長野パラリンピック雑感

初めてのパラリンピック観戦

〜すごい迫力にドキドキ、ハラハラ〜


前回パラリンピックが東京で開かれたのは、昭和39年の東京オリンピック(夏季)の時だそうです。
私はもちろん、まだ生まれていませんでした。
そして、冬季大会としては、ヨーロッパ以外で初めて開かれたのが、この長野パラリンピック。
予想以上の人気にチケットの入手のメドも立たないまま、3月7日、とりあえず私は美音を連れヨシユキの車で長野へ向かいました。

最初に訪れたのは、アイススレッジスピードスケートの会場であるMウェイブ。
ちょうど、開場時間だったため、寒風吹きまくる中、たくさんの人、人、人…。
一縷の望み当日券販売もなく、ゲート近くは「チケットを売ってください!」のボードを持った人が何人もいました。仕方なく、会場をバックに記念撮影。

このまま、明日も会場訪問だけで終わるのかな、と憂うつな一行は、願かけのため?、雪の中、「犬にひかれて善光寺参り」をしました。

この願かけが功を奏したのか、その夜、ホテルで知り合った車椅子のSさんのご尽力で、入場券が譲ってもらえることに!急きょ、翌日、志賀高原へアルペン男子滑降を観戦に出かけることになったのでした。

3月8日(日) 男子アルペン滑降 in 志賀高原 東館山

昨日、悪天候で延期されたおかげで一番観たかった男子滑降を観戦。ウキウキ!
シャトルバスを降りてから、観戦席までけっこう距離があり、その道を車椅子用雪上車が通ったり、選手が通ったり、一般スキーヤーが通ったり、歩きの観客が通ったり…大混雑で事故が起こらなければいいけれど、と思いつつ、歩きました。美音はズボズボ雪に埋まりながら…
観客席へ向かう途中でも、選手の滑りを見ることが出来ました。
ちょうど、LW2クラスで、片足でアウトリガーを使って滑る人の姿が…。コースの斜め下から見上げたので、その斜度の大きさを実感することが出来て、東館山でスキーをした経験のある私は「すごい!」の声に力が…。たぶん私だったら転げ落ちる方が早いだろうな…。
観客席近くの場所で、ゴールに入ってくる選手を観ました。下から見上げても、やはりすごい斜面。選手が転倒したり、バランスを崩すと、目を開けていられません。
美音は「聴導犬」のケープでやっぱり目立ってしまいました。
外国の人も、「Hearing Dog!」と言って、スマイル。でも、すぐにナデナデしようとしないところが、日本人の反応と違いました。
レースを終えた選手と写真を撮ったりして、最後まで観戦、それから急いで長野市内へ戻り、
アイススレッジホッケーの会場であるアクアウィングへ。残念ながら、試合には間に合いませんでしたが、ショートトラックの公開競技を見ることが出来ました。ショートトラックは1周100mぐらいのリンクを回るので、スピードスケート用ではなく、ホッケー用のスレッジを使うそうです。だから、デモンストレーションもみんな、ホッケーの選手たち。開会式の日、NHKで放送された特集番組に出ていた日本でのスレッジ草分け的存在の加藤正選手を見ることが出来ました。


アクアウィングから東京への帰路についた私たち、でも、せっかくのフリー入場券を手にした私は何だか、物足りなくて…結局1週間かけて、ヨシユキを説得し、閉会式の当日朝、今度は実家の母と新幹線で長野へ向かったのでした。もちろん美音も一緒…。

3月14日(土) スレッジホッケー決勝戦 ノルウェーvsカナダ

すごい激突音にびっくり。それに、応援の人の歓声…。美音は恐くて、イスの下に隠れちゃいました。でも、この迫力ある音は聞こえないけれども、壁にぶつかる選手の勢いに思わず体を避けたりしちゃうくらい、圧倒されました。
ともあれ、さすが先進国同士の戦い、息もつかせぬ展開でした。これはもう、「障害者のスポーツ」じゃないな。単にスレッジに乗っているだけの違い、一つの競技、戦いです。
「障害者だから、おとなしく」とか「体が不自由な人だからいたわって」なんて、あの選手たちには絶対に合わない。足がないとか、車椅子だとかは関係なく、普通の競技者として「かっこいい!」って感じ。そう思う子どもが増えたのか、スタンドでは観戦している他国の選手たちにサインや写真をねだる姿が多く見られました。これって、プロ野球やJリーグと、同じだよね。
会場では、オレンジのケープを着けた美音がまたも大目立ち。新聞社だけで4人の人に声をかけられ、写真を撮られました。他にも私と同じように聞こえない人からも…。長野県では、伊那市で保健所が中心になって聴導犬の育成を始めているはずなのに、みんな「知らない」って。
聞こえない人の声の届かないところで、聴導犬が作られても意味がないのにな、と思いました。

閉会式 in エム・ウェイブ

最初に来た時、チケットがなくて門前払いとなったMウェイブにやっと入りました。会場に入って一番に目に付いたのが天井からも壁にもぶる下がる、折鶴、折鶴、折鶴…。閉会式演出の野村万之丞さんの呼びかけで、700万羽以上、集まったそうです。
それから気がついたのは、オーロラビジョンがメインスタンドと反対側スタンドの両方についていたこと。思ったより小さかったけど、両側にあれば、どこに座っても、画面が見れて、テロップも読めるから安心ね、と喜んだのもつかの間…その数分後、その画面を怒った顔で睨み付ける私がいました。
なぜなら…。テロップが流れなかったのです、全然。日本人の挨拶には英語が、英語での挨拶には日本語が翻訳されて流れましたが…。そうじゃないんです。聴覚障害者のためのテロップが欲しかったのです。観客席にもきっと聴覚障害者や耳の遠いお年寄りがいたでしょう。選手の中には、ドイツのヘッカー選手(クロスカントリー)のように手足の障害と聴覚障害を重複している人もいたはずです。たとえ、少数でもそのようなサービスを必要とする人の参加の可能性が見込まれるのなら、配慮すべきなのではないか、ものすごく頭に来てしまいました。
ちょっと後味の悪い閉会式になってしまいましたが、このような一参加者の意見がすこしずつ受け入れられれば、きっといつか誰もが満足し、楽しむことができる大会になるに違いありません。
もし、大阪でパラリンピックが開かれたら…今から楽しみですね。



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