【例11】ゼネラルエレクトリック 437Aの修理

 

今回は神奈川県の方からご依頼のラジオを修理します。このラジオは1965年頃のゼネラルエレクトリックの製品です。割と新しい製品で外見は綺麗ですが、到着したときはバラバラでした。
 
 


 
【故障内容】
ブーという音しか出ない。電解コンデンサの線が外れているとの事。
 
【推定原因】
 
修理しようとして断念した?
 
【故障の考え方】
 
この年代のラジオは鳴る物が多いようですが、部品が外れている時は不用意に電源を入れずに直してからテストするようにします。部品が外れていれば絶対に正常動作しませんから。
 
 

 
【修理】

【1】つまみが全部外されて、時計の文字盤カバーもありません。本体は大変綺麗です。
 
 
 

【2】外されて届いた部品。真空管は丁寧に包まれており、持ち主が大切にしているのが分かります。これを見ただけでかなり緊張してしまいました。
 
 

 

【3】裏から見ます。すさまじいシャーシ構造です。基板が斜めに付いていて、金具1個で固定されています。これでは落としたらひとたまりもないでしょう。当然、真空管も斜めですから、振動を加えると曲がってくるはずです。日本人には出来ない構造だと感心し、呆れました・・・。これと同じ構造のラジオは松下電器にもありますが、GEがオリジナルのようです。
 
 

 

【4】これが問題の電解コンデンサです。緑色の線がGNDに繋がれ、赤と青が外れて浮いています。メーカーはSPRAGUEです。とりあえず、緑色の線を切って取り外してみました。
 
 

 

【5】部品点数少ないのは集合部品を使っているからです。これもSPRAGUEの物ですが、回路図がりませんし、内部の構造が分かりません。万一これが壊れた場合は修理不能です。最悪、回路から内部を推定して修理することもできますが、時間と手間がかかります。壊れていないことを祈ります。
 
 

 

【6】コンデンサです。50+30+10uF150Vです。3素子入りで赤、青、緑の線がそれぞれの電解コンデンサに接続され、リードが出ている側と反対側が−側でした。緑色をGNDに接続しているのは誤配線です。
 
 

 

【7】コンデンサが着いていたと思われる部分を上から見ます。穴が三つで、緑色の線が付いているところはバリコンのフレームと共通でGND側、他の2つの穴が+側でしょう。この穴から考えるとSPRAGUEの電解コンデンサはオリジナルではないように思えます。
 
 

 

【8】とりあえず、回路を復元することにします。まず、製流管35W4の直後にコンデンサが必要です。これは35W4のカソードとGND間に付けます。パターンもそうなっています。33uF160Vを使用しました。次にこの電解コンデンサの+側から1.5KΩの抵抗を通り、出力管50C5のG2にパターンが繋がっています。ここにもコンデンサが必要です。パターンもそうなっていますが、残念ながら箔切れになっていて上部に実装できません。箔を磨いてリードで接続しても良いのですが、元々箔が薄くて大変不安です。仕方がないので写真のように裏面に実装し、片側の足をリードとチューブで延長してG2に持っていきました。このままでは不安定ですから電気絶縁用のシリコンボンドでコンデンサの頭を固定します。この時、コンデンサの防爆弁をふさいではいけません。更に、出力管のカソード抵抗と並列に10uF25Vを付けます。これは最初から無かったのかも知れません。無くても大丈夫ですが、多少出力が落ちます。
 
 

 

【9】上部に実装した35W4直後の電解コンデンサです。3つとも発熱部品から離して実装するように配慮します。
 
 

 

【10】裏蓋を付けないと電源コードが繋がらないような構造なので、ご覧のような状態で動作させてみます。鳴るまでに相当時間がかかりますし、感度も悪いようですが無事動作しました。このシャーシはGNDが直接電源に接続されているのでバリコンを触ると感電しますから、ご覧のようなつまみを仮付けして確認しています。
 
 


 
 




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