国産ミサイルよもやま話(空対空編)

 

ハムスター学校の生徒、ハム・エッグ、ハム・サンド、ハム・カツに先生のハム・ヨンキュウが語りかけています。なお、構成は某ページの完全なパクリです。(笑

 


 

では空対空ミサイルの話から行こうかのぉ。

 

 

はぁーい、ハム・ヨンキュウ先生。

 

 

うむ、良い返事じゃ。国産初のAAMは69式空対空誘導弾(AAM-1)じゃな。これはどう見てもAIM-9Bのコピーじゃ。海外でもそういう評価じゃの。

 

 

次はAAM-2じゃ。これは性能は良かったのだが、制式化されなかったな。

 

 

なぜですか? 

 

 

アメリカさんが、安い価格でAIM-4Dミサイルを売り込んできたからじゃ。いくら性能が良くても値段じゃ太刀打ちできんからの。こういう事例は73式魚雷の時もあった。

 

やり方がえげつないです。それまでは売らないと言っておきながら。

 

 

うーん。こういうやり方は別にF-2の時から始まっていた訳ではないということかの。

 

 

次はAAM-3ですね。ワクワク。

 

 

そう先を急ぐなて。AAM-3は90式空対空誘導弾として制式化されて量産されておるの。

 

 

やったー、パチパチ。

 

 

関係者はAAM-2の経験がかなり身に滲みた様じゃ。コストコントロールに相当留意したらしい。

 

 

あのカナード形状は独特ですね。

 

 

あれはカナードによる気流の後翼への干渉を防ぐためという話があるのぉ。

 

 

ミサイルの先端のシーカー部分の形状もAIM-9とは異なりますね。

 

 

シーカーの首振り角を大きく取るためじゃろうな。

 

 

他に特徴はあるのですか。

 

 

IRCCM(赤外線妨害排除)能力が高いとの話じゃ。NECが開発した赤外線と紫外線を用いる2色シーカーを使っているからのぉ。また実射訓練の標的に付属しているフレアだとホットスポットが小さすぎてフレア判定してしまうので、実射訓練時はIRCCM機能を切っているとの話がある位じゃ。

 

信管は何を使っているのですか。

 

 

良い質問じゃ。近接信管としてアクティブ・レーザー近接信管を持っておる。

 

 

どういう仕組みなんですか。

 

 

ミサイル本体から斜め前方にレーザー・ビームを照射し、側方のセンサーが反射波を捕らえたらドカンといく仕組みじゃ。

 

どうして真横ではなくて斜め前方なのですか? 

 

 

真横だとすれ違った時に、どんなに起爆信号が早く発せられても若干のタイムラグが発生し、距離が離れて威力が落ちるからの。それからこの信管はビームの発信と受信を複数のセンサーで行っているから、目標方位象限が特定できる。

 

それができるとどうなるのですか。

 

 

指向性弾頭が使える。指向性弾頭とは爆発点制御による爆発威力の偏向を可能としたものじゃな。 原理は土木工事の発破で起爆タイミングを制御して任意な形に崩すのと同じようなものじゃ。また弾頭重量もAIM-9系より大きいようじゃの。

 

ねーねー、もっと他には。

 

 

操舵の動力として、電動アクチュエーターを使っておる。従来のホットガスを用いたガスサーボ方式と違って反応が早く、キメ細かな制御が可能じゃ。

 

運用側からの評判はどうなんでしょう? 

 

 

概ね好評のようだ。訓練では技量の劣る部隊にはAAM-3を使わせ、技量が優れた部隊にはAIM-9Lを使わせるなどのハンディを課しているらしい。その位、差があるのじゃ。

 

へぇー。でも世代的には9Lと同じなのでしょ。単に登場時期が遅いからでは? 

 

 

それは言わない約束なのじゃ。誰じゃ、74式戦車と同じだなんて言っておるのは。。。

 

 

次はいよいよ99式空対空誘導弾(AAM-4)だなぁ。ワクワク。

 

 

 

AMRAAM(AIM-120)という優秀なミサイルがあるのに、どうして国産開発したんでしょう。

 

 

うむ、良い質問じゃ。AMRAAMは日本に供与されないのではないかという心配があったからと、搭載兵器を全て国産化したいという思惑、それと様々なミサイル開発やライセンス国産で力を付けてきて、やれるという自信が付いたからだろう。

 

えー、日本とアメリカは同盟国なのに。

 

 

当時はアメリカ本国とNATO諸国だけだと言われていた。米ソ冷戦が続いていれば本当にそうだったかも しれないが、どうもこの理由は後付け臭いな。実際には国産開発してみたかったというのが本音だろう。

