赤城山の夏
 梅雨時には洗濯物が乾かないと世の奥様達はお嘆きのことと思います。 よその家の軒先きにいつまでも同じ洗濯物が干してあるのを見て妻は、まだ乾かないのネ。小さい子供のいる家は大変よネ、と独り言。
 我が家では2Fに干しておくと半日程で乾いてしまうからです。
 これは木の調湿作用によるもので、空気が湿っている時には、丸太や板が,湿気を吸ってくれるからです。 ログハウス、木の家の大きな利点の一つだと思います。
 7月中旬頃から雷がなりはじめるともう少しで夏です。 赤城山の西方にある榛名山の方から沸き出したカミナリ雲が、利根川を渡って前橋の街の方にくる頃、辺りは真っ暗になり、やがてカミナリ達が大暴れして行きます。
 私達は二人ともカミナリが好きで、閑な時には家からホンの少しのところにある展望の良い場所でカミナリ見物をします。
 視界一杯に、激しい雨をふらせながらカミナリ達が大暴れをしている様子が見えます。 カミナリはときとして私達より低い所でなっています。 しかも青白い色しか無いと思っていたけれど、色々な色をしていることを発見しました。
 盛夏のころ、内陸性気候の前橋では連日,、37〜8℃の気温を記録します。 山でも30℃前後はあるでしょうか。 しかし家の中に一歩はいれば、サラッとした空気に包まれ汗もすぐに引いて行きます。 我が家の夏の気温は27〜8℃で安定しています。 暖かい家を目指して作った家は、夏にも涼しい家でもありました。
 だから我が家にはクーラーはありません。必要無いからです。 真夏の夜でも寝苦しいどころか、肌掛けふとんを使って寝ています。
 田舎暮しには虫の問題もありますが、我が家の中ではそんなに気になるほどではありません。 むしろ周りに酪農農家があることを考えると、少ないと言う方が正しい表現だと思います。
 ただそれが、家の素材のせいなのか杉の木の持つ成分のせいのか今は分かりません。 家の外には蠅も蚊もいるにはいるのです。 家の中には少ないだけです。 最も標高が高いぶん、虫自体、少ないのでは?とも思っています。
   夏はウッドデッキでのバーベキュパーテイの季節です。 我が家でも親しい友人達を呼んで酒盛りを始めます。 大人はよく冷えたビールを飲みながら木陰で話に花を咲かせ、小さな子供達は虫とりをしています。
 絵に描いたようなアウトドア.ライフだな、とテレ臭い思いがします。
  赤城山の秋
 赤城山の秋
秋の始まりは、我が家の前の山桜の葉が色着きはじめる10月初旬頃からでしょうか。 空が何処までも高く澄み渡り青さを増して行きます。
 このころになると我が家では頻繁にストーブを焚きはじめます。 始めのころは夜だけでも良いのですが、スグに一日中焚くようになって来ます。
 夕方、散歩に出て眺める榛名山に沈む夕日の赤さが増し始めてくるのもこのころからです。
 ほほに当たる風が冷たさをまし、コート無しでは散歩するのが辛くなって来ます。
 このころになると大きく膨らんだドングリが道ばたに沢山落ちています。 妻は日光に住む友人のため、セッセとドングリのヘタ集めをしています。
 コートのポケット一杯のドングリが、やがて篭にいっぱいになると友人宅に届けるのです。 それらのドングリのへたを使ってその友人は、可愛いケムンパスや豆雛を作っています。

 その友人に言わせるには赤城山のドングリのヘタはとても大きいそうです。 なにげなく踏み砕いていたヘタが民芸品のような可愛い人形に変わって行くのを見ると、なんだか不思議な気がします。



  木枯らしが木々の葉を落とし終えるころ、我が家では焼き芋のシーズンが始まります。
 私は生まれが九州だからか、さつま芋が大好きでその中でも焼き芋が大好きです。 イモをアルミフォイルに包んでストーブの上に1時間程置いておくと、どんなにまずいイモでもあまーい焼き芋になります。
 我が家のストーブは石で出来ているからなのでしょうか。
 秋の始まりのころには別荘地の中に沢山の茸が出ています。 茸については何にも知らない私は食べることが出来ません。 来年こそはと思うのですがいつも横目で眺めているだけです。
 ある年、我が家の庭に松茸にソックリな茸がでていました。 それを取っては見たものの結局捨ててしまいました。 ところが数日後、近所の農家のオジさんがきて「今年は松茸が出ているよ。」と言うのです. しまった!アレは松茸だったのか、、、、。 後の祭りでした。
赤城山の冬
赤城山の冬
 
赤城山の冬の風物詩として、山頂にある大沼でのワカサギつりがあります。 ワカサギつりが出来るほどの氷の厚さはどのくらいあるのでしょうか? 寒さに弱い私には、あの寒さの中でジッとして魚を釣ると言う勇気はありません。
 小さいながらも山頂にはスキー場もあります。 寒さが厳しいせいか雪質はパウダースノーです。 とっても小さいファミリー向けのスキー場です。
 それでは我が家の辺りはどうかと言うと、一番寒いころにはマイナス10℃くらいまで下がることもあります。 霜柱が15cmほどにそだつこともしばしばです。
 その割には雪は少ないと思っています。 年に三〜四回くらい2〜30cm程の雪がふりますが、そのくらい降らなければ山に住んでいる醍醐味は味わえないと思っています。
 1997年から98年にかけての冬は雪が多くて、最高の時で40cmほど積もりました。
 仕事に出かけることも出来なかったので私は古いスキーを引っ張り出し別荘地の中でスキーをして遊びました。 まるでプライベート・スキー場だと一人悦に入っていたのですが、妻や子供達は、ガキみたいに無邪気なもんネ、と冷ややかでした。

