国産ミサイルよもやま話番外編(U.A.Vってステキ編)
ハムスター学校の生徒、ハム・エッグ
、ハム・サンド
、ハム・カツ
に先生のハム・ヨンキュウ
が語りかけています。なお、構成は某ページの完全なパクリです。(笑
えー、 1年ぶりのご無沙汰です。再び授業を開始します。
先生、もう定年じゃあ。
何を言うか、まだまだ現役じゃぞ。
そんなに無理しなくても。
今回はミサイルから離れて、UAV(無人航空機)の話をしてみよう。題してU.A.Vってステキだ。
まず思い浮かべるUAVと言えば最近制式化されたFFOSですね。
FFOSはFlying Forward Observertion Systemの略で遠隔操縦観測システムが制式名称だ。元々は野戦特科の中距離域における目標の標定、観測に使用することを目的として開発されたものだな。
どの位の進出距離があるのでしょう。また誘導方式と観測手段は?
大体50kmを想定している航続時間は3時間以上だ。誘導はプリプログラムで離着陸時はオペレーターによる。また飛行途中でもオペレーターが割り込み制御で介入できるようになっている。観測装置は可視光カラーTV、又は8-12ミクロン帯のFLIRを使用する。
しかし支援機材がすごいですね。
写真は朝雲新聞 装備品ギャラリーからのリンクです。
システムは無人機2機、無人機搭載センサー、統制装置、追随装置、簡易追随装置、発進装置、整備支援装置、機体運搬装置、作業車等から構成されている。コンボイと揶揄されるらしい。これは諸外国の同様な装備と比べても大げさすぎるな。これは開発時に色んなことを盛り込み過ぎたんじゃないかなぁ。
たかだか進出距離50kmのUAVにしては大げさですねぇ。
これはシステムに分析プラットホームとしての機能を盛り込んだからとの話もあるようだ。機体に関しても、やはり進出距離の短さと進出速度の遅さは問題らしい。新無人偵察機システムとして改良されることになった。
敢えて辛辣なことを言わせて貰えば。。。。失敗作だな。
言っちゃた。一人にしないで。。。。。
その他何かUAVってありますか。
広義のUAVとして、各種標的機を挙げておこう。空自が使っているJ/AQM-1ターゲット・ドローン、海自が使っている米国製のBQM-34ファイアビー、BQM-74チャカーV、チャカーVは陸自も使っているね。あまり知られていないが、陸自のチャカーにはチャカーRというチャカーにカメラを搭載した偵察型があるのだ。チャカーRについては後でまた出てくるので覚えておくように。
それらは回収はどうするのですか?
ターゲットドローンはF-15やF-4から空中発進する使い捨てタイプだ。ファイアビーとチャカーについては艦船又は陸上から発進させ海に落として回収する。ターゲットドローンはAAM-4やAAM-5の実射試験で標的機として多大な貢献をしている。特に各種機能の性能確認を目的に多くの改修型が製造されている。
研究開発中のUAVはあるのですか?
2つ挙げよう。多用途小型無人機(TACOM)と高高度無人機だ。
多用途小型無人機は空自の偵察や電子戦を始めとする各種任務における生存性の向上、省力化の実現を図るため航空機から発進できる航空機搭載型の各種無人機に対する要求と先程述べた陸自のチャカーRが近い将来に損耗するため、夜間偵察と即時の画像情報伝送処理が可能な無人機の開発要求に応えて開発されているものだ。
この無人機には高い後続性能やステルス性、ペイロードの交換や小改修により各種用途に使用可能であることが要求されている。
具体的にはどのような目的が想定されているのでしょうか?
いい質問だね。まず偵察、ECMを積んで電子戦、デコイ(おとり)、標的、弾頭を搭載して対レーダー攻撃、その他フライング・テストベットなどが想定されている。また子爆弾を搭載してスタンドオフ・ディスペンサとする案もあるらしい。
発進は良いとして、回収はどうするのでしょう?
これがこの機体の一つの特徴なのだが。完全自動垂直着陸ができるのだ。
どのような着陸方法ですか?
機体の上部からパラシュートを開さんし、機体下部のエアバックを膨らませて着陸するのだ。高速飛行中に機体からパラシュートを引き出すのは簡単な話ではないな。射出座席の試験ができる風洞施設で実験を繰り返したとのことだ。
今後の開発予定は?
平成16年から無人機研究システムとして開発へ移行した。開発終了は平成20年を予定している。着陸方法は滑走路への自動着陸へ改められるらしい。この辺りは富士重工さん得意とするところだね。
ところで、このUAVはTACOMと言われているそうですが、何の略ですか?
