出版業界をつぶしたのは誰?


今日、仕事から帰って来るなりご主人がつぶやいたんだ。
「また出版社がつぶれちゃったよ〜」

ああ、そういえばニュースでやってたね、不況っていうのはマスコミ業界にも響いてるんだね。かわいそうだワン。ご主人の知り合いにも、その会社と仕事していたのに、倒産しちゃったもんだから、ギャラが未払いのままの人もいるらしいのだ。

でも、それって出版社の人が、似たような本ばかり作ってるから悪いんだよね? 「東京ウオーカー」が売れたと思ったら、「東京一週間」を出したり、「フォーカス」が当たったら「フライデー」や「フラッシュ」を出したり…。そもそも本が多すぎるんじゃ?

「そうなんだよな」とご主人はうなづいた。「日本人はプライドや節操がないから、当たったものの真似をするのが大好きなんだよな。テレビ番組もそう。「たまごっち」もそうだったよね」(ご主人、それはちょっと古いでござるよ…)。「売れたと思ったらすぐその類似品が出ちゃうから、せっかく売れていた本も結局は売れなくなって共倒れ。自分たちオリジナルのいい本を作る力が出版社にはなくなっているんだよね」

そこでご主人は周囲を見回しながら、声を潜めて話した。
「でもじつはな、出版業界には大きな悪が潜んでいるんだ…」

ええっ! それってどういうことなのだワン??

ポチは「●販」とか「日●」という組織の名前を聞いたことあるか?
「いや〜、ポチは犬でござるから、そいういうのはちょっと…」

ご主人は続けた。

ま、そうだろうな。ポチじゃなくても、普通の人は知らないと思う。「東●」とか「●販」っていうのは、本屋さんに本を卸している元締めなんだ。まあ、言ってみれば本屋さんの黒幕なわけだ。出版社はそこに頭があがらないんだよ。なにせ、いくらいい本を作ったって、本屋に置いてもらえなければ本は一冊も売れないからな。

大きい本屋さんは別として、普通の本屋さんは狭いから、世の中に出ているすべての本なんて置けやしない。そもそも世の中にどんな本が出るかなんて、いちいちわかっちゃいない。一月に何百点も新しい本が出るんだからな。だから、どんな本が本屋に並ぶかは、「●販」や「日●」がすべて握っているのさ。本屋さんは、そいつらから送られてきた本を店先に並べるだけだからな。

「そういえばそうだね。ポチも大好きなワンワンダイエットっていうエサがあるけど、あれ置いてるところ少ないもん。置いてないから、ご主人も買ってくれなくて、仕方なくまずいエサ食ってるんだワン」

「ふん、どうせ俺が悪かったよ」とご主人。

そう、だから、本が売れるも売れないもそいつら次第。そこでかわいそうなのは中小出版社らしい。有名な最大手出版社ならともかく、中小出版社はなんとか書店に置いてもらおうと必死の努力をしている。そのためにはそいつらに媚びを売っておかなくてはいけないわけ。すると、そいつらは出版社に対して、「一年に何冊以上本を作れ!」というノルマを要求してるんだ。それを守れない出版社は、本を扱ってやらないぞ!って脅しをかけてるんだよ。

ああ、なるほどわかったワン。だから、とにかく売れもしない本をたくさん作らないとダメなわけなのだワンね? でも、みんながインターネットばかりやって本を買わなくなったらどうなるんだろう?


マスコミの嘘と裏