目次

巻頭言                             すた 133-134

3月例会の報告                  まとめby山本明利+鈴木健夫 134-139

  1. PETボトルの中のスチロール球
  2. 演示実験プリント
  3. 静電気の実験シリーズ
  4. 黒板でモンキーハンティング
  5. 弦の定常波
  6. 三角プリズムのパズル
  7. 戻ってくる柚(ユズ)
  8. 缶のつぶし方
  9. 浮力とは何か
  10. インタラクティブ・フィジックス
  11. 趣味の入試問題
  12. ルーローの四面体(定厚物体)
  13. 消しくずクリーナー
  14. モデルロケット試行錯誤
  15. 鈴木亨さんのお土産

三角プリズムで遊ぶ                喜多誠 140-142

球形物体の回帰現象              小河原康夫 143-144

某高等学校2000年度入試問題(数学)より 145

ルーローの四面体(定厚物体)         車田浩道 146-147

モンキーハンティング               水上慶文 148-151

「電場」に関する補助プリント (プリントのファイルをHTML化しているので、書式はプリントの体裁になっていません。プリントとして欲しい方は、紙版ニュースをご覧下さい。)         水上慶文 152-157

 

※ハイパーリンクで飛べない記事は、Web上にアップされていないものです。技術上の問題等で、すべて対応することは不可能です。また、ニュースは投稿原稿で構成されていて、その主要部分はWeb上で読めないので、お読みになりたい場合は、紙メディア版ニュースをご購読下さい。紙メディア版ニュースご購読は、1年間2000円です。申し込み方法等は、鈴木健夫(mailto:PXU01410@nifty.ne.jp)までメールにてお問い合わせください。

 

 

 



巻頭言

 

いよいよ新年度、2000年代の最初の年度が始まりました。この年度はどういう変化が待ち受けているのでしょうか。

この巻頭言を書くために、1年間の巻頭言を読み直してみました。あらためて振り返ると、この1年間が激動の年だったことがわかります。しかし、これは大変動の始まりでしかないのかも知れません。その変動がよい方向ならよいのですが、私にとっては頭が重くなることばかり。

私個人のことを述べれば、「新校」「総合学科」のあり方に批判的なスタンスを持ってきました(それは、この巻頭言の中だけでなく、職場の中でも同様です)が、新年度の様々な委員を決める中で、「再編委員」になってしまいました。新校に向けて再編の作業をとりまとめる役割をする委員会です。どうなることやら。総合学科になること自体に否定的である気持ちは変わりませんが、それを言っていても始まらない。まだ今の学校に私の居場所があるのなら、その中でよりよい方向に進むように意見を言っていくつもりでいます。

昨年4月の巻頭言に、授業での抱負を少し書きましたが、今年の私の授業面での抱負を書いておきます。ここに書くことで自分にプレッシャーをかけるという意味で。今年も私は副担任ですが、学年持ち上がりで3年生の授業ばかりです。3年は必修で地学が設定されていて、それを中心に持ちます。昨年度はこの学年の物理を全クラス持ちましたが、授業はほとんど成立せず、聞く耳を持たない生徒ばかり。その意味では、転勤以来最悪の状態でした。ただ、学年末試験に書かせた感想では、実験の印象はかなり強く生徒に残っていて、実物を見せることの意義を強く感じました。今年は、地学なので、物理に比べれば実験が設定しにくい状況ですが、その中で何ができるか、2年前にも地学を持っていますが、今年もそこに力を注ぎたいと思っています。やはり日々の授業で手応えを感じていないと毎日を乗り切れません。・・・と毎年年度当初には初心を新たにするのですが、初心通りに行かないのが現実です(--;)。

すた

 


   


 

3月例会報告(まとめby山本明利+鈴木健夫)

日時:2000年3月8日(水)4時半〜7時半

会場:県立柏陽高校

参加: 計29人

内容:

  1. PETボトルの中のスチロール球 鈴木健夫の発表
  2. 静電気の実験で、ビニール袋の中にスチロール小球を入れて、生徒に振らせるというものがありますが、ビニール袋の替わりにPETボトルに入れてみました。結果はごらんのとおり。PETボトルは、充分に乾燥させておく必要があります。実験室に置いておいて、生徒に自由に振らせるのに手ごろ。もっとも、ふたを開けられてしまうと周囲がスチロール小球だらけになってしまうおそれがあります。