 

でも日本でもAMRAAMを購入して、運用研究を実施してますよね。

 

 

 

AAM-4搭載改修を実施したF-15J/DJはAMRAAMも運用できるから、いざという時はアメリカから供給を受られる。AMRAAMも打てるようにしてくれというのは運用サイドの意向らしい。実際に実射してみて交戦エンベロップやECCM能力の確認をしたのだろう。それともう一つ大きな声では言えない理由がある。

 

えー、聞きたい聞きたい。

 

 

しょうがないのお。お隣の某国がAMRAAMを配備したから、それへの備えという話じゃ。

 

 

ヘェーなるほど。

 

 

 

国防の備えとは、相手国の政治体制ではなく相手国の軍備に備えるためじゃからの。

 

 

じゃあ、米軍への備えは? 

 

 

そ、そ、そ、その話はするでない。。ワシには妻も子もおるのじゃ。

 

 

ところで、AAM-4の特徴は。

 

 

うむ、AAM-4には色んな特徴があるが最大の特徴の一つは我国の優秀な民生技術を大幅に取り入れて性能を向上させたと同時にコストダウンを図ったことだろう。所謂、COTS(Commercial Off-The-Shelf)じゃな。そのため、ライセンス国産のAIM-7Mよりも価格が安くなったのじゃ。

 

へぇー、前モデルより安くなったんですか。

 

 

 

それとアクティブ・レーダー・シーカー、アクティブ・レーダー信管、指令送信装置などのRF送信系に特殊な電波を使っていることだろうな。ここが技術的に最大の特徴と言ってよいかもしれない。そのために機体側に専用の指令送信装置が必要なのじゃ。

 

AMRAAMの指令送信波はFCSレーダー波に多重送信してますよね。

 

 

 

だからAMRAAMの指令送信はFCSのソフト(OFP)の書き換えだけで対応可能じゃ。わざわざ専用の指令送信装置を積まなければならないのはどういうことか分るじゃろ。だがこれがF-2へのAAM-4搭載の一つのネックになっておるのじゃ。何しろF-2は機内搭載スペースがギリギリのキッチキッチじゃからの。

 

命中精度が極めて高いという話がありますが。

 

 

 

実射試験では直撃につぐ直撃で、小さな標的を翼でスパッと切ったことすらあったらしい。これでは近接信管の試験ができないという開発担当者のぼやきまで出ていたそうじゃ。

 

ECCM能力も高いという話もあります。

 

 

 

高性能な演算装置の搭載により信号処理能力が極めて高いためじゃろう。それは同時にクラッター排除能力も高いことを意味しており、クラッターに隠れる低高度目標に対しても能力を発揮する筈じゃ。

 

ではAAM-4は成功作なのですね? 

 

 

研究・開発、試験から装備化まで特に大きな問題も無く、うまくいったと言えるじゃろう。だが、問題が無い訳ではないのぉ。

 

どんな問題ですか。

 

 

AAM-4の搭載には機体側にMIL-STD-1553Bデジタル・データバスが不可欠じゃ。まぁこれはAMRAAMとて同じと思うが。これを装備しているのはF-15J/DJのMSIP機と、F-2じゃ。だがF-2の搭載には前述のような問題がある。F-2には搭載できる目処がついたという話もあるがのぉ。F-15の内、搭載できるのは100機程度じゃ。

 

それとAAM-4は機体とのデータ通信負荷、所謂バス負荷が大き過ぎるとの指摘がある。これは命中精度を高めるためらしい。それに対してAMRAAMは発射直前のみ、データバスを通じて発射直前に機体との間に一瞬にして通信が行われるとのことじゃ。硫黄島での運用研究で判明したことだそうじゃそうだがの。

 

それでAAM-4改が出てくる訳ですね。

 

 

うむAAM-4は民生品を多く用いているので、絶え間ない搭載機器の見直しが必要なのだが、AAM-4改の大きな目標として汎用性を高めてもっと多くの機体に搭載できるようにすることがあるようじゃ。

 

AMRAAMとAAM-4はどっちが優秀なんでしょうか。

 

 

一応AAM-4はAMRAAMを凌駕したので、採用されたことになっておる。何しろ空幕がAMRAAMは制式装備化しないと内局に約束しているそうじゃからの。ただ一概には言えんなぁ。わしは両者は方向性の異なるミサイルだと思っておる。

 

どういうことですか? 

