真空管(古い国産電球)

 

球いじりも度が過ぎてきました。球と名が付くと全て欲しくなります。真空管の先祖、電球を集めてみました。電球は真空管よりも消耗が早く、実用品ですから古い物は殆ど残っていません。その点で新品元箱入りは貴重ですが、今のところ誰も評価してくれません。私は魅力を感じているのですが・・・。

 

 

 

 

 

白熱舎(現:東芝ライテック) 引線タングステン電球 1912年頃(大正2年頃)

アメリカのエジソンによる炭素線電球の時代が終わり、フィラメントの材質がタングステンになった時の電球。タングステンフィラメントは画期的な大発明で、現在の電球もタングステンを使用している。

フィラメントはタングステンの単線で多少波打っており、電球の中心部に立てられたガラスに取り付けられた上5本、下4本のアンカーにより、電球内を往復している。電球の頭には排気の跡があり、アルゴンガスなどは無く、真空であると思われる。フィラメントが長くて危うい構造であり、真空のためタングステンが蒸発しやすいので、寿命は短いと思われる。

本体にはマツダの商標と共に米国ゼネラルエレクトリックのマークがあり、当時提携関係にあった事が分かる。電球には100−10の表示があり、100Vで有ることは分かるが10Wであるのか10燭光であるかは不明。金口は現在と同じE26で実用にもできる。


 

 

東京芝浦電氣(現:東芝ライテック) 燈火管制用電球 1938年(昭和13年)

戦争による空襲に備え、上空を飛ぶ敵機から都市の光が見えないようにするための電球。「昭和13年4月4日附内務、陸軍、海軍、逓信、鐵道省令第1号燈火管制規則に基づき製作したるもの」とある。

基本的な構造は現在の電球に近いが、フィラメントが二重コイルではなく、単コイル構造でアンカーが3本有り途中でフィラメントが折り返している。フィラメントは二組あり、明側は30W、暗側は1.5燭光(約7W)、明暗の切り替えは金口部分が工夫されており、電球のねじ込み具合で出来る構造になっている。金口は普通のE26であるが、アイレットガラスの中央にある電極にはスプリングが仕込まれており、電球をねじ込む強さで明と暗が切り替わる。燈火管制のため、電球の側面には青い遮光塗料が塗られ、電球直下にしか光が出ないように工夫されている。

この様な物を使う羽目にならぬ事を祈るが、ハイテク兵器全盛の現代では役に立ちそうもない。


 

 

東京芝浦電氣(現:東芝ライテック) マツダツウライトランプ 1940年頃(昭和15年頃)

燈火管制用電球と同じ構造で遮光塗装が無く、つや消しになっている物。明暗の切り替えが出来、明は40W、暗は2燭光のようである。明暗切り替えは面白い発想であるが、よく考えてみると使用時間が同じ場合はフィラメントの温度が高い方、必ず明から切れる。片方が切れたからと言って捨てるわけにはいかないので、普通の電球を2個付けて必要に応じて切り替える方が良いではないか・・・。このような電球は滅んでしまい、現在は製造されていないが昔は各社が作っていたらしい。


 

 

東京芝浦電氣(現:東芝ライテック) マツダランプ 1950年頃(昭和25年頃)

いわゆる普通の電球であるが、フィラメントは直線でなく、また二重コイルにもなっていないようである。ツウライトランプと同じく内面スリガラスで、現在の内面からシリカ塗料が塗られた電球とは若干違う印象を受ける。100V60Wであるが消費電力の割には暗い。現在の40W相当以上の明るさというところ。20個あるが全てそうであるから、技術的に未熟なため暗いと思われる。


 

 

東京芝浦電気(現:東芝ライテック) マツダランプ 1955年頃(昭和30年頃)

これもいわゆる普通の電球であるが、電氣という標記から電気に変わり、電球にも東芝の文字が入っている。商標はあいかわらずマツダ。これもフィラメントは直線でなく、また二重コイルにもなっていないようである。なぜか220V40Wで、100Vで点灯すると非常に暗い。220Vの電源で電球を点灯する用途とは何だろうか。少なくとも家庭用ではない。


 

 

北光電球(現:北光電子・東芝ライテック) 北光ランプ 1960年頃(昭和35年頃)

マツダと同じマークで文字違いの電球。北光電子(株)は東芝の関係会社で秋田に現存するようである。これもフィラメントは直線でなく、また二重コイルにもなっていないようである。100V100Wで、普通の電球より外形が少し大きい。JISマーク入り、珍品。


 

 

松下電器産業 ナショナル電球 1955年頃(昭和30年頃)

松下の古い電球。普通の電球であるが、これもフィラメントは直線でなく、また二重コイルにもなっていないようである。100V5Wでとんでもなく暗い。現在この大きさでは10Wが最低で、5Wは作られていない。また、箱には正価65円とあり、当時電球は高かったことが分かる。側面には大々的に広告が入っており、下記のように記されている。

 

ナショナル電球はなぜ良いか?

