特別レポート(1) 契約本部16年度契約実績を読む

 

日本というのは本当に良い国で、政府が有する多くの重要な情報がきちんと国民に対して公開されています。それは防衛政策においても同様です。多くの公開情報を分析することによって、興味深い事実に出会えるかもしれません。本稿では防衛庁契約本部のウェブページにおいて公開されている平成16年度契約本部調達情報の落札情報から、最近の装備品調達の傾向、ひいては防衛施策を読み解いていきましょう。

この情報はエクセルファイルにて公開されています。ここでは16年度随意契約実績を取り上げます。第一項の調達要求番号で昇順にソートを掛けて内容を見ていきます。

(例)

調達要求番号 品   名 落札
年月日
数  量 単価 落札金額 契約相手方 納  期 契約方式 随契理由
番号
2-16-1053-004B-AQ-0349 救命糧食,艦船用                            H16.9.13 5,638 CS   5,410,788 萬有栄養(株) H16.10.29 随契 4

 

 

陸上自衛隊

1-16-2004-011A-HS-4631 個人用暗視装置 JGVS−V8 H17.3.3 3,515 664,650 2,336,244,750 日本電気(株) H18.2.28

これは個人用の暗視装置ですが、かなり大量に調達しているのが分かります。

1-16-2007-013G-HH-2025 個人携帯地対空誘導弾(改)(実用試験用) H17.3.28       377,538,000 (株)東芝 H17.11.30

携行SAM(SAM-2)改ですが、もう実用試験に入るのですね。

1-16-2018-040A-HF-0198 ロングボウ・システム H17.3.14 1   1,294,230,000 三菱電機(株) H19.2.28

AH-64Dのロングボウシステムは完成品輸入と聞いていましたが、ライセンス国産のようです。

 

海上自衛隊

2-16-2008-010A-E -0054 イージス艦へのBMD機能の付加 H16.7.27 1 OT   33,997,271,000 米海軍省 H20.3.31

既存のイージス艦へのBMD機能の付加ですが、1艦当たり約340億円とは。。。。

2-16-2013-010A-E -0138 短SAMシステムESSM化器材(VLS) H16.10.15 2 OT 345,396,700 690,793,400 米海軍省 H19.1.31

これはむらさめ級のMK48VLSに対するものでしょうか?

2-16-2013-024A-D -2201 哨戒ヘリコプター用操縦士席防弾板キット H17.3.1 2 SE 18,858,000 37,716,000 三菱重工業 H18.3.15

臨検や対不審船対策用ですね。

2-16-2020-010B-E -0178 9mmけん銃 H17.3.15       16,086,000 サン(株) H17.8.31
2-16-2020-010B-E -0179 対人狙撃銃 H17.3.11       21,157,500 アジア太平洋企業(株) H17.9.30

通常なら、9mmけん銃はミネベア、対人狙撃銃は米陸軍省から購入の筈ですがこれはそれらとは違うものということのようです。恐らく海自の特殊部隊、臨検用の装備でしょう。

2-16-2022-014A-E -0096 電波妨害弾1型 H17.3.18       793,800,000 三菱電機(株) H18.10.31

これはチャフ・フレア発射器から打ち出されてパラシュートを開いて浮揚する射出型ECMです。

2-16-2027-014A-E -0192 シースパローミサイルRIM−162 H17.3.29       4,029,250,400 三菱電機(株) H19.3.9

ESSMもライセンス国産されるようです。

2-16-2027-014A-E -0193 05式信管 H17.3.14       286,650,000 横河電子機器(株) H18.3.31

これは最近まで技本で開発を行っていた76mm砲用の新型近接信管ですな。

2-16-2043-014A-E -0197 ヘルファイアミサイル H17.3.18       231,671,000 米陸軍省 H19.1.31

SH-60Kに搭載されるAGM-114Mです。米陸軍省から調達するのが面白いところです。

2-16-3015-152C-E -3413 艦内統合ネットワークNOYQ−1 H17.3.11 1 SE   2,242,275,000 三菱電機(株) H20.2.29

これは16DDH用ですね。

2-16-3015-153C-E -3814 非貫通式潜望鏡1型 H17.3.25 1 SE   1,335,600,000 三菱電機(株) H18.12.15

これは16SS用ですが、以前から開発が行われていたものです。これを装備することが最近の潜水艦のトレンドでもあります。

(追加:これはどうやら英国Thales Optronic 社製のもののようで、三菱電機がライセンス国産するようです)

2-16-3015-153C-E -3821 潜水艦ソーナー・システムZQQ−7 H17.3.8 1 SE   3,130,050,000 沖電気工業(株) H21.2.27

おやしお級のソナーはZQQ-6でしたから改おやしお級では新型ソナーを装備することが分かりました。

 

航空自衛隊

3-16-2012-011B-E -0028 戦術データ交換システム地上用システム H17.2.28 1   1,029,280,350 日本電気(株) H19.2.28

これはJTIDSの地上局でしょう。

3-16-2020-013A-I -0046 00式個人用防護装備 H17.1.28 698 EA 137,550 96,009,900 東洋紡績(株) H17.12.22
3-16-2020-013A-I -0047 00式個人用防護装備 防護マスク H17.3.10 698 EA 47,250 32,980,500 興研(株) H17.12.22

空自が化学兵器への防御用装備を持ち始めたということですな。

3-16-2020-024A-A -0073 F−15J/DJ航空機機体定期修理等(AAM−4改試作対象機用) H17.3.15 1   133,035,000 三菱重工業 H19.2.28

AAM-4を撃てる機体は複数存在するわけで、わざわざ予算計上するのはもしかしてPre-MSIP機かもしれません。

(追加:これは914号機とのこと)

3-16-2034-014A-U -0091 爆弾用精密誘導装置 H17.1.24 1   1,029,967,620 米空軍省 H21.2.28

これはJDAMでしょう。

3-16-2034-024A-AE-0119 AAM−4指令送信装置 J/ARG−1 H17.3.9 2 SE 20,448,750 40,897,500 三菱電機(株) H19.2.28

近代化改修に合わせて調達されています。ということは今後のAAM-4搭載改修は近代化の一環のみということでしょうか。

3-16-2034-040A-AE-0063 DATA LINK SET J/ASW−20 H17.3.14 5 21,512,400 107,562,000 (株)日立製作所 H19.5.31

F-2用ですがF-15用はJ/ASW-10なので違うタイプということになります。

 

技術研究本部

4-16-2001-030A-G -0022 ダクテッドロケット飛しょう体(その2)の研究試作 H16.11.29 1   2,286,900,000 川崎重工業(株) H19.3.30

これがAAM-4用エアブリーチングエンジンでしょうか。

4-16-2004-030A-C -0012 無人機研究システム(その1)(1) H17.1.31 1   158,025,000 富士重工業(株) H18.3.31
4-16-2004-030A-C -0013 無人機研究システム(その1)(2) H17.2.18 1   96,600,000 三菱重工業 H17.12.22

これはTACOM(多目的小型無人機)でしょう。MHIは搭載母機改修ですね。

4-16-2007-030A-F -0008 多機能RFセンサ(その3)の研究試作 H17.2.18 1   729,750,000 三菱電機(株) H19.3.30

先進技術実証機用のコンフォーマル・レーダーですな。

4-16-2001-035A-E -0008 120oTKG、JM12A1対戦車りゅう弾特てん弾 H17.3.17       10,573,500 (株)小松製作所 H18.2.3

これは新戦車の被弾試験用の砲弾ではないかと。。。。

 

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