Freewareソフトを使ってWindows95&98上で分子軌道計算
 
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 最近はインターネット上でフリーの化学計算ソフトが容易に入手でき、しかもそれらが結構優れものだったりします。頻繁に使うのなら市販品がお勧めですが、ちょっと試したいとか計算したいって場合にはやはりフリーがいいですよねぇ。WinMopacを買ったと思えばちょっとの苦労はと思ったのですが・・・・。これが意外と苦労しまして、お裾分けの気分で書いてみました。ちなみに、このページには非常に立派な元ネタがあります。Linux環境の方は、そちらを参考にして下さい。Windows環境のみで勝負しなければならない同志のために少しでもお役に立てればと祈るのみです。

概要
 特定の有機化合物の分子軌道計算からHOMO,LUMOのエネルギーレベルや形状やら分子の電荷分布等が知りたくてMOLDA ,MOPAC ,MOLDENを利用してみました。以下に手順を書きました。
 

1.作図 
 
 作図にはMOLDAforWin ver6.4を利用させてもらいました。このソフトはWindowsで使用するのに何も問題ないと思います。molやPDBfileのインポートもできるし、これ自身で作図もできます。例としてγ-butyrolactoneを書いてみました。作図が終わった状態からMOPAC入力ファイルを作る手順は、データ変換/MOLDA→MOPACとしてMOPACの計算用keywordを入力した後"FOR005"の名前でMOPAC入力ファイルを作成する必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2.計算
 
 云わずと知れたMOPACですが各人各様のRevisionがインターネット上にはあって、まあいろいろわけあってここのMOPAC7forMS-DOSを用いました。GO.EXEとMOPAC7.SMLまたはMOPAC7.BIGとさっき作ったFOR005を同じディレクトリーにおいてDOS窓で"go32 mopac7.sml"または"go32 mopac7.big"と起動します。計算結果は新しく作成されるFOR006に書かれています。
毎回入力するのが面倒なのでbatファイルを作っておくと便利です。FOR005が別のディレクトリにあるときはbatファイルの作業ディレクトリをそこにしておけば問題なく作動します。
 なおMOPACのkeywordに"GRAPH"を用いた場合には更にFOR013も出力されます。
 

3.表示
 
 さて計算結果の表示ですが分子の形の確認等であればMOLDAでも可能なのですが、例えば振動モードやHOMO,LUMOの形となるとMolden3.6forWinが便利でした。ただ最大の問題点は直接Windowsで表示できないことです。これは大問題でした。Win版とはいいながらもX-application故に出力にPC上で動くX-serverが必要なのです。それでもってfreeのX-serverは、と云うとちょっと探したくらいでは見つかりませんでした。デモ版なら幾つかあって動きますが、試用期間が短いものが多かったです。(MIX2.0で15日間でした。)それ以外の可能性としては
 Cygwin+ Cygwin/Xfreeの組み合わせ
 Cygwin+ VNC X-server+ VNCviewerの組み合わせ
等が考えられますが、ただの表示用なのでCygwinにHDDを食われるのが悲しいのと、なによりも私の技量ではまともに動かなかったため断念いたしました。(泣) しかし捨てる神あれば何とやらで、代わりにjava上で動く"WeirdX"を見つけました。早速、WeirdX-1.0.15とJava2 SDK1.2.2をインストールしてWeirdXの中の"WierdX-JAVA2.bat"のPATH(*1)とconfigディレクトリの中の"prop"の一部(*2)を書き直したところ無事にMolden3.6が起動しました(*3)。でもって"read"でFOR006,FOR013を読めば目的の計算結果が視覚的に表現できます。例としてγ-butyrolactoneのHOMOについてのっけときました。残念なのはFOR006,FOR013を読み込んでも分子軌道のエネルギーレベル、固有ベクトル、双極子モーメント等の値は表示されません。必要な方は直接FOR006から取り出しましょう。
     
                      
        〔計算結果の構造表示〕                          〔HOMOのSpace表示〕
 
           〔ついでに静電ポテンシャルの表示〕
 
 それとMolden3.6forWinのもう一ついいところは結果をvrmlファイル(*.wrl)に出力できることです。これを使うとブラウザー上でかなり高速でグリグリできるのでちょっと楽しいです。
 
            〔静電ポテンシャルの表示〕                           〔HOMOの表示〕
 
 
 

脚注
 (*1) 例えばJava2、WeirdXのインストールディレクトリが各々"c:\jdk1.2","c:\WeirdX"だとすると
オリジナルの"WierdX-JAVA2.bat"の以下の部分を
 
  rem set WEIRDX_HOME=\tmp\weirdx\misc
  if "%WEIRDX_HOME%" == "" set WEIRDX_HOME=.
  java -classpath ".;%WEIRDX_HOME%\weirdx.jar" com.jcraft.weirdx.WeirdX
 
この様に変更する。
 
  set PATH=c:\jdk1.2\bin                   ・・・この行は加えた
  set WEIRDX_HOME=c:\weirdx\misc
  if "%WEIRDX_HOME%" == "" set WEIRDX_HOME=.
  java -classpath ".;%WEIRDX_HOME%\weirdx.jar" com.jcraft.weirdx.WeirdX
 
 (*2)"prop"の部分変更は2箇所でした。
 
  #weirdx.windowmode=InBrowser                ・・・この行をコメントアウト
  weirdx.windowmode=MultiWindow               ・・・"MultiWindow"モード採用
 
  # xdmcp
  # At present, any authorization mechanism has not been
  # implemented. So please use this functionality with your own risk.
  #weirdx.xdmcp.mode=query                   ・・・この行をコメントアウト  
  weirdx.xdmcp.mode=boradcast                 ・・・"boradcast"モード採用
  weirdx.xdmcp.address=127.0.0.1:2.0               ・・・defaultはこれになっているはず
 
(*3)追記
  上述のxdmcp.addressは"127.0.0.1:2.0"がdefaultでした。失礼しました。
  詳細はweirdxに付属する"install"fileを見て下さい。
  それとmolden.exeの出力先に、このx-serverを指定する必要があります。よって以下のような内容のbat.fileで
  moldenを起動すると便利です。
  詳細についてはmolden3.6for MS Windows95,98,and NT4.0 manualの"runnig molden ・・・"の項を見て下さい。
  
  set DISPLAY=127.0.0.1:2.0
  molden.exe
 
  最近、weirdxのバージョンが上がっているようです。ちなみに1.0.20と1.0.22を試したのですが不具合が増え
  たような気がします。何かよい解決法、情報をお持ちの方は御一報戴けると幸いです。

少なくともアプリケーション自体にはお金はかかりませんでした。
これらのソフトを作り、無料で公開されている方々に深く感謝いたします。
2000.08.15 first upload
2000.12.10 last update
if trouble then mail me