さわやかサラ金(消費者金融)CMにだまされるな!


 最近テレビを見てると気になるのが、かわいいチワワちゃんのCMでござる。「クーン」とかわいく鳴いちゃって、おいらはもうメロメロなんだワン。そのほかにも、かわいい女の子が出てきて「ポチさんのお力になりたいワン!」なんて言ってるのもあるよ。ほんと、おいら困っちゃうなぁ、、、。

そこでご主人が帰宅したときに、
「おいらもチワワちゃんところでお金を借りようかなぁ?」って言ったんだ。

するとご主人。
「こらっポチ! サラ金のCMにだまされるんじゃない!!!!」
と怖い顔をして怒るんだワン。

「ええっ? だって、テレビでやってるんだから、悪いことはないはずだワン」とおいら。
「それはテレビのイメージCMに洗脳されてるんだよ」
とご主人は話し出した。

 今では「消費者金融」なんて優しそうな名前が付いちゃって、テレビでも「いつでもお気軽にどうぞ!」なんてさわやかに言ってるけど、ひと昔前の消費者金融は「サラ金」って呼ばれてて恐ろしい存在だったんだよ。サラ金でお金を借りると、あっという間に借金地獄に堕ちちゃうってね。たとえば50万円借りたとして、5年間かけて返すと総支払額はなんと95万円! 返済額が2倍近くになっちゃうんだぜ!!(詳しくは下の表を見るワン!) だから昔はサラ金なんていうと、「絶対に手を出してはいけないもの」って思われていたんだ。どうしても困った人だけが使う最後の手段だったってわけ。ところが、最近のさわやかなイメージCMを見て育った若者が、消費者金融からなんの罪悪感もなく気軽にお金を借りるようになっちゃったんだよ。

 おかげで多重債務を抱えた自己破産件数って、ここ何年もウナギ登りに増え続けているんだ。じつは10年ほど前までは、テレビや雑誌なんかでも、そういうサラ金問題を頻繁に取り上げていたんだよ。ワイドショーなんかでも「サラ金の借金地獄に堕ちた家族の悲劇!」なんつってな。特集を組んだりすることも多かったさ。

ところが、、、だ。最近、テレビや雑誌でそういうサラ金問題を取り上げてるのって、ポチは見たことあるか?

「う〜ん、そういえば見ないような、、、」
、、、だろ? それどころか、テレビドラマの設定やお笑いコントのネタでさえ、「サラ金で苦しんでいる」というネタや、「サラ金のせいで自殺した」なんていうエピソードが使われることが無くなってしまったんだ。なんでだと思う??

「時代遅れだからかな??」とおいら。
すると「ポチはバカだなぁ。サラ金がテレビにCMを出してるからに決まってるだろ!」とご主人は苦笑いする。

 今のテレビは消費者金融のCMだらけ。かわいいチワワちゃんに始まって、かわいこちゃんがニッコリ微笑んだり、ダンサーが踊ったり、ギャグでウケを狙ったり。とにかく楽しいCMがメジロ押しだよな。テレビ局にとっては、消費者金融CMからの収入がかなりの割合になるわけさ。だからそんな「お得意様」の気分を害する番組なんて、絶対に放送することはできないんだよ。だから、番組内でもサラ金ネタは禁句・タブーなわけ。ま、はっきりいえば「テレビがサラ金に乗っ取られた」ってことだね。

 じつは以前は、テレビ局だってサラ金のCMを入れることを自主規制していたんだ。借金苦で自殺した人とか、違法な取り立てとか、色々な社会問題があったからね。ところが、バブルが崩壊したころ、広告を出す会社が減っちゃって、テレビ局の広告収入が激減しちゃったんだよ。テレビ局はそれで困っちゃったわけ。

 そこにつけこんだのがバブルが崩壊してみんながお金に困ってるときに伸びたサラ金業界さ。お金が儲かってるからって、どんどん宣伝やCMを出して、今までの悪いイメージを変えちゃう作戦をはじめたんだ。

 それでも、良心的なテレビ局員はサラ金CMだけは断固として反対していた人も少なくなかった。社会的影響が大きいからね。最後まで抵抗したテレビ局もあったんだ。それをねじ伏せたのが最大手広告代理店の「ワン通(わんつう)」っていう会社だ。広告代理店(※広告代理店の正体については後日、、、)っていうのは、テレビや雑誌や新聞や、とにかく何でもかんでも利用して企業の広告やイメージ戦略を作る会社なんだけど(→『その22、誰も愛知万博を批判しないのはなぜ?』も見るべし)、そいつらはテレビ局でさえ逆らえないほどの強大な力を持っているんだ。

