします。

換気扇をトイレや浴室、廊下などに設けた場合は、その部屋の出入り口より、一番遠いところに高さ約180cmくらい、家具などを置いて塞がれない外周壁に設置するのが良いでしょう。

給気口の数が少ないと、給気口のある部屋だけが、冬、寒くなってしまいます。排出される量=給気量なのでもし、1つしか給気口を設けなかった場合、排出される量の空気がそのまま部屋に入ってきます。ゆえにいくつかの給気口で排気量を分ければ、1つの給気口から多くの空気が入ってくることはありません。家の全体に、均等に新鮮な空気が入ってくるように上手く給気口を配置してください。

また、交通量の多い道路側には設置を避ける。隣家の排気が漂っているようなところに設置は避ける。なども考慮に入れたほうが良いでしょう。

 

●排気ファン

壁付け用以外の排気ファンは圧力損失を減らすためにファンを出来るだけ壁に近いところに設置するほうが良いでしょう。

特にダクト式の1つの集中ファンで、5〜6個の排気ダクトを使うものに関しては、洗面室やトイレの天井裏や外周壁際につけファンから外壁までの距離を少なくするように設置するほうがより能力を有効に使えます。また、設置する場所ですが、居室のすぐ隣や寝室の側などはさけ、モーター音が居室から聞こえづらい位置に設置してください。昼間は、ファンの音がほんの少ししか聞こえませんが、夜間、暗騒音が下がると、大きく聞こえる住まわれる方のことを考えるのは当たり前ですが、壁付け換気扇の場合、隣家などに対しての配慮を忘れないで下さい。音がしていて、汚い空気が排気されてきたら、誰だって気分の良いものではありませんから。。。

壁付け用パイプファン以外の換気扇(システム)の排気口については、押入れやクローゼットなどの収納の奥の隅に設けたり、浴室、洗面、トイレ、廊下の隅に設けると良いでしょう。

排気口の位置については、「汚い空気が集まって抜けていくところ」ということを意識して、考えれば、理解できるはずです。例えば、人がいつも居ないところ、空気が汚れやすいところ、よどみやすいところ、湿度が上がるところなど、それらの場所の入り口の対角の隅に設けることが正しい位置となります。正しい換気は、空気の淀みを無くすというところ

にもポイントがあります。

 

●熱交換型換気扇

気密性と断熱性を高めた住宅において、給気口から冷気が入ってくることは、目的に反し省エネにならないと思い込んでる方が多くいらっしゃいます。

そして、そのような多くの住宅で、熱交換型の換気システムが設置されています。

最近、私どもへ相談や、リフォームの依頼があるシックハウス住宅において、使用されていた換気扇は、熱交換型が多く、実際、私が現場で体感した感じでも、空気が全体的に入れ替わっている感じがしません。私は、建材のみならず、ここにもシックハウス症候群や化学物質過敏症になる原因があるのではと感じます。換気回数が0.5回といわれても、部屋の隅々の空気が入れ替わっているという感じがしないのです。汚染された空気が上手く排出され、きれいな空気が上手く入ってこないので、シックハウスになってしまっているのではないかと推測されます。

私達は、外部の空気はなるべく新鮮なうちに取り込むべきだと思っています。確かに寒い地方で、冬、直接、外の空気を入れることは、辛いし暖房エネルギーの損失だと思います。ただ、関東以南の暖かいところで、本当に熱交換型が必要なのかも疑問に思われるところです。それに省エネといいながら、高気密高断熱にして、暖房をつけ部屋の中で薄着にしているのも変な話で、「寒ければ着る」を原則として、ダクトを通らない新鮮な空気を吸ったほうが健康的なのではないでしょうか。

 

 

『改正基準法に対応した

建築物のシックハウス対策マニュアル』

より抜粋。