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環 境 情 報

 ダイオキシン類情報

 産庁は平成15年5月27日、魚介類の4年間のダイオキシン調査結果をまとめました。詳しくは水産庁のHPにあります。
  • 102種423検体の魚について調べたところ、クロマグロは8検体とも1pgTEQ/gを超え、とりわけ地中海で畜養されたものは11〜13.8pgTEQ/gでした。これは地中海で取れた天然クロマグロの3倍です。ミナミマグロだと、6検体のうちオーストラリア沖で畜養した2検体だけが2ピコを超えました。きっと畜養の餌から濃縮されるのでしょう。そのマグロ自体脂肪の量が多いかもしれません。その他、瀬戸内のアナゴやタチウオ、東京湾のスズキ、関東地方のドジョウなど大都市周辺のものが高かったようです。いずれも水が汚なそうなところですね。
 生労働省の第一回薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会ダイオキシン特別部会(長過ぎ!)で平成13年12月5日、12年度ダイオキシン調査結果が報告されました。詳しくはこちら http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1205-3.html へ
  • ダイオキシンの1日摂取量は1.45pgで、TDI(耐用一日摂取量)1〜4pgの範囲内でした。
  • 食品の中では魚介類が1.593pg、水産加工品が0.398pgで高い値であり、肉類0.128pg、乳類0.174pg、卵類0.174pg、野菜類0.011pg、果実類0.001pgでした。
  • 平均ダイオキシン濃度が高いのは、タチウオ4.101pg、アナゴ3.580pg、キチジ3.574pg、サバ(マサバ)3.487pg、アジ3.358pg、イイダコ3.096pg、メバル2.997pg、ハマチ2.043pgであり、水産加工品では塩サバ(輸入)1.156pg、煮干1.068pg、ホッケ干物1.066pgでした。
  • ダイオキシンいっぱいの泥の中にいる底魚が高いのは分かるのですが、浮き魚であるアジやサバが比較的高いのは食物連鎖でしょう。脂っこいものは少量にしましょう。
 成12年度日本水産学会東北支部(平成13年2月16日開催)で、東京都環境科学研究所佐々木部長が「水生生物のダイオキシン類汚染」、国立公衆衛生院内山部長が「魚介類に含まれるダイオキシン類の健康リスク評価について(講演要旨)」報告がありました。トピックス的な所を紹介します(詳しくは上の文字をクリック)。
  • 人間は2,3,7,8TCDDを選択的に取りこむ(以下佐々木部長)。
  • 魚種によりダイオキシンの種類による取りこみが異なる。特にコプラナPCBはPCDD/PCDFに比べ分子が小さくて取りこまれやすく、代謝されづらい。我々のダイオキシンの取りこみは魚からのコプラナPCBが多く、対策が必要。
  • パルプ工場対策や汚染場所を清浄砂で覆うとダイオキシン汚染レベルが下がる。
  • TDIの決定方法の紹介(以下、内山部長)。
  • 養殖魚のほうが天然魚よりダイオキシンが高い。但し輸入魚は地域によってはDDTが入っている。
  • 調理加工によりダイオキシンが減少(数字あり)。
  • 初産婦のほうが経産婦よりも母乳のダイオキシン高い。母乳と人工乳それぞれで育った子供の血液中ダイオキシン量は、10才で差がなくなる。母乳のダイオキシン量と焼却場ー居住地の距離に相関なし。
  • ダイオキシン被爆の特徴的な皮膚症状である塩素ニキビ(黒いニキビで、皮膚からの排泄に伴うもの)は高濃度でないと出ない。ダイオキシンの影響としては児童のチロキシンとの関係が調べられている。これはカネミ油症の子供のチロキシンが減少していたことから。現在の母乳量程度の被爆では影響が出ていない。
  • 二人と個人的な話をしてきたのですが、ダイオキシンとアトピーについては相関がないとのこと。その証拠としてダイオキシンの母乳からの移行が少ないはずの第二子のほうが症状が重いことを挙げていました。
 成12年度日本水産学会東北支部(平成12年11月27日開催)で、東北区水産研究所の魚のダイオキシン類汚染に関する報告がありました。
  • カキ>マコガレイ>ヒラメの順でダイオキシン類の各異性体の種類が多くなっている。また、それぞれ出現する異性体の特徴があり、食物連鎖とそれぞれの生物の代謝の双方が関連しているらしい。
  • ヒラメはマコガレイよりコプラナPCBを吸収しやすい(これも食物連鎖が関連?)。
  • コプラナPCBは全国で同一レベルであり、PCB汚染は全国的な問題である。海水の10万倍に濃縮されている。