 その「ワン通」の力や、その他裏の政治力なんかの圧力で、テレビ局はサラ金CMを解禁せざるを得なかったわけ。じつは広告代理店「ワン通」にとってもサラ金は大のお得意様なのさ。今の消費者金融のCMはほとんどが「ワン通」関連の会社が制作してるんだよ。色々なCMを作るのが大の得意だからね。「ワン通」の手にかかれば、どんな悪いイメージでも、あっという間にさわやかで好感度アップ!なのさ。

「う〜、じゃあおいらは『ワン通』の作戦にすっかりノセられてたってこと?」
「そうさ」とご主人は答える。
一昔前は「絶対手を出してはいけないもの」だったのに、今は「気軽に借りましょう」なんてイメージになっちゃったんだから、マスコミの力は恐ろしいものさ。

「でもさ、サラ金だって正しく使えば悪くないんじゃ??」とおいらは聞いた。

するとご主人。
「ポチよ、まあ良く聞け」と言いながら語り始めた。

 まず消費者金融(サラ金)の問題点は、イメージだけが先行してるってことだ。CMでも、さわやかでお気軽なイメージを前面に出すだけで、実際にお金を借りた場合にどうなるのか?なんて、ひと言も言いやしない! サラ金の利息っていうのは、どこもだいたい29%ぐらいなんだけど、それって普通の銀行で借りる場合の、なんと3〜4倍の利息なんだぜ!


50万円借りた場合の総支払額
消費者金融(サラ金) 銀行系金融会社 銀行のカードローン
利息 約29% 約16% 約8%
1年で返済 58万円 54万円 52万円
3年で返済 75万円 63万円 56万円
5年で返済 95万円 73万円 61万円
(その他の利息:住宅ローン1〜4%、車のローン5〜9%)


 たとえば50万円を借りて5年間かけて返済すると、銀行なら総額61万円ぐらいで済むのに、サラ金だと総額95万円も払わなくちゃいけないわけさ。これは大変な違いだぜ!

 じつは銀行だってちゃんとお金を貸してくれるんだよ。フリーローンとかカードローンとかいう名前で、銀行に口座をもっている人なら手続きをすれば簡単に借りられるようになってるんだ。、、、にもかかわらず、テレビでCMしてるからって、そんなことも知らずに、銀行の3〜4倍の利子を払わされるサラ金から借りてる人が大勢いるのさ。

 それに今は「銀行系金融会社」っていうのもたくさんあって、そこでお金を借りるのだって、サラ金(消費者金融)に比べれば半分ぐらいの利息で済むんだ。みんなも「四菱キャッシュニャン」とか「パッとローン」「ワンビット」とか聞いたことあるだろう? だから本当はサラ金なんて普通の人は全く使う必要ないんだよ。

 また、この29%というサラ金の利息って、法律的には半分違法なんだよ。「利息制限法」という法律でお金を貸すときの上限金利っていうのが決められているんだけど、サラ金の利息はそれをはるかに超えてるんだ。ただ、サラ金側は「これは利息制限法ではなく出資法の範囲だ!」って言い張ってるから、今のところはそのまま押し通しちゃってるけどね。
(ポチの参考サイト:http://www.hyogoben.or.jp/html/sarakin/sarakin02.htm

 いずれにしてもサラ金の存在って、違法スレスレなんだよ。テレビはそんなことも知りながら、莫大な広告料が欲しいからってサラ金CMを流し続ける。もちろんラジオも雑誌も一緒さ。ちょっと手続きすれば銀行やその他の金融会社でも借りられるのに、そんなことは隠してサラ金ばっかり宣伝する。普通なら雑誌で「賢くお金を借りる方法」なんて特集をやって、サラ金より銀行の方がいいですよーなんて言うはずなのに、「サラ金の上手な利用法」みたいな記事しか作らない。テレビもラジオも雑誌もすべてスポンサー様のいいなりさ。

 利息が高いことだって内緒。もちろんCMや広告の中でも、必ず読めないような小さい字で利子が29%もあるっていうことを書いてあるけど、あんなところちゃんと読んでる人なんていやしないよな?

