最近読んだ本より

 

怪盗フラクタル最初の挨拶  by SF Kid

       辻真先著/講談社ノベルス  1997年発行

名刺代わりにCGで描いた奇怪なフラクタルパターンを印刷したカードを残していくスマートな怪盗・フラクタル。複雑でありながら水の流れるように自然体の犯罪行為をやってのける手際のよさ。明智探偵の後継者は続々登場しているというのに、二十面相の後を継ぐものがいないなんて、と御大・辻真先さんが“名怪盗ミステリー”に挑戦した!

いいですねえ。辻作品のよさは、この、バラエティに富んだ題材、そして物語全体を貫く、トリッキーな展開ですね。目の付け所が違う、と申しましょうか。作中で犯人と対決するだけでなく、読者との対決も用意されており、最後にあっと驚く展開が待ち受けているのです。今度はどんな変わったことを扱っておどかしてくれるのか、という楽しさ。本来の謎解きより、そういったところを楽しいと思うのは、やはり、私がヘビーなミステリーファンではなく、SF寄りだからでしょうか。ネットでこの作品について検索してみると、賛否両論あるようですが、難しい理論は抜きにして、私は楽しめました。特に、物語最後にアッと驚く結末が用意されています。こういった、読者を驚かすトリッキーな展開が辻ミステリーの醍醐味であり、私は大好きです。

 

2001.7.20(金)

 

目次に戻る⇒

 

  ご意見・ご感想を掲示板にお願いします。

 

  ご意見・ご感想お寄せください

     mailto:20csfclub@myad.jp