    さて、本題はこちら(写真右)。このPETボトルをいくつも作って、生徒実験で各自にらせてみました。静電気の導入実験だったので、各班の机には、塩ビパイプも置いてありました。そこで、塩ビを帯電させてからPETボトルに近づけて、スチロール小球の動きを観察させてみました。ところが、近づくものと遠ざかるものがあります。PETボトルごとに違いが出る。これはなぜなのでしょう。例会でも、マイナスに帯電した電気盆を近づけましたが、近づくボトルと、遠ざかるボトルを見ることができました。(写真では動きがわからない。ご容赦を。)

    原因についての議論がいくつか出ましたが、発表者は、小球を入れるときに、手で入れたものと紙を漏斗のようにして入れたものがあり、その摩擦の条件の違いによるのではないかと予想しましたが、よくわかりません。PETボトルの中に湿り気があると、帯電しにくいので、その影響ではないかという指摘もありました。結局真相はわからずじまい。

     

     

  3. 演示実験プリント 水上さんの発表
  4. いつものように大部の資料と実験道具で参加の水上さん。今回は、「演示実験プリント」の紹介。演示実験をあらかじめ写真入りのプリントにして、穴埋め形式で生徒に理解させやすくするもの。生徒には好評だという。これだけのものを準備するエネルギーは、すごい。

    様々の分野の「補助プリント」を例会に持ってきていただきましたが、すべてをこのニュースの1号分で紹介するのは無理なので、数回に分けて紹介します。今回は「電場」(静電気)分野を掲載しますので、この下の(3)も含めてご参照ください。

     

  5. 静電気の実験シリーズ(水上さん)
  6. 上記の演示実験プリントを使って、静電気を扱う流れを紹介。電気盆、回転台など、自作の教材が盛りだくさん。また、水上さんの教材の整理の仕方も大変参考になります。写真のように衣装ケースに1セットの実験を納めています。生徒実験の時のみならず、このような外での実践紹介の時にもそのまま持ってくればすみます。

    例会の場では、ネオンランプの光る機構についてが議論に。光る方がマイナスなのだが、電極のまわりのネオンが電離しているのではなく、ネオン原子の電子軌道が励起して、そのエネルギーが放出されるとき、発光するというのが、結論。マイナスの電極側で発光するのは、その電極の近くでエネルギーの勾配が大きいから、という説明がありました。

     

  7. 黒板でモンキーハンティング 水上さんの発表
  8. お得意の木工で何でも作ってしまう水上さん。これは黒板演示用のモンキーハンティング実験装置です。ゼムクリップを利用した発射装置のスイッチ部分が、単純なしくみながらよく工夫されています。実験上の工夫なども含めて、後ろの水上さんの記事をご覧下さい。

     

  9. 弦の定常波 水上さんの発表
  10. これも木工作品の一つ。木枠にゴムひもを張り渡しただけの簡単な装置ですが、ちゃんと定常波が見えます。節になるところを指で軽く押さえて腹の部分をはじけば、2倍振動、3倍振動もバッチリ。大きいだけに見やすく、何より生徒に自由にさわらせることができるのが長所。

     

  11. 三角プリズムのパズル 喜多さんの発表
  12. アクリル製の三角プリズムを乗せて真上から見るとこんなふうに見えるパターンがあります。さて、プリズムをどけたらどうなっているのでしょう。答えは喜多さん自身の解説記事とともに原版を載せてありますので、後ろをご覧下さい。ただし、よく考えてからページをめくって下さい。

     

  13. 戻ってくる柚(ユズ) 小河原さんの発表
  14. この実験は背景の説明が必要です。冬至の夜、柚子湯に入った小河原さんが、湯船に浮いている柚子を何となくもてあそぶうち、洗い場から湯船の水面に向かって投げてみたところから話は始まります。バックスピンしながら湯に潜った柚子は、ブーメランのように水中で弧を描きながら水面に戻ってきたというのです。野球の変化球と同じマグヌス効果の結果らしい。

    小河原さんはそれだけでは満足しませんでした。発泡スチロールでディンプルボールを作り、空中で同じことを試みたのです。重力と浮力の違いがあるので、上下逆さの現象を起こす。そのため写真のようにのけぞって上手投げでボールを投げるのです。投げられたボールは鉛直面内でくるりと孤を描き、投げた人の腰のあたりに戻ってきます。背景の板書も参照してください。

  15. 缶のつぶし方 高杉さんの発表
  16. アルミ缶の安全で簡単なつぶし方をご紹介しましょう。まず写真のように指で斜めにへこませます。3本ぐらいこうした折り目を入れておきます。