   山で暮らすには四駆の自動車、または前輪駆動の自動車は必需品だと思います。
 標高が高い程、路面の凍結が多くなりますからね。
 街に住む友人達は「山は寒いでしょ」と聞いて来ます。 確かに外は寒いです。 だけど家の中では、オーバーな表現ですがTシャツ一枚でもいられる程の暖かさです.。 そんな質問をしてくる友人宅に行くと私達は寒くて仕方ありません。 だから冬の間は遊びに行くのは控えています(笑)。
 ちょうど北海道の人たちが「内地は寒い」と言うのと似ていると思います。
 外は寒くてもまた別の愉しみもあるものです。 それは見上げる夜空の星の輝きです。 ほんのたまに私は寒さに震えながら、友人のくれた望遠鏡で星を眺めます。 そんなとき天体について詳しく無い自分が残念です。
 冬は冬なりに楽しめるものです。
寒 さ に 負 け ず に

 赤城山に吹く北風はまるで冷たい台風の様です。
 時には風速20mを越えることもあります。
上越国境の山を越えてくる北風は新潟で大雪をふらせた後、【空っ風】となって赤城山を吹き下ろし、関東平野に下っていきます。
 我が家のオバタリアン3人組は、そんな風の日でも別荘地の中を散歩しています。
 私もひまな時は付き合います。
 散歩の途中で眺められる赤城山の先鋒、鍋割山にかかる雲で天気の移り変わりを占ったり、遠く八ヶ岳の白雪を眺めたりしています。
 冬の散歩は、なぜか足早になりがちです。
写真右 奥に見えるのが鍋割山です。

ハーブの話
ハーブの話
 

 私達がハーブを育て始めてまだ半年程しかたちません. つまり1998年の夏以降、と言うことになります。 私や妻は、本当は、土いじりや庭いじりは好きではありませんでした。 以前住んでいた家の前の庭では少々畑を作っていましたが、それも山に引っ越ししてからは庭を作るよりは、自然のままにしておくことの方が素敵な気がしていたからです。 仕事の都合から家の前の松の木を切り倒さなければならなくなった後も、それほど土いじりをやりたいとは思いませんでした。
 ハーブに興味を持ったのはヒョンなことからでした。 昨年5月にアメリカの友人とそのガールフレンドが我が家に遊びに來ました。 成田まで迎えにいき、ついでに東京の北沢に住んでいるガールフレンドのおじさんのところに寄ることになりました。 おじさんが早速、ウェルカムパーテイを開いてくれました。 例によって料理はバーベキュでした。 ビールを飲みながら肉が焼けるのをまっている時、おじさんが何やら小枝の葉をしごいて肉に擦り付けていました。 「本当は,よく付け込んでおくと,もっと美味しいんだけど。」とか何とか独り言を言っていました。 私は何だろうと思い訊ねると。「ローズマリーなんですよ。」と言います。
 あのサイモンとガーファンクルの歌に出てくるローズマリーなんですかと、問い返すとその小さな木のそばまで私を引っ張って行き、これがそうですとよく枝分れした木を教えてくれました。
 おじさんがしているように、私もその木をすくい取るようにして匂いを嗅いでみると、どこかで嗅いだような、なんとも知れない良い匂いだったんです。 あれはレモンバーム、あれはミント、あれはマーロウ、あれはチャイブと何種類もの、まるで雑草のような草たちを指差しながら匂いを嗅がせてくれ、その使い道を教えてくれました。
 小さな庭に十数種類のハーブが育っていました。 私にはその庭が秘密の花園のように感じられました。 ひっそり、静かに、しかし、みんなそれぞれに個性のある匂いを漂わせているハーブ達を自分の家の庭で育てることをきめるのに時間はかかりませんでした。
 ハーブを育てる場所は妻が手軽に使えるように、ウッドデッキの基礎をかねて作っている倉庫の屋根の上にしました。 屋根の上に土を運びあげる作業は大変でしたが、小さな我が家のハーブ園が出来上がりました。
 次は何を育てるかです。 ハーブについては何の知識も無い私は、早速、図書館に行ってハーブの本を数冊借りてきました。 数百もの種類のハーブの中から何を育てるのか?大いに迷った結果、食いしん坊の私は食べられるもの、美味しそうなもの、飲めるもの、簡単に育つもの、寒さに強いもの、等と言う基準を作りました。
 ホームセンターで手に入れることのできない苗は、山梨の日の春や、茨城のハーブ園まで出かけて行き手に入れてきました。 それらの苗がいまは冬の寒さに元気が無いものの、一本も枯れることなく育っています。 寒さに弱いはずのバジルは今でも、我が家で一番日当たりのよい窓際で青々と葉を茂らせています。そして、ときどき我が家の食卓に彩りと香りを届けてくれています。
 今年の春には本格的に畑を作り、ハーブの種類も増やして行きたいと思っています。 私はこれらのハーブを燻製やハム作りに利用し、妻は,始めたばかりの草木染めに使いたいと思っています。 春が待ち遠しいきもちです。

 2001年冬。我が家のハーブは、宿根性のものが数種類、生き残っています。 ベーコン造りに欠かせない【ローズマリー】、【オレガノ】【タイム】【スープセロリ】【イタリアンバジル】位になってしまいました。2000年冬、雪が少ない冬でした。 雪が少なくても、寒さは例年通りでしたので、直植えしていたものは、根が乾燥して枯れてしまいました。