 水道水の変異原性

 成10年度某県保健環境センターの年報中に、平成7〜9年度の水道水の変異原性の調査結果が記載されています。その結果概要について紹介します。
  • 同一水系では、下流に行くに従って変異原性が高くなっている。
  • 表流水を利用している浄水場では、浄水方法に関係なく、伏流水・地下水に比べて変異原性が高い。
  • 最下流域の施設でも緩速ろ過工程で浄水を行っている場合は、上流で急速ろ過方式で浄水している施設の水質と同程度の変異原性である。これは、緩速ろ過池内の微生物の分解による結果であると考えられる。
  • 変異原性が認められた施設でも、活性炭を用いると変異原性の出現を防ぐことができた。


対策は元から断たなきゃ

  • 下水処理でのダイオキシン除去にはSS(浮遊粒子)の除去が有効であるという結果があります。しかし川の水をすべてろ過浄化するのは不可能です。川幅が広く水流が穏やかならばSSは沈降するでしょう。また、汽水域では海水と川幅の影響でSSは沈降するが、健全な干潟があれば、波や光や微生物の影響でダイオキシンは分解しやすいでしょう。まさに人為的な河川構造破壊の影響でダイオキシンは分解しにくくなった側面があるのではないでしょうか。沿岸魚を安全に食べるためにも、海洋微生物活性を高める方法はないものでしょうか。それもあまりエネルギーを使わずに自然に。
  • 漁業では川から流れてくるゴミ・環境ホルモン・大腸菌やウイルスに困っています。ゴミについては河川敷で行われている農業のゴミが多いようです。河川敷の野焼きは少なくなったでしょうが、その分焼かずに廃棄しています。木であれば切り口を見ると分かります。しかし川のゴミの内訳を調べて因果関係を調べないと海からの働きかけはできません。誰か実態調査をしませんか?
  • 循環式社会の構築のために、浄水場でリサイクル素材としても有効であるかき殻を用いてほしいと思います。現代は江戸時代に比べ物質循環が全く行われていない悲惨な社会だと思いますが、どう思います?


