旅行ガイドブックにだまされるな!


 花見も終わって、そろそろ遊びに出かけたい気分だワン。。本屋には「ポチと泊まれる温泉宿」なんていう旅行ガイドブックがあったから、つい買っちゃったよ。これでおいらも今年はご主人に温泉にでも連れて行ってもらえるかも。。。

それにしても、こんな旅行雑誌を作ってる人たちは、いつも色々な場所に行けてうらやましいワン。。。なーんて、本を見ながらブツブツ言ってたら、またもやご主人は笑った。

「ポチのバーカッ! 旅行雑誌を作ってるやつらが、ほんとうに現地に行ってると思うのか??」だって。

 ご主人いわく、旅行ガイドブックって、ほとんどは現地に行ったことさえもないライターが、観光パンフレットや資料を見ただけで書いているらしいのでござるよ。もっとひどいのになると、他のガイドブックの内容を書き写してたりするんだって。もちろんバレないように文章を少し変えてるらしいんだけどね。

「以前、どこかの旅行ガイドブックの内容が、他の本のとそっくりなのがバレて、ちょっとしたニュースになったよ」とご主人。
旅行ガイドブックのライターさんが他の本をそのまま書き写しちゃったらしいんだワン。

 でも、そんなことは、この世界ではどうやら日常茶飯事らしいのでござる。似たような本ばっかり山ほどたくさんあるから、本を作る人たちは他人の本を見て記事を作ったり真似したり、、、。そんなことの繰り返しばっかりらしい。また、最近ではインターネットで調べたのをそのまま書いたりという手抜きライターさんもいるんだってさ。

「面白い話があるぞ」とご主人。ある人が自分のHPで、あるお寺に「犬の形をした国宝ポチ観音が祭られている」って冗談で書いてたんだって。そしたら、後日、旅行ガイドブックを見てたら「○○寺には国宝ポチ観音が祭られている」って書いてあって大ビックリ!

「へぇー、冗談のつもりが本当だったの?」とおいら。
「バカっ! ガイドブックを書いているライターがそのHPをそっくり写したってことだよ!」
と、ご主人。

「他にも、とうの大昔に閉館しちゃった博物館が、いろんな本にずーっと載っていたりなんてこともあるらしいんだ。みんな、お互いに書き写しあってるもんだから、その博物館は亡霊のようにいつまでたっても消えないんだってさ。…まぁ、とにかくそういうことが多い業界らしいんだ」と、ご主人は顔をしかめる。

「じゃぁ、このブルル出版の『ポチと泊まれる温泉宿』もそうなの?」とおいら。

 う〜ん、これはそういうのとはちょっと違うけど、これだってひどい本だぜ。本をよ〜く見てみると、実際に取材に行って記事を作ったのなんて、巻頭のほんの数ページ。残りのほとんどのページは、宿から借りた写真とパンフレットを見ながら書いた記事ばっかりでできてるんだからなぁ、ひどいもんさ。

「えっ、やっぱり取材になんか行ってないんだ?」
「ポチはバカだなぁ、こんな本作るだけのために、日本全国を回ってなんかられないって」

 そりゃそうだワン。旅行ガイドブックをつくるとき、いちいち取材になんて行ってられないから、ほとんどはカメラマンだけを現地に派遣して写真を撮ってきてもらうらしいんだワン。記事は実際に行かなくても書けるからね。でもそんなのまだいい方で、ひどい旅行ガイドブックになると、使われている写真だって、役場や施設から借りた写真ばかり。だから、「ブルル出版」のガイドブックと、「ワンワンブックス」のガイドブックをよ〜く見くらべてみると、じつは同じ写真が結構使われていたりするんだって。そんな具合だから、数ある旅行ガイドブックの中には、1回も現地に行かずに作ってしまった本もあるらしいのでござるよ。おかげで、旅行ガイドブックには良さそうに書いてあっても、現地に行ってみるとひどい宿なんてことがいーくらでもあるらしいんだワン。

「そんなことが許されていいの?」とおいら。
「まぁ、仕方ないのさ」とご主人。

友達に旅行ガイドブックを作ってる人がいるんだけど、制作費がめちゃくちゃ安いんだってさ。じつは、本を作っているのは出版社じゃなくて、下請けの「編集プロダクション」というところ。そして、出版社は編集プロダクションに、信じられないぐらい安い料金で発注してるから、取材に行く費用なんて出やしない。結局、泣く泣くそんな方法で本を作るしかないわけ。友達も「実際には行ったことないけど、色々な場所の記事を書いたぜ!」って笑ってたよ。

「でもな、旅行雑誌にはもっとズルいのもあるんだ」と、ご主人は声をひそめる。

 たとえば旅館の紹介だ。普通なら、旅行雑誌に載ってる旅館は「編集部オススメの宿」って思うだろう? みんなもそれを見て「編集部オススメなんだから、きっとスバラシイ旅館に違いない!」って泊まりに行くわけ。ところが実際は、旅館を紹介するページだけ広告になっていて、「オススメ旅館」じゃなくて、「広告を出している旅館」が紹介されていたりするんだよ。良心的な旅行雑誌だと、広告のページはちゃんと「このページは広告です」って書いてあるからいいんだけど、ズルい雑誌は広告か取材記事かをわざとあいまいにしてるんだ。

「えーっ、、、てことはひどい宿でも載っているわけ?」
「そうさ、評判の悪い悪徳旅館でも広告を出せば、さも編集部のオススメ宿みたいに書いてくれるってわけ。出版社は広告料でたっぷりと儲かる仕組みさ」


ウ〜、おいらも危うくだまされるところだったワン。

でも、おいらは考えた。
それなら「ほんとうにオススメの温泉宿」っていう旅行雑誌を作ったら、きっと売れるはずだワン!





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