オペラント条件付け


月曜日の午前中のみ心理学の講師をしていますが、その中で必ず話すのが、ギャンブル狂の話。スロットやパチンコに夢中になりすぎて、実生活に支障をきたしている人たちの症例を挙げて、スキナーのオペラント条件付けの講義をすすめています。

少々解説させていただきますと、スロやパチに夢中になってしまうのは、スキナー理論によると、「正の強化、変率スケジュールにより、条件付けされた。」と言えます。正の強化とは、「ある自発的特定行動になんらかの報酬が与えられることにより、その行動頻度が増すこと」というものです。
スキナーの行なった実験から例をあげると、

レバーを押すと、えさがでてくる仕組みのついたスキナー箱にねずみを入れます。ねずみは、箱内で経験により、レバーを押すとえさが出てくることを学びます。そして、えさ、いわゆる報酬ですが、この報酬を得ようと何度もレバーを押すことになります。この時、強化された自発的行動は、「レバーを押す」であり、強化因はえさとなります。

スキナーは、この実験においてバラエティに富んだ強化スケジュールを試し、どの状態でねずみが一番条件付けされやすいか、されにくいか、などを研究しています。強化スケジュールには、確率をコントロールした定率、変率スケジュールの他、時間をコントロールした定時隔、変時隔スケジュールがあり、それぞれに、異なる学習のプロセスを経ることがわかりました。

まずは定率スケジュールを説明します。ねずみはレバーを押す度にえさが出てくると、「レバーを押すとえさがもらえる」ことを学習しやすいのですが、同時にえさが与えられなくなると、レバーを押すこととえさとの認知が薄くなり、すぐにこの行動をやめてしまいます。(消去) レバーを3回押す度にえさがもらえる、5回押す度にえさがもらえる、など定率にも色々ありますが、同じことが言えます。常時強化因が与えられるより学習しにくい分、消去には時間はかかりますが、比較的覚えやすく、えさが与えられなくなった後ごく短い期間でレバーを押す行動は消去してします。覚えやすく忘れやすいのが、定率スケジュールと言えるでしょう。

それに対し、定時隔スケジュールは、何回押すか、という行動の回数ではなく、時間に制御を与えたスケジュールであり、例えば、4回押したとしても、10回押したとしても、1回押していれば、定時後(5分〜10分など一定時間後)にえさがもらえるというものです。余りにも長い時間を行動と強化因の間に置いてしまうと、ねずみは、自分の行動とえさとの関連性が見出せずに強化されるのには時間がかかります。しかし、ねずみの記憶力や注意力の限界を考慮し、適当な時間間隔で強化因を与えれば、定率スケジュールと同程度たやすく条件付けすることができます。しかし、これも与えられなくなると、すぐに関連性を忘れ、ねずみはレバーを押さなくなります。押したとしても、えさが出てくる、という期待値が減るからです。


変率スケジュールとは、報酬がもらえるまでの行動回数に制限がなく、ある時は3回押せば貰えるが、ある時は10回押さないとえさが出てこない、などその時によって回数が異なるものです。これは学習しにくいですが、一旦学習してしまうと、行動は、いつまでも続き、なかなか消去することが出来ません。自分の行動と報酬の関連性がなくなり、完全消去するまでには、長い時間を要することになります。
変時隔スケジュールとは、ねずみがレバーを押した後、時には3分後、時には5分後、10分後、などその時によって、報酬が与えられるまでの・Aヤが変化するものです。これも変率スケジュールと同様学習しにくく、消去が難しいものです。

さて、本題です。スロやパチに夢中になる人たちは冒頭でも述べましたが、正の強化、変率スケジュールにより、強化されたものと考えられます。

スロやパチは色々な条件がありますので、常時勝てるわけではありません。5回スロった内1回は絶対に勝てるものでもありません。要するに絶対的な報酬は約束されていないにも関わらず、何度か勝ったことにより、期待値が高くなる為に打ちつづけてしまいます。これに対し、ある時立て続けに勝ってしまい、一時的にスロに夢中になったけれど、その後立て続けに負けてしまった人はギャンブルをしなくなる可能性はあります。立て続けに勝つことは、定率スケジュールに似たものがあり、その後立て続けに負けることにより、期待値が急激に下がってしまうからです。

さて、私は大花火が好きです。(ごくたまにはデルソルやAタイプも打つことはありますが・・・)AT機を打つのはまれです。負けてもいい、と思うときしか打ちません。一旦大勝を経験してしまうと、他機種に比べ報酬も大きいために、何度も何度も打つリピーターが出ているようです。滅多に勝てないのに、勝つとでかい。だから、AT機は一旦条件付けされてしまうと、なかなか止められない機種になりかねません。正の強化、変率スケジュールにまさに適当な台とも言えます。殆ど勝てないけれど、つぎ込めば出たりしますし、変率的にがっぽりと報酬が入ってくることになり、正の強化、変率スケジュールにますます拍車をかけ、打つ、という行動が極端に増えることになりますね。私の彼がこれです。AT機に慣れっこになり、何十万も負けているのに、大花火はつまらん、と言って打ちたがりません。

スキナーは動物でしか実験をしていません。ねずみは、お腹がいっぱいになると、それ以上は求めませんが、人間は違います。欲には際限がありません。報酬の大きさによっても、条件付けのレベルは変わってくるのは、一目瞭然と言えましょう。金は実際に欲望を満たす対象ではありませんが、(何故なら金を見て、性的欲望を解消させることはできませんが、金を使い、二次的に欲望を解消させることは出来ます。)スキナー論には、報酬の種類などは実験対象にされていません。何故なら、喜びの大きさをねずみに表現しなさいといっても無理な話ですからね。

まあ、AT機であっても、あまりにも当たらないために一時的に中毒になったとしても、すぐに行動は消去されるでしょう。私は一時期獣王などにはまりまくりましたが、余りにも当たらないため、1ヶ月くらいで完全消去されてしまいました。

書きなぐったため、意味不明っすねえ。その上、私は行動主義の専門家ではありませんので、つたない文章です。お許しを。次回は専門の精神分析からでも責めますかね〜〜。