ラジオ展示室「終戦直後」


長く続いた戦争は昭和20年8月、敗戦という結末を迎えます。戦後、日本はすぐにラジオの生産を再開しますが、物資も工場も無かったため、終戦直後は満足に生産出来なかったようです。昭和21年頃からは戦前と同じようなストレート方式のラジオと、驚くべき事にスーパーヘテロダイン方式の高級ラジオが生産されていますが、真空管が無いためか回路も色々、各社千差万別のラジオがありました。ここではGHQの指令により再放射が禁止され、再生式が作られなくなる以前のラジオと、回路も色々だった昭和25年以前のスーパーヘテロダイン受信機をご紹介します。
 



【101】山中電機(TELEVIAN・存続会社無し) RD-57型 1949年(昭和24年)

使用真空管:6WC5,6D6,6ZDH3,42,80

受信周波数:550-1500KC

定価:不明






昭和24年の山中電機のラジオ。戦前、ラジオの一流メーカーだった山中電機はこの頃まだ健在で、高級受信機も製造していたようだ。このラジオは逓信省形式証明218号、スーパーヘテロダイン受信機である。受信周波数範囲が550〜1500KHz、中間周波数は463KHzであるから、戦後ごく初期のスーパーであり大変珍しい。このラジオは購入した時点で既に数回修理された痕跡があり、動作品として購入した。しかし、毎度のことながら正しく動作していない。感度が悪く時々ひどい雑音が出る。従って再度分解して修理することに・・・。修理の記録は「修理と復元」のページにあるので、そちらを参照。
修理は無事完成したが、長い間ここに出てこなかったのは再度故障してしまったからである。修理後数ヶ月を無事に過ごしたが、ある日突然鳴らなくなってしまった。原因は初段IFTのレアショート。IFTがおかしくなり、甚だしく感度が落ちてうんともすんとも言わなくなってしまった。中間周波数が463KHzであることが災いし、同じIFTを見つけるのに約半年かかり、やっと機能が回復した。また6ZDH3もエミ減でダメになってしまい、再度交換する羽目に・・・。
このラジオ、使われているIFTが比較的狭帯域のためか、同調は非常にシャープであり、戦前のスーパーを思わせる。反面、同調が少しでもずれると音が悪くなり、きちんと同調してもあまり良い音ではない。ただ、当時主流だったはずの再生式受信機に比べれば、感度、音ともに大変優れているので、これを見た人はさぞ欲しかった事と思う。
真空管は左から6D6,6ZDH3,42,80。一番左のIFTの後ろに6WC5が隠れている。
 



 

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