【例10】山中電機RD-57の修理

 

今回はめずらしいST管5球スーパーを修理することにします。このラジオは昭和24年に製造された、山中電機の5球スーパーヘテロダイン受信機で、逓信省形式認定番号付きです。めずらしく動作する状態まで修理されている物を購入しましたが、今一つ不安定ですので、内部を確認して不具合を修正したいと思います。
 
 


 
【故障内容】
 
受信周波数範囲で明らかな感度ムラ、音質が悪い。不安定な雑音。
 
【推定原因】
 
感度が悪いのはIFT等の調整ミス、CR類の不良、真空管6WC5,6D6の不良。音質が悪いのは高周波部分の影響も考えられるが、6ZDH3の2極管部の不良、又は低周波出力回路のCR類の不良など。雑音はあらゆる所に原因があり、よく分からない。
 
【故障の考え方】
 
この年代のラジオはきちんとレストアされた物以外絶対に電源を入れてはいけませんが、今回は修理して鳴っている様なので、一応火入れをしても大丈夫と判断し、電源を入れながら修理していくことにします。ただ、全体的に調子が良くないのでかなり時間がかかるような気がします。一度半田を外してじっくり見ていくことにします。
 
 

 
【修理】

【1】まず正面から見ます。清掃が行き届いていて良好です。つまみが2個ずつ違う物が付いていますが、ベークライトのつまみがオリジナルの様です。金色の物はおそらく東芝のラジオに使われている物です。つまみは手持ちがあったと思いますので、最後に交換します。

 

 

【2】こちらも良好です。目立つ異常はありませんし、清掃されていて綺麗です。電源コードは古い物がそのまま使われていますが、固くもなく汚れてもいないため、使えるかも知れません。
 
 

 

【3】逓信省形式試験合格218号のプレートがありますから、キャビネットにも逓信省のマークが印刷されているはずです。受信周波数は550〜1500KCの旧帯域ですから、修理しても聞こえない放送局があります。ただ、例外を除いて1500〜1600KCには民放の親局は割り当てられていないため、問題ないかも知れませんが。
 
 

 

【4】逓信省のマークはキャビネットの側面にありました。汚れもせずに残っていていい感じです。
 
 

 

【5】キャビネットを上から見ます。隅の方に汚れが残っていますが、とても良く清掃されていると思います。隅の汚れはコンパウンドでこすれば取れると見ています。
 
 

 

【6】つまみを外してシャーシを取り出します。スピーカーリードは切れるようにコネクタが取り付けられていて、簡単に引き出せました。青いシャーシは全体的に錆びていますが、大きな問題はありません。
 
 

 

【7】真空管を外します。全体的に悪くはありませんが、6ZDH3の代わりに国産のUZ-75が使われていました。これは戦前の球のようです。手持ちの6ZDH3に戻したいと思います。
 
 

 

【8】IFTは463KCです。455KCに統一される以前の規格です。
 
 

 

【9】シャーシ内部を観察します。電源トランスは端子タイプなので、修理がとても楽です。電源トランス周辺の半田と配線は相当痛んでいますので、再配線しないと実用的に動かすのは危険です。電解コンデンサは適切な値に交換されています。シャーシに長穴がありますので、元々は角形オイルコンデンサが付いていたはずですが、失われています。このオイルコンデンサを外したときに配線に困ったらしく、部品が宙ぶらりんになっている所が見られます。
 
 

 

【10】高周波部分です。こちらは特に問題なさそうですが、配線も半田も弱っているところがありますので修正が必要です。概ね適切に修理されているようです。
 
 


 




次頁へ
 

トップページへ戻る