ダイオキシンと魚との関係

 今のダイオキシンや衛生問題への過剰反応には辟易しています。もちろん一方ではアトピーの子を抱えて無農薬・減または省農薬食品を使っています。しかし正しい知識を持てば、「何でもだめ」にはならないと思います。
  • 魚は危ないと言われています。人のダイオキシン汚染の6〜7割は魚からの摂取です。では魚を食べなければいいのか?違います。すべての物にメリットとデメリットがあるので、どちらが大きいかを理解して使用することでしょう。ダイオキシンの移行が懸念される母乳についても同じです。
  • 魚のアレルギー患者が多くなっています。これはダイオキシンのせいでしょうか。反対に自然界のダイオキシン量は昔より減っています。ダイオキシンのほとんどが昔使っていた毒性の強いCNP(クロルニトロフェン)を中心とした農薬とPCBの残留によるものだからです。では魚のアレルギー増加は何に由来するのでしょうか。私は一つには子供が寿司のような生魚を食べる習慣が定着したためだと思います。また、コールドチェーン(低温流通)の過信もあると思います。
  • 魚のダイオキシンについていえば、近海の魚のうち食物連鎖高位の魚やドロを食っている魚・甲殻類の脂肪の多い部分を食べないことでしょう。ハラスや養殖甲殻類のミソといった部分は量を控えましょう。ダイオキシンが相対的に高い魚介類で日常食べるものとしては貝やカニ類でしょうが、いずれ量を食べないので心配するほどではないと思います。環境庁他の調査でも東京湾や大阪湾の経年データに比べて仙台湾や北上川の値ははるかに低いのですが、脂っこい部位は量を控えるか、子供を作ってから(笑)食べたほうがいいでしょう。また、焼くとダイオキシンが3割減るので、調理加工して食べましょう。それでも刺身を食べたい人へ。海藻や緑黄食野菜のような繊維質が多いものをいっしょに食べれば、糞便からのダイオキシンの排出が増えます。
  • また、沖合魚はあまり心配しなくていいが、沿岸魚はきれいな海(漁業者には怒られるだろうが、私は東京湾と大阪湾の魚は食べたくない)のもの、そのうちあぶらっこい部分は遠慮すること、そればかり食べないこと、でしょうか。もちろん、そのダイオキシンの発生源である自宅のゴミの種類と量にも思いを馳せてください。(やばい、危険な環境ファシスト的な発言?)平成12年度水産庁事業の中に「ダイオキシン類等漁業影響調査」というものがありました。これはそれまで存在した「有害物質漁業影響調査(有機スズ、ダイオキシン、CNP等の農薬等の調査)」の焼き直しに過ぎないのですが、これまでの魚のダイオキシン調査に加え、魚からダイオキシンを効果的に削減する方法の検討をする、とあります。一応ダイオキシンを含まない魚を作り出すつもりのようです。しかし成果はでていないようです。当たり前ですね。
  • 環境庁の通称黒本と呼ばれる「非意図的〜調査」というダイオキシン調査の平成10年調査結果が平成11年9月24日に公表されました(平成10年までは、公表は翌翌年の1月です)が、コプラナPCBがダイオキシン類に入ったこととTDIが4ピコに下がったためにTDIを大きく超える魚が3割に達することになりました。さらに厚生省の調査が11月1日に公表され、スズキのあるサンプルで最も高い25.72pg/gという値が検出され、これを例外的データとコメントしています。これらはある時点の特定の場所・特定の魚個体という「点」の調査でしかないことを考えれば、全体の傾向を掴むものだということでしょう。傾向として、これまでの調査同様、基本的に大都市周辺が危険だということです。ただ、マスコミ報道に過剰反応をするのはいい加減やめましょう。今の環境ホルモンへの市民の反応は異常です。
  • 魚のダイオキシンや環境ホルモンの調査の問題点として、まず魚の個体差や部位差、年齢差が極めて大きいことが挙げられます。さらに検出機器の感度が高くなったとはいえ、機器の誤差が極めて大きいです。平成11年8月4日の朝日新聞に載っていますが、環境庁がダイオキシン検査機関62社を調査したところ、最も分析が簡単な煤塵のダイオキシンですら、平均値を1とすると0.5としたのが4社、1.5としたのが3社など、かなりのばらつきがあり、泥の分析ではさらにばらつきが広がり、異常値や計算ミスを指摘された会社もあるとのことです。ダイオキシン類という多くの物質の毒性換算の仕方も、最大の毒性を持つ2・4・6・8〜に係数を掛けて計算していますが、この係数もすべてきちんとした試験に基づいたものではないそうです(国立公衆衛生院内山部長によれば)。「魚や野菜からダイオキシンが検出された」というマスコミ報道にはくれぐれも安易に反応しないようにしたいものです。医師の言葉も、リスクの完全な排除のために極端な言動する場合があるので同様です。自分の判断と責任で生活スタイルと食べるものを選ぶようにしたいものです。
  • 参考までに、平成11年10月29日に発表の厚生省平成10年度食品中のダイオキシン汚染実態調査研究報告書「個別食品中ダイオキシン濃度及び調理加工の影響」から魚介類を抜粋します。魚介類の平均は1.468pg(0.003〜25.72pg)、水産加工品が0.968pg(0.001以下〜2.876pg)で、値が比較的高いのはスズキ、アナゴ、アジ、サバ、輸入サケ・マスで、それぞれ8.005pg(1.420〜25.72pg)、4.049pg(1.733〜6.364pg)、2.006pg(1.470〜2.542pg)、1.390pg、1.340pg(0.040〜2.741pg)だった。これらはいずれもダイオキシン類よりもコプラナPCBの値が高く、海域汚染の特徴がでています。国産と輸入のエビでは前者が0.316pg、後者が0.034pgで国産のほうが値が高い。水産加工品ではサバ水煮缶詰も1.925pg(1.135〜2.876pg)と高めであった。このようにスズキやアナゴのような肉食で食物連鎖で高次の魚に注意することです。
  • ただ、食物連鎖による濃縮は異性体によって異なるようです。ある最近の報告では、ダイオキシン類では、PCDDsとPCDFsの生物濃縮は少なく、CoーPCBsのみが食物連鎖高次の魚に濃縮されているようです。また、TPTとTBTではTPTのみが濃縮されているようです。
  • 平成5〜10年度に調査した魚介類のダイオキシン実態調査を基に、平成12年1月に水産庁が公表した内容としては、PCDD(ポリ塩化ジベンゾジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)及びコプラナPCBを併せて1.28ピコTEQを1日体重1kg当たりのダイオキシン類の摂取量と推計しています(厚生省では1.41です)。たいした量ではありません。10年度調査による魚介類個別の濃度としては、最も高いのは甲殻類(25検体)で、1.793ピコで、国内産2.937ピコ、輸入0.078ピコと国内産甲殻類は突出しています。個別データは公表していませんが、その傾向はやはり先ほど述べたとおりのようです。

