家庭での訓練開始
(ここからは日記風に書きます)
5月
 1日の訓練会以来、毎日欠かすことなくリラクセイションの訓練を息子に試みる。ともすれば他動で弛めることに躍起となり、息子に度々無用な痛みを味わわせてしまったが、次第に足首等柔らかくなってきたことを感じた。息子の体に触れることで、右の固さが強いことも分かり、息子の体の様子が自分の感触として分かるようになってきた。
 5月末、妻が息子に立位をとらせたところ立位の保持を数秒間行なうことができた。そのことを聞き、妻共々喜ぶ。リラクセイション訓練の後、毎回立位をとらせてきたがなかなか保持には至らなかったのだが、たまたま妻が立位をとらせたところわずかながら保持することができたのである。足首等が弛み、体に柔軟性ができだしてきたことで自分の体を制御しやすくなったのであろう。また、膝立ち位でも、肩に力が入らなくなり、他の無用な緊張も徐々になくなってきている感じである。

6月
 この月は、立位の保持時間が10秒台に乗り、「立っている」と感じだした頃である。ひのみね整肢医療センターでのリハビリでも、装具を用いた状態で椅子から立ち上がったり、立位の保持を40秒間できるようになるなど、それまで柱にもたれてでしか立位がとれなかったことを考えると飛躍的な前進である。担当の先生も、息子の急激な変化に大変喜んで頂く。
 家での立位の保持時間は、5秒(10日)、8秒(17日)、14秒(21日)、22秒(28日)と着実に伸びていった。
 また、この月は、片膝立ちの姿勢作りの練習を始めた月でもある。筋緊張が強く、始めなかなか姿勢作りができず、妻の補助が不可欠であった。月末になると、左出し脚では膝が内向するものの数秒間の姿勢保持ができるようになった。が、右出し脚では姿勢作りが困難で、右脚を前に出す際、強い抵抗感があり、姿勢保持には至らず。

7月
 7月に入り、立位の保持時間が36秒(3日)、40秒(5日)と更に伸び、点で立つ感じだったのが、面に広がりだしてきた感あり。また、少しではあるが膝も曲げたりしてバランスをとってきているようである。足首もさらに緩むようになり、そのことが保持時間を伸ばすことにつながっているようである。
 また、立ち上がる練習を加えたところ、始めて二日目で椅子から立ち上がる(9日)ことができた。次いで一人で床から立ち上がり(13日)そのまま立位の保持を10秒間行うことができた。その立ち上がりの後の立位の保持時間も30秒(15日)、40秒(26日)と伸びてきている。
 18日には、立位の際左脚を少し動かし脚をそろえることができ、19日には左脚を半歩前に出し、自力で踏ん張っていた。さらに20日、立った際脚が内旋(内側に向くように力が入ること)しているので、「脚をまっすぐにしてごらん」と告げると、左右とも足先をやや開き気味に修正できた。自力での立位の状態でのことなので、脚のコントロールができ始めてきているようである。が、両足を突っ張るようにして脚を揃えるため、無理な力が入り、硬直化する傾向があり、その結果倒れやすい状況でもある。
 24日には脚を交互に4歩出す。歩行というより脚をドタッとおく感じで、腰と脚が不分離の傾向があり、特に左脚を出す際、脚を外側へ回り込むようにして出している。
 右脚を出す際は、左脚の支持が不十分なこともあり一瞬ほんの少しだけ脚を出す程度である。片足での支持をしっかりさせると同時に腰と脚の機能の分離がなされる必要がある。また立位の保持がより安定したものになることが前提であり、腰、膝、足首等の関節を用いてバランスをとり、より前で重心をとる必要がある。
 また片膝立ちでは、左出し脚では膝立ち位の状態から左脚を出すようになり、出す幅は少なく内向しているものの姿勢の保持は容易になった。右出し脚でも、当初の抵抗感(強い緊張)も減り、自ら脚を出すまでには至らないものの、形を決めてやると保持ができるようになった。ビシッと決まれば、不得手なはずの右出し脚の方が巧い感じすらあった。
 また今月より、大学にて安好先生に息子に対する訓練をして頂くこととなった。訓練キャンプを間近に控えていることもあり、トレーナーである私の訓練指導も兼ねてのことである。
 第一回目の訓練(6日)では、立位や膝立ち位で、膝を曲げる際(腰の落とし止め)一定以上曲げると上体が支持できなくなり、ポキっと折れるように前に倒れ込む傾向があり、膝と腰の分離が不十分で腰で上体を支えきれない感があった。
 しかし、第3回目の訓練(20日)になると、上体がポキッと折れることが少なくなりだいぶ上体を支えることが可能になってきている。また、左右の脚に体重を移動することもできだし、特に右脚にのることが巧くなっている。ゆえに片膝立ち位でも左脚が出やすいのだろう。
 この時期、動作訓練を進めるうえで、息子の意欲や態度が問題となってきた。ふざけやいい加減な態度が目につくようになり、訓練上大きな支障となってきたのである。幼児ゆえ仕方ない傾向かとも思うが、安好先生より、「リラクセーションは、無理やり力任せに弛めると本人は痛がり拒絶感をもつようになるので、本人の様子を見ながらじっくりと取り組むこと。課題における始めと終わりのメリハリをつけること。逃がしてはいけない時は絶対に逃がさない。」等の指摘あり。親子ならではのある種の馴れ合いもあり、訓練では互いにその甘えを排すべきことを痛感す。息子にとっても、ここ数カ月の進歩は大きく、それだけに課題がより高度なものとなり、そのぶん困難さを感じだしていることも、ふざけに結びついている一因であろう。反面息子自身歩きたい」との思いがあり、自我も確立されてきている時期でもある。訓練キャンプを目前に控えていたこともあり、敢えて突き放し、息子のやる気を引き出すことに努めた。何度も泣きながら、それでもやろうという気持ちが徐々に培われてきているようだ。

 そして8月。いよいよ4日から5泊6日の訓練キャンプを迎えることに。一日約3時間という長い訓練、多聞にとっても私にとってもきちんと最後までやり通せるのか不安はあったが、「一緒に頑張るんぞ」と自身にもいいか聞かせるように多聞と約束した。
 多聞は、不思議とキャンプを楽しみにしていたようである。

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