 

 

AMRAAMは命中精度を高めて弾頭重量を減らし、小型軽量にまとめている。F-16のような小型の機体での運用や、一機の機体へ多く搭載できること、ステルス機への機内搭載を配慮したのじゃろう。対してAAM-4はAIM-7と同一サイズとし、大きな弾頭による高威力と大射程を目指している。どうも対航空機よりも巡航ミサイルのような低高度小型目標撃破に重きを置いているように思える、何しろ空自は巡航ミサイルを極度に恐れておるからのぉ。

 

今後の発展計画はあるのでしょうか? 

 

 

発展型としてAAM-4をベースにした艦載短SAMが開発中じゃ。また将来的にはダクテッド・ロケットのようなエア・ブリーチング・エンジンを搭載して射程を延ばす構想もあるようじゃ。

 

次はXAAM-5です。ワクワク。

 

 

XAAM-5は現在開発中の新世代格闘戦ミサイルじゃの。AIM-9XやIRIS-T、ASRAAM(AIM-132)に相当するミサイルで、従来の格闘戦ミサイルとは一線を画するものじゃ。

 

なぜ、西側各国で一斉に新しいミサイルが出てきたのでしょう? 

 

 

技術的な発展もあるが、旧ソ連が開発したAA-11 Archer (R-73)の影響も大きいのぉ。

 

 

それらのミサイルにはどんな特徴があるのですか。

 

 

発射後ロックオン(LOAL)ができること、画像赤外線誘導(IIR)になったこと、推力偏向制御(TVC)を採用したことじゃな。

 

 

それらを採用するとどうなるのですか? 

 

 

交戦エンベロップの大幅な拡大とオフ・ボアサイト能力の向上、射程の延伸、IRCCM能力の向上が期待できるのじゃ。AAM-3と比べると特に射程の延伸は著しいな。

 

 

オフ・ボアサイト能力って何ですか? 

 

 

目標が発射母機の正面から隔離した方向に存在する場合であっても、ミサイルを発射できる能力のことじゃ。XAAM-5の場合、TVCの採用と共に、ジンバルを2軸から3軸にしたことも効いておるのぉ。

 

ジンバルを2軸から3軸にするとなぜ良いのですか? 

 

 

2軸だとシーカとジンバル枠及びジンバルの作動機構が機械的に干渉し、充分に首振り角のとれない範囲があるためじゃ。そこでロール軸のジンバルを追加して、シーカをミサイルの軸周りに回転させてそれを防ぐのじゃ。

 

HMS(ヘルメット搭載サイト)も装備されますよね。

 

 

 

技術試験では島津製作所製のHMSを使っていたな。ただこれはカスタムメイドの試作モデルのようじゃ。軽いという評判でパイロットからは好評らしい。だが空自がこれを採用するかどうかは全く不明じゃ、BOEING社製のJHMCSを採用する可能性もある。どうもMHIはJHMCSを推しているらしいという話もあるからのぉ。

 

AIM-9Xの実射ビデオを観ましたが、TVCの機動って凄いですね。

 

 

でもTVCにも欠点はある。それはロケット・モーターの燃焼が終わってしまうと何の役にも立たないという点じゃ。そのため、XAAM-5では翼面積をもっと大きくして燃焼後も高機動できるようにする案もあったそうじゃ。しかしF-15との機体適合性の点でこの案はボツになっておる。ランチャー・アダプターが強度的に持たないとの話じゃ。それにイスラエルのバイソン4のようにTVC無しでも素晴らしい機動をしている例もあるな。

 

しかし、XAAM-5はIRIS-Tにソックリですね。

 

 

 

   ユーロファイター・タイフーンに搭載されたIRIS-Tのプロトタイプ

Photo by BGT

 

それは開発担当者も認めておるな。近接信管の形式など細かい点で違いはあるが。

 

 

弾頭と信管の形式は何なのですか? それと何時頃制式化されて搭載機種は何ですか? 

 

 

 

近接信管はAAM-3と同じくレーザー近接信管、弾頭も指向性弾頭で間違いないじゃろう。制式化は平成15年度を予定しておる。恐らく03式空対空誘導弾という名称になるじゃろう。搭載機種はF-15J/DJのMSIP機とF-2になるだろう。AAM-4に比べるとインテグレーションは楽そうじゃ。

 

 

キンコン、カンコーン、キンコン、カンコーン。

 

 

もう終わりか、次の授業は空対艦編じゃ。しっかり予習をしておくように。

 

 

ハァーイ。

 

 

こりゃ、こりゃ、ひまわりの種を食うなっちゅーに。