螺旋飛行

夏の虫と航法計器

 

 夏の夜、焚き火や照明に虫たちが突入してくるのを見ることができる。よく見ると、螺旋を描いて突入してくる。
「飛んで火に入る夏の虫」という言葉にもあるように、そういえば野山でキャンファイヤをして遊んだときに、虫が集まってきていた。夜行性の蛾や昆虫が、何故明かりや火に突入してくるのか。


 有力な説として、虫たちは月明かりを基準として飛行しているのだ、とする「月灯台説」がある。

 この説によると、

 虫たちは月の明かりが進行方向の一定の方角に見えるように飛行をしている。その軌跡は、等角螺旋になるが月はあるか遠方にあるために、地上では直線状になる。

 しかし、人工の明かりがあると、それを月と誤認してこのこの明かりを進行方向に一定の方角になるように飛び始める。

 すると、その軌跡は等角螺旋(対数螺旋)を描きながら次第に明かりに近づいていく、

というわけである。

credit Insect Flight: Evolution

航空機の航法計器にADF(Automatic Direction Finding )というのがある。
 
 無指向性無線標識(NDB)から発信されている特定の周波数の電波を,機上のADFで受信することにより,電波の到来方向,つまりNDBの方位を知ることができる。ADFの指針をその局に対して一定に保っていけば,その局に到達(ホーミング)することができることから,NDBをホーマービーコン(homer beacon)ともいう。(「航空実用事典」より)

 NDBはいわば電波の灯台。ADFが指し示すNBDの方向を0度に保って飛行すると、まっすぐNDBへ帰っていくことができる。自分がいまどこにいるのか分からなく(lost position)なって も、ADFがあればNDBまで帰ることができる。


   ADFの指示を90°かもしくは270°に保って飛行すると、NDBの周りを円を描いて飛行することになる。

 もしも、ADFの指示を例えば70°に常になるように飛行したら、どのようになるだろうか。そう、等角螺旋(対数螺旋)の軌跡を描きながら、次第にNDBに近づいていくことになる。

 次の絵は、私がVORとADFの働きと原理を理解するために作ったソフトウエアから撮ったもの。2つある計器の内、下のほうがADF。
右のチャートでは円の中心(赤い点)NDBになっている。

 現在、航空機はNDBから見て40°の方向で18.7NM(ノーチカルマイル)の距離にいる。そして機体の機首方向を0°とすると、NDBは70°の方向にある(VORとDMEとADFからそう読める)。それにしても巨大な飛行機(笑い)。

 このままADFの指示が70°になるようにコントロールして飛行したら、その軌跡はどのようになるか?画面の上にマウスポインタを移動させると、軌跡が現れる。

参考

1. オオクワガタの飛行について

2.  Insect Flight: Evolution

3. Spirals and Conchospirals in theFlight of Insects

螺旋を調べるソフト「Spiral」

貝殻のラセンを調べる

アンモナイトの螺旋を調べる

宇宙の螺旋を調べる

小説の中の螺旋(螺旋に関するうそ)

螺旋って?(アルキメデスの螺旋とベルヌーイの螺旋)

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