海外留学の実態&高校留学の裏事情!


 おいらが最近、散歩をしていると昔に比べて外犬が目立つんだワン。外犬っていうのは、ダックスフンドやハスキー君みたいな、外国からやってきたやつらのことでござる。おいらは「ポチ」っていうぐらいだから、純粋な日本犬。背だってちっこいし、日本語しかしゃべれないんだワン。それがやつらときたらでかいし、道ばたで会っても「ハロー」とか「マイ・ネーム・イズ・キャサリン」なんて言ってくるものだから、おいら困っちゃうんだよ。

 この前も、公園で会ったゴールデン君が「弱っちゃうねー!」なんて言ってくるもんだから、おいらも「そうだねー」なんて返事してたら、それ以来ヤツはおいらに会うたびに「そうだねー」って言うんだ。そのことをご主人に言ったら

 ポチのバカっ!それは「弱っちゃうねー!」じゃなくて「ホワッツ・ユア・ネーム?」だっ!

 ……だって。道理であいつときたら、、、。どうやら犬の社会も国際化が進んでるみたいでござるよ。あーあ、おいらも留学でもしようかなぁ、、、などとご主人に言ったら、ご主人は語ってくれたワン。

 「なぁ、ポチ。安易に留学留学って言うけど、留学ってのは甘いもんじゃないぞぉー」

 なんでも、ご主人の知り合いに留学業界に詳しい友人がいて、いつもその友人がぼやいてるんだワン。「留学業界は腐ってるっ!」って。ちまたは今、留学ブーム。猫も杓子、、、いや、犬も杓子も「留学、留学」って叫んでるよね。ところがそれにつけこんだ悪徳留学会社が多いらしいんでござるよ。とくに規模が大きくて全国に支店がいくつもあるような留学会社がひどいらしい。

 一度話を聞きに行くと、何度も何度もしつこく電話で留学を勧められる。決めかねていると「今回は特別」と言って料金をディスカウント。にもかかわらず、現地に行ってみたら説明されたのと話が全然違ったり、何のアフターケアもなしだったり。ホームステイ先もひどいホームステイ先だったり、学校もひどかったり。担当者も、留学生が行く地域のことをほとんど知らずに斡旋しているから、詳しいことを聞いてもあいまい。そのくせ、日本人が無知なのをいいことにものすごく高い料金をとってるそうなんだワン。

 でも、担当者に文句を言っても「留学っていうのは自分で苦労してみることが留学なんですよ。色々あるのが留学の醍醐味なんですよー」なんてシラっと言うらしい。それに、多くの人は、そう何度も留学するワケじゃないから、他と比べることもできないもんね。おまけに、そんな状況に気づいて留学するのをやめようとすると、解約金を請求されたりする人もいるらしいんだ。

 「じつは留学会社を開くには特に免許も資格もいらないんだ。だから、誰でもひと儲けを狙って参入できるんだよな」とご主人。それもひどい話でござる。そして、ひどい留学会社は、担当者もどんどん入れ替わって、留学中に困ったことがあっても、いったい誰に電話すればいいのかさえわからない。そもそも、社員にも営業ノルマっていうのがあって、内容はともかく契約件数を上げるように厳しく言われてるから、そうなってしまうのも当然らしい。ご主人の友人は「留学斡旋会社の中には悪徳不動産会社よりひどいのもあるぞ!」と怒ってるらしいのでござるよ。そのうち被害を受けた人たちが裁判を起こすだろうって。

 それよりもっとひどいのがマスコミだ。テレビでも雑誌でもマスコミは留学をなんだか格好いいもののように持ち上げる。それを見たやつらは、つい夢をみちゃうわけさ。「私も留学したらステキな人生が開けるんじゃないかしら?」って。でも現実は、そんなに甘いもんじゃない。今は犬も杓子も留学する時代だから、ちょっと留学して英語が話せるようになったって、それだけじゃいまどき誰〜にも見向きもされないよ。「英語が生かせる仕事がしたい!」なんて言う人も多いらしいけど、2〜3年留学したぐらいで、英語バリバリの仕事なんかにつけはしない。にもかかわらず、甘い言葉にだまされた女性が「自分探しの旅」とか言って留学するケースが急増してるんだ。

 おまけに最近では留学生が増えまくったおかげで、じつはほとんどのメジャーな場所では、現地の語学学校も日本人ばっかり。クラスの半分近く、ひどいところでは8割が日本人だっていうんだから…。

