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農 林水産技術会議の研究成果349(2000年1月発行)にいくつかおもしろい研究結果が載っていましたので、紹介します。 |
海 藻のフコイダンがIgE増殖を抑制するそうです。12年3月の日本農芸学会からの情報です。 |
近 畿大学の久保教授の研究によれば、ミカンの中に含まれるヘスペリジンという物質に強力な抗アレルギー作用があるとのこと。以下平成11年11月18日の新聞記事からです。本当だとすれば、おもしろい研究結果です。ただ、この効果はステロイド同様抗ヒスタミン作用であり、根本的にアレルギーが治癒する訳ではないことに注意が必要でしょう。詳しくは解説のページでどうぞ。 |
国 の畜産試験場が日本ハム中央研究所と協力でアレルゲン性の低いソーセージを開発しています。通常のソーセージはつなぎに卵白等を用いておりアレルゲンがあるので、つなぎに馬鈴薯でんぷんを使ったりして作っています。また、原料肉にウサギやシチメンチョウを使ったものも揃え、重篤な患児が選択できるようにした点も評価できます。医師の指導で牛乳に感受性があれば牛肉を、鶏卵に感受性があれば鶏肉を避けている例(うちもそうです)がありますが、畜産試験場の研究では成り立たない例のほうが多いことを示しています。このことは他の研究結果でもいわれています。ただ、実際の加工現場では混入しうる環境にあるので、HACCP的に管理しているところ以外のものは避けるのがよいでしょう。このソーセージはアピライトシリーズとして市販されており、アレルゲン性がないし、うまいです。ただ、加工上仕方がないのはわかるのですが、添加物であるリン酸塩を使っているのが個人的には気になります。水産加工の分野ではリン酸塩の代わりに糖類であるトレハロースを用いたすり身加工品も開発されてきているので、もう少しすれば状況は変わるでしょう。リンク集から日ハムのページで購入できます。 |
同 じく国レベルの研究ですが、野菜・茶業試験場では抗アレルギー性の評価のための指標細胞として、培養可能な「融合パートナー細胞」を作製し、アレルギー予防食品の開発に利用しようとしています。産業界からの働きかけを容易にするこうした基礎技術を、厚生省ではなく一次産業側の研究機関が開発することに大きな意義があります。 |
京 都大食糧科学研究所の報告例ですが、傷つけて収穫するほどアレルゲン性が高まる(アレルゲンが感染防御や自家受粉抑制タンパクと同じあるいは近い構造を持つということ)といったおもしろい報告事例がありました。ゴムや花粉のアレルギーが果物や野菜に対してのアレルギーも起こすことがあるというのです。魚も即殺するほうが鮮度が持つのですから、野菜も同じでしょうね。ゴムのアレルギー(ラテックスアレルギー)については、国立医薬品食品衛生研究所療品部のページが詳しいです。 |
| 水 産加工品の低アレルギー食品開発ができないか、考えてみたのですが、魚肉中のアレルゲン画分を持っている塩溶性タンパク質は同時にカマボコ形成能の主体なので、アレルゲン画分を取り除くと加工特性が著しく低下すると考えられます。また、分解を進めてペプチド化しても同じです。では、例えばエクストルーダーを使って高温・高圧で蛋白の溶融をさせた場合、アレルゲンペプチドはどうなるのでしょうか。誰か試しませんか? |
| 例 えばうちで使っていたアレルギー用ミルクのニューMA1(森永)も、分子量が小さいので酸で凝集せず、MA1でチーズは作れませんでした。それにしても、ミルクのペプチド化は大きく技術進歩しています。単純に低分子化するとアルカリ性アミノ酸の苦味がでて、おいしくありませんでしたが、ニューMA1は前のよりおいしいかも。複数の酵素処理を調整し、すっかり分解するのではなく、かといって大きすぎないペプチドを作ることは技術的に大変難しかったと思います。これにある程度成功したことはすばらしいことだと思います。ですが、まだ完全においしいとはいえないです。ウチの子もはじめはすごい嫌がってました。 |
| 越 後製菓のAカットライスも助かりました。Aカットライス販売担当部署は研究開発部門だったのが確か平成10年に事業部門に格上げされたようで、いろいろ質問にも答えてもらい、ずいぶんお世話になりました。アレルゲンをカットするのに酵素処理ではなく高圧処理をしています(どちらでもできるのですが)。高圧処理はバッチシステムなので自動化が困難でコストがかかるのですが、そのほうがおいしい。石川島播磨重工との共同開発品です。米のパンといっても小麦グルテンや大豆由来のバイタルグルテンを使っているものが多いのですが、グルテンを使わずアレルゲンの少ない米品種「ユキヒカリ」を用いたパン「ボナール」や「ブライス」(混入によるアナフィラキシー事故がありました)も市販されています。 |
| 深 層水はなぜ効くか。高知大でアトピー治療が行われています。無菌の塩水である深層水がきちんと皮膚洗浄するのだと思います。超酸性水と同様の効果ということでしょう。まあ、きちんと皮膚をきれいにしていればいいということなのですが、洗い過ぎにも気を付けましょう。ウチでも外洋に面したきれいな浜で海水浴をさせたいです。 |