アトピーと魚の関係

 はアトピーによくないのでしょうか。n−3系列の多価不飽和脂肪酸であるEPAやDHAは炎症を軽減させるといわれており、これはメカニズムの解析と実証が済んでいるのである程度定説となっていると考えられます。しかし症状の軽減に反して総IgEは増加しているケースもあるようです。魚でアナフィラキシー症状が出た場合は劇症の場合が多く、我が子もアニサキス(カツオなど多くの魚にみられる寄生虫)に対して感受性があるために魚を食べていません。反対にDHAは脳や網膜の発達に重要な物質でもあるため、除去を続けてはいますが不安もあります。もちろん、魚を食べずに健康な成長をしている子供も現に存在することから、当分は魚の除去も行うつもりでいます。ホヤがアトピーに効くという学会報告もありますが、これは真偽についてちょっと保留にしておいたほうがいいでしょう。

最終的な責任は消費者に

 ってはいけない」という本が一時売れました。私も読みましたが極端ですねえ。ある程度危ないけれども使わざるを得ないものも多くあるように感じました。例えば、ミルトンの塩素(次亜塩素酸ナトリウム、晒し粉のこと)も槍玉に挙がってますが、使わないわけにはいきません。田舎で自給自足の生活をしているのでなければ、忙しい現代人が危険なものを一切使わずに生活するのは不可能です。しかし、当然消費者の選択が悪い例もあります。例えばタラコ・ソーセージの発色剤である亜硝酸塩や保存料のソルビン酸がそうです。作っている業者もできるなら使いたくないと言っています。なぜ使うのか。見た目がきれいで日保ちがしないと売れないからです。添加物を使用していないことをでかでかと書いても、これまで全く売れなかったのです。これからもある程度その傾向が続くでしょう。なぜでしょうか。消費者は実は安全に興味がないのでしょうか。問題は「消費者とリスク・生産現場との距離」よりもむしろ「人の本質的な保守性」にあると思います。食品の色に対して日本人はとても敏感です。世界的にも珍しい人種のようです。日本人はサケはベニ色でないとだめで、そのために日本向けの養殖サケ(国内養殖も含め)は色素を餌に混ぜています。亜硝酸もそうです。頭で理解していても実際には自ら拒絶できない生理的感覚でショッピングをするのです。自らの感覚が相対的なものである、ということを学習する訓練をしないと、変わっていかないでしょう。

最後にあなたの足跡を残していってください。

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