(ウンバンダ)


ウンバンダは、アフリカの宗教、ヨーロッパの魔術やスピリティズム、インディオの信仰などが組み合わされてできた宗教で、主にブラジル南東部に広まっています。

奴隷制のあった時代、アフリカから連れて来られた黒人たちは、神々への信仰や伝統を守るため、皆で集まり、歌い、踊りました。彼らの魔術や復讐を恐れた白人たちは、アフリカの神々への信仰を厳しく禁じました。

18世紀、カトリックの聖職者たちが黒人へのキリスト教の布教を進める中で、アフリカの神々とキリスト教の聖人が結びつけられました。これがウンバンダの土台を作る要素を生み出しました。

19世紀末、奴隷解放が行われ、信仰の抑圧も徐々に失われていきました。同じ頃、都市部の中流階級の人々の間で、フランスから伝わったスピリティズムが広がり始めました。

1908年、霊媒ゼリオ・ジ・モラエスが、リオデジャネイロにて、ウンバンダを始めました。ウンバンダの儀式では、黒人の霊、インディオの霊などを召喚しますが、スピリティズムの思想が、基盤になっています。

ウンバンダの儀式は、カンドンブレの儀式よりシンプルで、アフリカ色の薄いものになっています。アフリカ文化との接触の少なかった南部では、ヨーロッパの秘儀、魔術の影響をより強く受け、近年その傾向は強くなっています。

ウンバンダでは、自然の神々である「オリシャ」を信仰します。「オリシャ」は、アフリカ起源の神々で、カンドンブレにおいても信仰されています。ウンバンダの場合には、オリシャ以外に「カボクロ」や「プレト・ヴェーリョ」など、ウンバンダ独自の霊的存在も崇拝されています。


オリシャ名

オシャラ
(OXALA)






性質・特徴

天の父。太陽、創造の神。信仰、純粋さ、慈悲を表す。
色:白
花:白い百合
日:12月25日
曜日:金曜日
シンボル:杖
供え物:ハチミツ入りカンジカ
(トウモロコシ、ココナツミルク、シナモン)

オシュン
(OXUM)






愛、富、出産の女神。淡水の女神。川や滝に住む。
色:黄色、金色
花:黄色のバラ
日:2月2日と12月8日
曜日:土曜日
シンボル:鏡
供え物:フェイジョン(豆)、玉子料理
オショシ
(OXOSSI)




森の王。オグンの兄弟。
色:緑
日:1月20日
曜日:木曜日
シンボル:弓と矢
供え物:とうもろこし、果物
シャンゴ
(XANGO)




正義の神。理性とバランスをもたらす。
色:茶色
日:6月24日と9月30日
曜日:水曜日
シンボル:斧と冠
供え物:カルル(オクラ料理)、黒ビール
オグン
(OGUM)




秩序と法の神。理性と感情を統制する戦士。
色:白、赤
日:4月23日
曜日:火曜日
シンボル:盾、剣、槍、兜
供え物:フェイジョアーダ(豆料理)
オバルアイエ
(OBALUAIE)




治癒の神。死者を霊界に送る。
色:黒、白、赤
日:8月16日
曜日:月曜日
シンボル:貝殻占い
供え物:ポップコーン
イエマンジャ
(IEMANJA)





オリシャの母。海の女神。愛と家族の女神。
色:白、水色、銀色
花:白いバラ、オレンジの花
日:2月2日、8月15日、12月8日
曜日:土曜日
シンボル:魚の形の金属の飾り
供え物:ココナツミルクプリン、シャンパン、魚、エビ
イアンサン
(IANSA)




風と嵐の女神。稲妻を起こす。美しくセンシュアルな戦士。
色:赤、黄色
日:12月4日
曜日:土曜日
シンボル:稲妻の形の剣
供え物:アカラジェ
イベジ
(IBEJIS)




子供の神。純粋さ、知恵を表す。神の一番近くにいる存在。
色:ピンクと青
花:ピンク色のバラ
日:9月27日
曜日:日曜日
供え物:カルル(オクラの料理)、甘い菓子、フルーツのジュース
ナナン
(NANA)




オリシャの祖母。母の母。湖、沼地、川底などに住む。
色:紫
花:アカシア
日:7月26日
曜日:土曜日
供え物:ナス、紫色のキャベツ


ウンバンダでは、世界を構成する力が、7つのラインからなると考えています。

オシャラのライン 悪を中和し、善に向かわせる。スピリチュアルな進化を促す。
イエマンジャのライン 女性を守護する。海で働く人を助ける。精神の浄化。
オグンのライン 闘いや争いを指揮する。
オショシのライン

慈悲を行う。未熟なスピリットを教える。
悪意のある魔術を無効にする。癒しを行う。

シャンゴのライン

慈悲と正義を貫く。慎ましい人々を助け、罪人を罰する。
悪意のある魔術を無効にする。

子供たちのライン 遊ぶ。人を助ける。
アフリカのライン 善意の魔術を行う。

(「子供たちのライン」を「東洋のライン」とする考え方もあります。)


ウンバンダは、現在、形成され、変化しつづけている信仰であるため、テヘイロ(儀式をする場所)によって、考え方や形式などが、かなり違います。霊媒が受け取ったメッセージを尊重するため、様々な形が生まれてくるのです。ブラジルでは、常に、ウンバンダの本や雑誌が出版され、情報交換が行われ、進化を続けています。

Cosme e Damiao



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