加藤基浩 「薬物速度論との出会い」

第1回目は管理人である私から始めさせていただきます。
私は、広島大学で辰巳淳教授の下で、3年間ニトロフラン誘導体の代謝の研究をしてきました。
ラットに投与して尿や糞を抽出してきて、UV, Mass, IR, NMRスペクトルをとって代謝物の構造決定をしており、定性的な仕事しかしておらず、速度論は国家試験の勉強程度で全くやっていませんでした。
会社に入ってから自分は大学の経験から代謝の仕事をするとばかり思っていたのですが、全く関係のない生理活性タンパク(G-CSFとEPO)の動態の研究の担当になりました。
そこで始めて薬物速度論というものを勉強し始めたのです。会社ではMULTIを使って半減期を求めていたので山岡先生と谷川原先生の「マイコンによる薬物速度論入門」を先ず買って勉強しました。
上司がインターフェロンの論文にMRTを載せているというので、我々もMRTを使おうということになり、MRTは大学でも習っていないパラメータで山岡先生の「マイコンによる薬物体内動態解析法」に詳しく書いてあるということでこれを買いました。
あと粟津先生の「薬物速度論の基礎」で勉強しました。この当時はどう解析していいか全くわからず、皮下投与時の血漿中濃度推移をコンパートメントモデルではうまく当てはめることができず、もっぱらモーメント解析を使っていました。
結果的にはこれがよかったと思います。モーメント解析で全体を捉えることができることがわかりました。
生理活性タンパクの動態は非線形を示したことからMULTI(RUNGE)を使って、微分方程式から解くことを行ったところ、うまく解析できました。この解析は面白かったです。生理活性ペプチドはレセプター介在性エンドサイトーシス(RME)で消失します。このレセプターを持った細胞が化学療法で死んでしまうと、RMEによるクリアランスが低下するのです。
この解析をするためにかなり勉強しました。このころ勉強した結果が今に活きていると思います。
33歳から2年間、東大の杉山先生の研究室で研究生として勉強させていただきました。生理学的モデルの勉強も少しはしていたのですが、私が扱ったタンパクは固有クリアランス律速だったためそれほど勉強していなかったのです。
この研究生での経験で、生理学的モデルとトランスポーター、薬物相互作用など杉山先生の研究室のテーマから勉強することができました。
会社に戻ってからは低分子化合物を担当するようになり、早期の化合物も扱うようになりました。最近の学会発表は低分子を担当し始めて、これはもう少しなんとかできないものかと考えてきた結果のものです。低分子を担当し始めて、まだ6-7年で経験が少なく、このホームページでも充分なお答えができないことがあります。私はELISAを主に行っていたので、低分子の定量が特に弱いです。

う〜ん。あまり面白い文章ではないですね。会社に入ってから動態を担当する人が多いと思って自分はどうだったかを書こうとしたのですが。私としては、山岡先生、粟津先生、杉山先生に感謝、感謝です。いい本、いい先生、いい経験が研究生活を変えるということを言いたかったのですが、伝わらない文章ですよね。残念。

今後、紹介される方の話に期待したいです。皆さんご協力お願いいたします。