一.規定のワットで最高能率の明るさを保ちます。

一.寿命は優に1000時間以上も永持ちします。

一.むだな電気を消費せず、最もお徳用な電球です。

「明るい、切れない、電気を喰わぬ」これがナショナル電球の生命であります。

 

現在、通常の電球の寿命は概ね1000時間であるが、5W程度の電球は例外で2000時間程度になっている。つまり、この電球は現在の電球の半分程度の時間しか持たないということなのでしょうか。しかし、安いだけでなく良い物を作るという精神が大切です。各メーカーの上層部の方は再度このレベルから始めた方が良いかも知れません。


 

 

松下電器産業 ナショナル電球 1965年頃(昭和40年頃)

これも松下の古い電球。普通の電球で現在の電球と同等の性能と推定される。フィラメントは直線で二重コイルになっており、いわゆる直線二重コイルフィラメントである。

一般に電球のフィラメントはスプリングのようなコイルになっており、このコイルを更にスプリング状に巻いた物が二重コイルで、放熱が良いためフィラメントの温度が高くできる。よって発光能率も良い。このコンセプトは1930年頃日本で開発されたもので、技術としては古くから有るが、製造が難しかったのか一般に広まったのはここ40年程の事らしい。更にアンカーを減らしてコイルを直線にした物がこの電球で、現在の電球はW数の小さい物と、特殊用途を除けば全てこの方式である。

この電球は最近見ない旧規格の50Wであり、かなり明るい。箱にも球にも二重コイルと書いて有り、かなり大々的に宣伝しているが、電球も明るさ競争の時代があったと言うことが忍ばれる。

 

この電球は直線式二重コイル電球です。

 直線式二重コイル電球は・・・

 我が国ではナショナル電球が初めて完成したもので普通電球に比べて二割以上明るいのは勿論、

従来の二重コイル電球に比べても約七パーセント明るく最も進化した一ばんお徳用な電球です。

 

・・・・本当だろうか。


 

 

松下電器産業 ナショナル全光電球 1960年頃(昭和35年頃)

読んだまま、電球の球全てが均一に光る電球。内面つや消し(スリガラス)ではなく、内部に塗料を塗って光が拡散することを狙っている。現在の電球と同じであるが、現在の電球は光るとフィラメントが透けて見える程度の塗料であるのに対し、この球はフィラメントが全く見えないほど塗料が厚い。

反面明るさが犠牲になっている・・・。二重コイルという文字はない。電球の隙間から覗くと直線式でもなく、二重コイルでもないようである。

 

ナショナル全光電球はガラスの内面に特殊塗料を塗布しておりますので、

一、ガラス全体からやわらかい光を発します

一、まぶしさがなく眼をいためません

一、塗料の作用により一段と長持ちします

お部屋や書斎の照明は勿論、商店の照明に最も適した理想的な電球です。


 

 

松下電器産業 ナショナルサンマー(昼光色)電球 1965年頃(昭和40年頃)

内面つや消し(スリガラス)電球のガラスの色を青色にしたもの。青い塗料が塗って有るわけではない。フィラメントの構造は直線式二重コイルで現在と同じで、100V40W。

電球を青いガラスに入れたため、普通の電球に比べれば色温度が高めになっているものの、蛍光灯の昼光色のような色が出るわけではない。やや青いかなと言った程度。この電球も蛍光灯の出現で消えたと思っていたが、最近東芝製の昼光色電球が売られているのを発見!必要もないのに各Wを数個ずつ買い込んでしまった。一部の特殊な用途では使われているようです。


 

        間違い等随時修正していますが、お気づきの点が有りましたらメールでお知らせ下さい。

        このページの電球は全て非売品です。

 

 

 

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