| V oc対策を建設省の官民共同研究事業で行っており、室内を高温で長時間加熱する「ベークアウト」(35℃7時間ー換気のサイクルを8〜9回繰り返す)が有効との中間報告が出されました。以下平成11年10月29日河北新報からの抜粋です。 VOCつまり揮発性有機化学物質は40〜80%に抑制され、ホルムアルデヒドは67〜133%であったが、ベークアウトと加湿を併用するとホルムアルデヒドもほぼ半減したということです。欧米では慣習としてやっているとのことで、日本でも普及するといいですね。 具体的なベークアウトの方法は、@建具のそりを避けるため、温度は上げすぎないA扇風機で温度を一様にするBすすが出ない電気ストーブを使うC加湿器を併用するD一回半日以上、一定日数繰り返す、というものです。共働きで留守にすることの多い家では、手軽に実践可能かもしれません。 先日、シックハウス研究の第一人者、東北文化学園大学の野崎淳夫助教授の話を聞いて来ました。ベークアウト試験の具体的な結果が示されました。また、空気清浄機ですが、機器の差はかなりあるようです。発生抑制のために壁紙等の上に塗る植物性自然塗料の安全性も、今調べているとのことです。 その他の情報として、平成12年6月26日シックハウス問題に関する検討会中間報告では、揮発性有機化合物別に室内濃度指針値が定められています(例えばホルムアルデヒドは0.08ppm)。新築される場合の消費者向けと工務店向けのガイドブック(チラシ?)がそろそろ(12年度中)に出されるそうです。その中での健康住宅の定義とは、@換気通風システムA建材の選定B施工方法の厳選Cベイクアウトをしたもの、ということになるようです。 ところで、「シックハウス」は和製英語で、正式にはシックビルディングシンドロームというそうな。後ろから排気しない掃除機はダニの糞を撒き散らさないのでいいけど、T社以外は2割ほど排気が出てしまうそうです。 |
農 業および園芸第74巻第1号(1999新年号)に東大の上野川氏らの論文が掲載されています。「アレルギーとは」から始まってパースペクティブな紹介をしています。対策や予防法については私も同感です。以下概略。
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| 本 の中で日本脂質栄養学会による「油脂(あぶら)とアレルギー」を紹介します。中身は必ずしも新しい話ではないのですが、n-3系の油、シソ油のαーリノレン酸、魚油のEPAやDHAがアレルギーに効くという話が中心です。n-3系の油が効くというのはこれまでもあるし、伝統食に多く含まれていたn-3系の油摂取が減って現代食のn-6系の油の摂取が多くなったことがアレルギーがここまで多くなった原因としているのは私も同感です。 豊富な実例と試験結果、それから多動性障害AD/HDの行動異常との油の関与、うつ病と低コレステロール食の相関といったところが実におもしろいです。特に、ハードな除去食を迫られる母乳育児中の母親については、この低コレステロールによって誘起されるうつ症状に十分注意する必要があるでしょう。除去食のストレスは、経験上かなりのものです。しかもいっこうに改善しない症状と、授乳の他に痒がって夜も起こされる、等の悪条件がこれに加わるわけです。単なる低コレステロール食患者よりもうつ病化しないはずがない!セロトニン機能の低下との関連で衝動的行動の抑制が困難になるのではという仮説も挙げられています。厚生労働省でも低コレステロール、ビタミンD・葉酸不足によるうつ病の危険性についてやっと(遅過ぎ!)パンフレットを作成して警告しています。魚の消費量の多い国はうつ病の有病率が低く、その相関はr=0.84と非常に高いようです。具体的な頻度として1週間に2回以上食べる人はそれ以下に比べてうつ病の症候が31%低いという結果(アメリカ精神医学協会での最近の別の報告)もあります。魚を食べてみんなでハイになりましょう(!!!)。 私は魚油を勧めたいのですが、環境ホルモンやダイオキシンの蓄積を心配する医師もいることでしょう。であれば、食物連鎖が低位で回遊性のイワシ・サバがいいでしょう。環境ホルモンについては、相対的には沿岸魚のほうが危ないわけですが、ヒスタミンのことを考えると、沿岸魚の高鮮度のものがいいでしょう。消費者も高鮮度のものを強く要望しましょう。 除去食がなんらかの原因で困難な場合には、精製魚油とエゴマ油を主原料とした粉末製剤イパオール(三和化学研究所)が効くと書いてあります。しかし抜本的治療のためには多少困難でも除去食を勧めます。伝統的和食は文化としてもいいことだし、他の成人病のことを考えても、これからの日本の明るい農村のためにもよいでしょう。 別の本によれば、セロトニンの原料となるトリプトファンも不可欠です。このトリプトファンが脳内に優先的に入るには、さらにインシュリンも不可欠です。ということは、ブドウ糖が必要ということを意味します。うつ症状の抑止のためには肉や炭水化物もバランスよく必要なのです。 |
1 1年7月3・4日に仙台で日本環境学会が開催されました。生協が音頭を取っている環境保護団体MERONの委員長である尚絅短大の北條祥子氏(すぐ母乳のダイオキシンに話が行ってしまう)が宮城県における児童の健康調査(児童のアレルギー疾患と大気・室内空気環境)の報告を行っています。ちょっと地方の調査対象が少ない(地方市部は古川・石巻・白石から1校ずつ)のが気になりますが、結果そのものはおおむねそうかなという感じです。以下概略です。
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仙 台市主催の「ダニアレルギー対策に関する講演会」が平成11年11月12日にあり、仙台市が9〜11年度に行ったダニを原因とした喘息症状のある幼児のいる家庭15世帯の2ヶ月毎のほこりの調査(市職員が訪問し、掃除機でサンプリング)結果を発表しています。常識的な結果ですが、以下新聞記事からの抜粋です。
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