 そしてCMや宣伝を見た無知な若者たちが「サラ金って簡単にお金を借りられてイイじゃん!」とか思っちゃって、気軽にお金を借りて自己破産への道まっしぐらさ。それもこれも全部テレビCMの洗脳のおかげさ。

「ひどいワン! マスコミがそろってサラ金を応援して借金苦の人を増やしてるワン!」
うんうんとうなづくご主人。

「おまけに、もっと大変なこともあるぜ、、、」
そういいながらご主人は周囲を見回し、ヒソヒソ声でおいらに耳打ちした。
「それより大変なことが将来問題になるかもしれないんだ、、、」
「ええっ! 大変なことってなにさ??」とおいらはベロを出しながらご主人に聞く。

 意外とみんな知らないんだけどさ、じつはすべての日本人の信用情報を管理するデータベースっていうものがあるんだよ。そこには一度でもカードを作ったりローンを組んだりすれば、その情報がスーパーコンピュータにしっかりと記録されちゃうんだ。そして、過去にその人がどんなカードを作ったとか、ローンの返済を期限までに返さなかったとか、そういう金融に関するすべての情報がちゃーんと記録されているのさ。銀行やローン会社は、そういうデータベースを見て、その人にお金を貸しても大丈夫かどうか、ローンを組んでも大丈夫かどうかを決めてるわけなんだよ。

「えっ? ってことはおいらの信用情報ってのもあるの?」
「そうさ、ポチだってこの前、ワンワンダイエットのガリガリ骨をローンで買っただろ? あれだってしっかり記録されてるわけ」
「でも、ちゃんと期限通りに返したし、悪いことしてるわけじゃないから別にいいじゃワン?」
するとご主人は声をひそめて話し出した。

 それが怖いんだよ。ちゃんとした銀行や金融機関なんかでは、一度でもサラ金を利用した履歴があると大きなお金を貸してくれなくなっちゃうんだ。 サラ金を借りるということは「究極にお金に困ってる」ってことを意味するだろ? さらにサラ金を借りたり、一度でも滞納した過去のある人は「この人は借金を踏み倒す可能性が高い!」ってことを表しているんだからね。そんな人に何百万円も貸すなんて、金融機関は絶対にしたくないわけ。だからそういう人から融資やローンの話が来ても理由をつけて断っちゃうんだよ。

「ひぇ〜、そうなんだワン? でもさ、ポチは大きなお金を借りる事なんてないでござるよ」
「ポチ、それは甘いぜっ!」とご主人は怒り顔。

 大きなお金を借りることなんて自分には関係ないと思ってる人も多いけど、たとえば将来マイホームを買うとき、たとえば高価な車をローンで買うとき、たとえば事業を立ち上げて会社を作るとき、脱サラしてラーメン屋さんを開業するとき、、、、なんかに、ほとんどの人は金融機関から大きなお金を借りる必要が出てくるわけよ。いや、そうでなくたって人生色々なことがあるもんなんだよ。たとえば家族が病気になって急に大きなお金が必要になったり、地震で家がつぶれちゃって家を建て直さなくちゃならなくなったりとかね。子供が大学に行くための学費を借りる人だっているよ。でも、そんなときにお金が必要になってるのに、「あなたにはお金は貸せません!」なんて言われちゃったらどうするのさ?

「う〜ん、そこまで考えてなかったワン!」

 ご主人いわく、気軽にサラ金を利用しちゃった若者が、将来お金を借りる必要が来たときに困っちゃうケースがきっと続出するだろうってさ。気軽にサラ金を使っちゃった若者はマイホームを買うことさえできない可能性があるんだよ。でも、テレビやラジオや雑誌なんかは、そんなことひと言も言わずに「お気軽にご利用下さいね!」なんて言っちゃってるわけなんだワン。


ウ〜っ、みんなも「ご利用は計画的に」だワンワン!
あとになって困っても、おいら知らないでござるよ。



<ポチの追伸>
カード会社のキャッシングだって、利息は24%もあるんでござるよ。サラ金じゃないからって安心してる人も多いけど、利息だけはサラ金に近いってことを覚えておいて欲しいワン!

<ポチの追伸2>
おいらがこの日記を書いたずっとあとになって、やっとこさでサラ金くんたちは裁判所に怒られちゃったらしいよ。おかげで2008年ごろから金利も少し低くなって、さらに今まで取りすぎていたお金をみんなに返すように!って言われちゃったんだよね。でも、全国でそんな裁判がたくさん起こっているというのに、あいかわらずテレビや新聞はほとんどとりあげないし、あいかわらずCMや広告がサラ金の宣伝ばっかりなんだワン!みんなどう思う?


マスコミの嘘と裏