    これを足でツイストするようにひねると、缶は簡単につぶれて右の写真のようにコンパクトになります。「伊藤家の食卓」で、同様のアイデア提供で30万円を獲得した人がいましたが、高杉さんはもうずいぶん前に独自にこの方法をあみ出していたそうです。あ〜あ、惜しいなあ。

     

  17. 浮力とは何か 高杉さんの発表
  18. 軽けりゃ浮くってもんじゃない。ご覧いただくのは発泡スチロールの半球。中空の内部に水を満たして、水槽の底にえいやっと押しつけると・・・・しばらくは浮いてきません。半球内部の水圧が外部の水圧より小さいという条件を作ればこんな事も起こります。浮力は圧力を表面積分した結果なのです。

    同じく発泡スチロールの円錐や円柱(これらは中空ではない)も、うまく水底に押しつけるとしばらく水底にとどめることができます。

     

     

  19. インタラクティブ・フィジックス 市江さんの発表
  20. 力学シミュレーションソフト「インタラクティブ・フィジックス」を使って、放物運動やモンキーハンティングの解説を試みました。画面には操作ボタンとパラメータ入力窓が設置してあり、生徒が自由に条件を変えてシミュレーションできます。サルの視点で見た弾丸の運動が面白かった。

     

     

     

  21. 趣味の入試問題 車田さんの発表
  22. 某私立高校の入試問題(後ろのコピーもご覧下さい。)

    1辺が10cmの立方体の各面の中央を、立方体の一辺の長さの1/3の正方形で反対側の面まで貫通するように各面ともくりぬき、写真のような立体を作った。この立体を、もとの立方体の互いに隣り合わない3つの頂点を通る平面で切断したときの断面の形と、その面積を求めよ。

     正解は写真のとおり「三菱」になります。面積は各自で計算してくださいね。

  23. ルーローの四面体(定厚物体) 車田さんの発表
  24.  以前、喜多さんが紹介し、金子さんが同僚の先生と共に量産した「おにぎり車輪」の愛称で親しまれた定幅図形のコロがありました。数学界での正式名称は「ルーローの三角形」というのだそうです。車田さんはその立体版の製作に挑戦しました。型紙と発泡スチロールでヤスリを使いながら根気のいる作業の末の作品です。秋山仁氏が「ルーローの四面体」と名付けたこの立体、ひょっとしたら実際に製作・公開は本邦初?

    写真がその立体。まさに「おむすび」です。上に平面を乗せて転がすと、上下動なくスムーズに転がります。こんな形をしていても、厚さはどの向きにも一定なのです。

    詳しくは、後ろの記事をご覧下さい。

     

  25. 消しクズクリーナー 車田さんの紹介
  26. 車田さんが文具店で見つけてきたおもちゃのようなアイテム。机上で走らせると二つの箒がちょこまかと動いてケシゴムの消しクズを掃き取っていく。その動作がとてもかわいらしい。「癒し系の文具」です。

     

     

     

     

  27. モデルロケット試行錯誤 金子さんの発表
  28.  1月の後藤先生の講演会以来、モデルロケットにとりつかれている金子さんの、ロケット自作報告。燃料に日本モデルロケット協会公認の市販品を用いた以外はすべて手作りの機体です。金子さんは燃料を大量にゲットして、生徒全員にロケットの製作をやらせています。

    自作の過程では、パラシュートの格納のしかたや、融損防止のための耐熱紙(リカバリー・ワディング)の役割の確認、イグナイタの電流条件など、いろいろな試行錯誤がありました。しかし、うまく発射して見失うほどの高さまで上昇していくロケットの醍醐味は何物にも代えがたい快感だという。

    例会の席でも、打ち上げのノウハウや発射時の安全確保などについて、体験談の交換や提案がありました。

     

  29. 鈴木亨さんのお土産 小沢さんによる紹介と配布会

イスラエル帰りの鈴木亨さんのお土産を小沢さんが代理で持ってきてくれた。フィルムケースの中は死海の水。飽和食塩水だがなめるとひどく苦い。マグネシウムなどのイオンのせいでしょう。ちなみに、この水のpHは5.5、比重は1.21だそうです。持ってみると気のせいかも知れませんが、重い感じがします。

左はある植物の種子。粒ぞろいで重さが一定なのでダイヤモンドの秤量のためのおもりとして使われたという。「カラット」という単位の語源にもなっているそうです。

下は「復活の花」。堅く閉じたつぼみが湿気に触れるとたちまち開いてきます。根っこに直接花がついているような奇妙な植物です。