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私の除去食の考え方

@取り組みは家族全員で。
除去する時は家の中にアレルゲンとなる食材を置かないことが前提でしょう。症状の緩和に除去はかなり有効です(旧厚生省、H9食物アレルギーに関する調査報告では除去902人中645人で症状が消滅している。症状が消えなかった患者は交差性や家族からの接触なのかもしれない)。そのためには、家族全員がその除去食を食べ、アレルゲンとなるものは本人の前で食べないだけでなく、基本的に置かないことが必要です。それはアナフィラキシーを予防という意味はもちろんのこと、みんなで取り組む姿勢や患児の気持ちの上からも必要なことです。家族の結束を強めるいい機会ではありませんか?

A除去は徹底的に。
中途半端な除去を行うよりは厳しい除去がよいと思います。でないと長続きしません。これぐらいでいい、という考え方は、その後どんどん自分に甘いほうにシフトしてきて元も子もなくなります。除去食の今の徹底した我慢が将来のアレルギーマーチを確実に抑えます。漫画家のまついなつきさん(「アトピー息子」他)のように「疑わしいものは火を通して食べさせればよい」という緩い対処の仕方も自己責任であれば仕方がないですが、3歳以前の食物アレルギーにおいて将来の喘息予防上の原則はアレルゲンの完全除去です。3歳児のぜんそくが増えていますが、背景には食物アレルギーからの移行としてのぜんそくがあるといわれています。もちろん、食べられるものはその分量を多く摂取し、栄養を十分にとってビタミンB1不足によるウェルニッケ脳症低コレステロールによるうつ病などにならないようにしましょう。

B相談し、見通しを立てて決断。
重症の場合は蛋白源を摂ることが難しくなります。信頼できる医師の指導を受け、医師や家族とできるだけ具体的な話をして見通しを立てましょう。かなり重症でも、探せば食材は必ず見つかりますし、継続的に購入する手だてもきっとあります。年齢が低いうちの対応が早ければ早いほど寛解(免疫寛容になって食べられるようになること)する可能性が高いです。子供のために除去食を決断することは将来の喘息リスクを下げます。
 いつまでも治らないのでは、と心配する方も多いようですが、平成12年7月7日の産経新聞によれば、大阪府立羽曳野病院の医師の言葉ですが、「赤ちゃんの場合、免疫機能ができあがる3才ごろにゴールがあります」と書いています。腸管の免疫系形成が3才頃までに完成するのでしょう。腸ができていないとビオチン欠乏で皮膚症状が悪化したりします。3才過ぎれば自動的にすぐ治るものではないですが、気長によくなるのを待ちましょう。

C親の体と気持ちの逃げ場を確保。
親のストレスは相当なものになります。「何も食べられない」「メニューが思いつかない」「いつまで除去したらいいのか」「いつまでも子供が治らない」というストレスとともに、除去食を共にすることで低コレステロール食によるうつ化と相俟ってうつ病に陥ることが危険です。母乳を与えていない親は頻度を決めてたまには外食もいいでしょう。ただしその場合は帰宅後、服を着替えたりすることは必要です。家庭では菜種油やシソ油(えごまの油)やグレープシードオイルのような安全な油もたまに使い、低カロリー・低コレステロールが極端にならないようにしましょう。極端な低コレステロール食は皮膚を乾燥させるようで、かなりな脂性の私まで乾燥肌で痒くなったことがありました。
患児が乳幼児の場合、育児からの逃げ場がなかなかないでしょうが、ストレス発散先を積極的に作るために、家族外の第三者に協力を求めましょう。子供がアトピーでも親が遊びに行くことはできます。アトピー除去食に理解のある祖父母(逆の場合は最も危険なので注意)、同じ経験をした知り合い、さらには乳児院のような一時預かりが可能な公的機関に頼むことです。我が家もこうした人たちに助けてもらい、なりふりかまわなかったことが結果として正解だと思っています。助けてもらうことに何の遠慮もいりません。遠慮しているあなたは、きっと他人に借りを作りたくなくて、これまで一生懸命人に尽くしてきたはずです。こんどはあなたが築いたその果実をちょっとかじってみてください。子供の頃にしてもらった甘える心地よさもいいものです。除去食対応の宿やレストランも積極的に利用しましょう。少しだけですがアトピー対応のレストランも当HPで紹介しています。

