Updated: 2001/08/20


  アマチュア無線で使える人口衛星は何十も空を飛んでいますが、実際に交信をしたり、その様子を受信したりした人はアマチュア無線家でも比較的少ないのではないでしょうか。 一番大きな理由はたぶん、アマチュア衛星が静止衛星ではないからなのでしょう。同じ方向でいつ何時でも受信できるわけではないので、若干コツを覚えたり、実際の音を事前に知っていれば、だいぶとっつき易くなるというものです。ここではそのうちいくつかの比較的受信しやすい衛星の実際の「音」を掲載しましたので、ぜひ聞いて見てください。

注)プライバシーに配慮して、受信コールなどは一部カットしてありますのでご了承ください。また、長い録音のものをできるだけ短くしてダウンロードし易くしましたので、ちょっと物足りないかもしれません。


 右の図は、JR1HUO相田さんが開発した衛星追跡用ソフトCALSAT32で描いたある日の様子です。水色、黄色、ピンクの3つの衛星が地図上で日本の上空に接近しているのがよくわかります。

 これらがそれぞれFO-29, AO27, UO-14であることは画面上方の表示とカラーですぐわかるでしょう。地図の右側の円は自分の位置を中心として東西南北どちらから衛星が飛んでくるのか、またその仰角がどのくらいなのかも表示してくれています。

 これによれば黄色とピンクの衛星は北側から東よりに飛来、水色は南側から西よりに仰角30度近辺を通過することがよくわかります。家のまわりの建物や地形の絵を埋め込めるようになっていますので、建物の影にかくれている衛星の位置まで考慮にいれることができます。

   FO-29(水色)MP3 152K

 

この衛星は日本が打ち上げた衛星です。左の文字列をクリックすると聞こえる音は、同衛星が発信している、電信によるテレメトリー信号です。これにより、搭載電池の電圧、温度その他の状況がわかります。衛星が高速で移動しているため、ドップラー効果により、聞こえる音の周波数がどんどん下がっていくのがよくわかるでしょう。上の追跡ソフトではこうしたズレも自動補正できる信号を受信機のCPUに送ることも可能です。
   UO-14(ピンク)MP3 137K

 

この衛星は技術研究などが主なものですが、FMによる中継器を搭載しており、安価の無線機にも搭載されているFMモードでの交信が可能です。たった1CHしかないので、交信を短時間に済ませ、余計な電波を出さないようにしないと混信だらけになります。アップリンクの145Mhzはフィリピンなどでは電話などにも割り当てられているため、タガログ語のおばちゃんの会話なども聞こえてきたりします。
    AO-27(黄色)MP3 52K これもFMによる中継です。古い衛星なので電池の節約のため、昼間の時間しかトランスポンダーをONにしません。聞こえているのは誰かがループテストをしたあと、交信相手を求めている短い録音です。
     FO-20 MP3 126K これも日本が打ち上げた衛星です。幅広い周波数帯域を中継しますので、SSB方式などでの交信が一般的です。クリックすると聞こえる音は「CQオスカー」と呼びかけて交信相手を求めているものです。大半のアマチュア衛星には「オスカーX号」の名称がつけられていますので、こうしたCQが一般的です。
 今度はずいぶんいろいろな衛星が太平洋上空に集まっているのがわかります。ちょっとみづらいですが、この中に赤と青(ピンクと水色ではありません)の衛星があるのがわかります。

 ほかの衛星は尾っぽを引いているのに、この二つは尻尾がありません。ほかの衛星は比較的低い高度を円軌道で飛んでいるのですが、この二つは楕円軌道のため、遠くにいるときはあまり動いていないように見えるからです。

 ということはこの二つの衛星、AO40(赤), AO10(青)は広範囲の可視範囲を持っていて、長時間の交信が可能なわけです。実際右の図では赤い衛星は東の空に位置し、日本から米国、豪州などとの交信がベランダからも可能なわけです。

 

       AO40-1 MP3 307K 昨年秋、米国・ドイツ・日本などの協力とたくさんのアマチュア無線家からの寄付や影の協力で打ち上げに成功した最新式の衛星です。現在軌道位置など調整中ですが、テスト的に中継器がONになっています。AO10などの壊れかかった衛星に代わるものとして期待されています。現在は2400Mhz帯で受信できるだけのため、一般的な設備では交信できません。クリックすると聞こえるのは SSTV, SSB, CWなどの交信で、外国局も聞こえています。
       AO40-2 MP3 104K AO40衛星には、「ならず者=アリゲーター」を排除する「ライラ」というシステムが搭載されています。過大な送信パワーで自分だけが快適に交信しようとする人には、この警告音を発して、中継器を使えなくします。つい声をはりあげたくなるのですが、ご法度ご法度。
      AO40-3 MP3 122K AO40 には各種のデジタルビーコンを搭載してあり、いろいろな衛星情報がわかるようになっています。ここで聞こえるのはそのうちのS2メインビーコンと呼ばれる 400Khz のデジタル信号音です。音だけでは面白くありませんが、サウンドカードを利用した解析ソフトで表示すると衛星の姿勢から電池・温度・送受信機などの状況を表形式などで見ることができます。こういう音がするんだ、ということだけでも結構、実際に受信するとき役立ちます。

                                                              by JH1QKG