「それじゃあ東京で駅前留学しているのと変わらないワン」とおいら。
「いや、むしろ駅前留学に来てる人たちの方が真剣さ」とご主人。

 今どきの海外留学生の生活を見てみると、昔と違って遊び感覚で来るやつらがずいぶんと増えちゃったらしい。そんなやつらは日本人のクラスメイトとつるんで、遊び三昧。夜遊びに異性交遊、ドラッグ、、、と、日本じゃ楽しめない遊びに男も女もはじけちゃってるそうなのだワン。これじゃあ、真剣な勉強どころじゃないよね。

 「まあそれにしてもだ、大人が自分で決めた道ならそれもいい。勉強以外の色々な体験をしてみるのも大切なことだし、外国人の彼氏をゲットするのだって、その人の人生にとってプラスになるなら悪くは言えないよな。でも、それよりもっとひどいのが高校留学なんだ」とご主人。

「えっ、コウコウ留学って。両親のために留学すること?」と、おいら。
「それは『孝行留学』。俺が言ってるのは、高校生の時に留学する『高校留学』だっ!」と、ご主人は冷たい目でおいらを見る。

 なんでも「高校留学」なんていうと聞こえはいいけど、その多くは日本の学校で問題があったり馴染めなくて学校に行けなかった生徒たちらしいんだワン。でも、親はどうしても学校に行って欲しいから、無理矢理、聞こえがいい海外の高校へ留学という手段をとるわけ。まぁ、ていのいい追い出しだよね。高校留学を斡旋する代理店には、たくさんの「バカ親」が次から次へと訪れているらしいよ。自分で満足に子供を教育出来なかった親が、ドロップアウトしてしまった子供を、高校留学という逃げ道でなんとかして立ち直らせたいと、たくさんのお金を積んで泣きついてくるんだってさ。

 でも、実際は「日本の高校には行けなかった問題のある生徒たち」が、海外の高校に行ったって馴染めるわけはないのさ。もちろん、ごくまれには生き甲斐を見つけて海外で花開く少年少女もいるらしいけど、多くは現地の高校で迷惑をかけたり、無意味な留学生活を送りながらドロップアウトといったケースが多いらしいんだ。ところが留学斡旋業者は「高校留学すれば、あなたのお子さんも立ち直れます」とか甘いことをささやいて、親をその気にさせる。すると、問題児を抱えた親は、ワラにもすがる思いで飛びついてしまうわけさ。高〜いお金を払って、…ね。

「困ってる人につけ込むなんて、病気で困ってる人を勧誘する宗教と一緒だワン!」とおいら。
「ポチもたまにはいいこと言うなぁ」とご主人。

 それともう一つの黒い闇が日本の「帰国子女制度」。なんでも、海外の高校を卒業しさえすれば、成績が多少悪くても日本の有名大学の「帰国子女クラス」っていうのに入学できるんだって。それを目当てに、そのままじゃ日本の大学にさえ入れないような奴らが、海外の高校へ留学しているらしいんだよ。

「えーっ、それじゃ、日本で真面目に勉強している高校生くん達は損してるワン!」と、怒りで尻尾がプルプルと震えるおいら。

 もちろん留学雑誌にはそんなことひとことも書いてないよ。だって、留学雑誌が「留学の実態」なんて書いちゃったらシャレにならないし、雑誌社にとっては、たとえ悪徳斡旋会社でも大きな留学会社は大のお得意さま。お得意様が広告を出さなくなったら、留学雑誌はつぶれてしまうからね。(雑誌と広告の裏事情はこのページを見るワン→クルマ雑誌にだまされるな!

 もちろん、真面目に留学して世界に羽ばたいている若者もいる。そして留学会社の中にも良心的にやってるところもある。自分たちの過去の経験や海外とのコネを生かして、地道に家庭的にやってる小さな留学会社なら、悪徳留学斡旋会社のような心配はないらしい。特定の地域だけを扱う留学会社なら、留学先の地域に詳しいからね。でも、普通の人たちは「大きい会社の方が安全だ!」「たくさん広告が出ている会社なら大丈夫!」な〜んて思いこんじゃってるから、大変なことになってるんだ。

「う〜ん、おいらも留学は少し考え直そうかなぁ?」と、おいら。
「それよりポチは飛行機嫌いじゃなかったっけ?」と、ご主人。

あっ……、そのこと忘れてたワン。



マスコミの嘘と裏