Dアトピーを楽しもう。
「なぜ自分の子だけがアトピーなの?」と聞く前に、自分の運命と比較しましょう。あなたは「なぜ自分は女(あるいは男)なのだろう?」と今でも考えていますか?これは今のあなたにはどうしようもないことです。あなたに全くどうすることもできないことは、あなたと関係のないことではないでしょうか。
例えば、海の幸・山の幸や農産物がたくさんある県では、凝った料理はあまりありません。ところが、新鮮な蛋白系食材の少ない京都のようなところでは、料理にさまざまな工夫を凝らします。生活を楽しむ方法には、新しいものを求めるという方法と、伝統芸能のように様式に制約を加えて洗練された表現を楽しむ方法があるのです。本当の自由とは、後者のような、制約の中で宇宙を表現する高度なものです。アトピーを利用して自分だけの生活をアレンジしてみませんか。
また、バザーなどを楽しみながら食物アレルギーについての理解を広げることが必要だと思っています。遠回りでも地道な口コミによる紹介こそが最短になると思います。

●HACCP、そしてPACCPへ

HACCPはコーデックス(CODEX、FAO/WHO合同食品規格計画)によって策定された、7つの原則に基づいています。この原則を食物アレルギーにあてはめてみます。

@危害分析(Hazard Analysis)

危害の発生原因とその防止措置の分析とリストアップです。どの食べ物・環境要因が原因か、それぞれについてIgEを調べ、除去方法を考え、書きとめます。

A重要管理点の設定(Critical Control Point)

重要管理点となるべきものを特定します。症状と効率においてどの段階で抑止するかを考えるということでしょう。重症であれば食材の購入段階で家に持ちこまないようにするのか、軽症であれば危険な食材も持ちこむが、患者の食事だけを分けるという手段もあります。持ちこむのであれば包丁などの調理用具は分けるかどうか、患者以外が外出から帰ったときに服はどこで脱ぐか、といったことを決めます。

B管理基準の設定(Critical Limit)

Aで設定した各CCPにおいて、適切な管理とはどのような条件を満たすべきかという基準を決めます。Aの具体化ということでしょう。

Cモニタリング方法の設定(Monitoring)

Bの管理基準に従って適切に管理されているかを監視する方法を決めます。当人が管理できない場合や、弟や妹など、自己管理できない家族が食材を持ちこむ可能性がある場合には親が監視する必要があるでしょう。アトピーに理解のない祖父母も安易に食べ物を与えることがあるのでとても危険です。アナフィラキシーの可能性のある子供の場合、監視体制を検討しましょう。

D改善措置の設定(Corrective Action)

Cのモニターの結果、管理基準を満たしていないことが判明した場合、適切な状態に戻すための対処方法を決めます。万一アナフィラキシーショックを起こした場合、自宅・保育所・祖父母宅・友人宅など想定される場所から対処可能な病院への連絡・搬送方法や薬の準備を考えておくべきです。また、危険な食材についての知識を本などを通して理解しておいてもらうことが日常から必要です。

E検証方法の設定(Vertification)

作成したHACCP計画が適切に機能しているかどうかを検証する方法を決めます。検証とともに計画そのものも定期的に見直します。半年に1回程度はIgEを検査し、危険な食材が増えていないか、逆に安全になっているかどうかを調べ、症状と併せて対応を再検討します。

F記録の維持管理(Recordkeeping)

モニタリング、改善措置、検証等について、記録を残す責任者と記録方法について明確にします。実際これが最も重要で最も大変なのですが、HACCPでも文書化が大きなポイントになります。我が家では毎日の症状の部位とひどさ、料理と食材、行動について記録しており、これによってある程度症状と食材の因果関係が推定できます。

●オーストラリア連邦科学産業機構・食肉研究所では、PACCP(Palatability Assurance at Critical Control Point)を提唱しています。要はリスク管理(Hazard)からさらに一歩進めておいしさ(Palatability)の管理へと向かっています。売り物ではないので均質な品質は必要ないですが、子供にとって安全かつ楽しい料理。例えば、食材色のチェック(赤や黒い食材を入れるなど)、料理同士の素材(堅いものと柔らかいものを一緒に)・調理法(煮る・焼く・生の組み合わせ)、子供の好みも考慮した料理メニューのサイクル、季節の食材と季節の話題といったことかな?(簡単にはできないけど)。

●アトピー的おいしさ、それは食材そのものの本来の味を活かす、季節の食材を楽しむことでしょう。なんて、偉そうなことを言って、なかなか実践できないのが現実(実例集を見てもらえばわかるように同じものばっかり食べてる)なのですが。でも味にうるさい子供になりました。

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