多用途小型無人機じゃないかな。
そんなぁ。
次は高高度無人機だ。これは珍しく情報本部が開発要求を出している。滞空型無人機要素技術の研究として平成19年を目処に研究している。
米国のグローバルホークそっくりですねぇ。
元々はプロペラ機が想定されていたらしい。それが例のUS-1A改事案で元々研究していた富士重工が応札できなくなり、三菱重工が応札したのだが、その時にジェットに変更されたとのことだ。ただグローバルホークより運用高度も高く、ペイロードも大きいらしい。そのためグローバルホークよりは一廻り大きいようだ。
その三菱重工が橋梁汚職の関係で応札できず、また富士重工が応札したのだが、これは皮肉としか言い様が無いな。
どのような用途が想定されているのですか。
最近話題になった弾道弾追跡システムのAIRBOSSを塔載する可能性があるな。あとはSAR(合成開口レーダー)を積んで広域監視、無線中継やELINT(電子情報収集)、SIGINT(通信情報収集)何かが考えられる。
手っ取り早くグローバルホーク買っちゃった方が良いんじゃないでしょうか?
RQ-4A GLOBAL HAWK(写真はglobalsecurity.orgからのリンクです。)
そうだね。研究が平成19年に終了したとしたとして、その後開発へ移行しても5年やそこら掛かると思うから、うまくいっても装備化は平成25年以降じゃないかな。米国からも売り込みは続いているらしい。 ただ気象条件が厳しい日本周辺空域で使うのは難しいとの話も無い訳ではない(この辺微妙)
イタリアも正式に採用したらしいし、オーストラリアもカスタマーとして有望らしいですね。
しかし1機2,000万ドルと言われているからね。一昔前の戦闘機並だなぁ。買える国はそう多くはないよ。
他に開発アイテムはありますか?
一つ面白いものがある。携帯型飛行体という名称のマイクロUAVだ。
写真は防衛省技術研究本部からのリンクです。
何かラジコンみたいですね。
これは朝霞の陸自研究本部筋では非常に好評らしい。こういうのが欲しかったとの声すら出たとのことだ。
一見、ただのラジコンのようだが航続時間を延ばすために非常に高度な飛行制御が為されているらしい。
誘導方式と推進方式は何でしょうか?
誘導はGPSによるプリプログラム、推進は電動プロペラ。恐らくラップトップパソコンのようなもので飛行航路を設定するのだろう。
用途は何でしょうか?
歩兵が携帯して、観測や偵察に使われるのだろうな。戦場ではあの岡の向こうを知りたいといった機会が多いからな。または化学兵器の探知なんかも有効だ。
機体は川田工業、制御・電子装備関連は日立が担当しているらしい。
今まで空自や陸自ばっかでしたけど、海自は何かUAVを装備する可能性があるのでしょうか?
忘れてもらっては困るが、海自は無人標的機の運用経験は長いのだ。UAVについても研究はしているらしい。新世代護衛艦たる19DDに塔載される可能性も無きにしも非ずだな。
どんな機種ですか?
やはり一番可能性が高いのはやはり米国ノースロップ・グラマン社製のRQ-8Bファイアスカウトだろうな。米海軍の運用実績を見ながらというところだろう。
RQ-8Aファイアスカウト(写真は航空の現代からのリンクです)
あと、米国ベル社製のイーグルアイも候補だろう。チルトローター式のUAVで、何せ艦艇への完全無人自動着陸ができること、SARを塔載出来る事、航続時間が長いことが大きな魅力だ、お値段もそれなりだけどな。イーグルアイは陸自も一時注目したほど評判の高い機体だ。
イーグルアイ(写真は航空の現代からのリンクです)
海自はどのような用途を考えているのでしょう?
まぁお定まりの偵察や艦砲射撃時の着弾観測、捜索救難、対艦ミサイル運用時のターゲッティング、電子戦等が考えられるだろう。不審船の追跡なんかもってこいの任務だな。海上保安庁もUAVにはかなり興味があるらしい。
短魚雷やソノブイを塔載して、対潜任務とかにも使えそうですね。
ペイロード次第だが、そうだね。海自はかつてDASHと呼ばれる無人ヘリコプターを運用していたしね。
無人機ってこれからも発展しそうですね。
米国ではX-45やX-47のようなUCAV(Unmanned Combat Air Vehicle)が開発されている。今後益々発展する分野だな。ただ日本の場合は最大のネックとなるのが航空法との話があるのだが。。。。。。。。。
RMA(軍事の革命)の中で中心的役割を果たすのがこのUAVだ。今後は有人機と無人機を組み合わせた戦術が多数編み出されるだろう。
パイロットが反対しそうですね。
そういう話もあるらしい。無人機が中々発展しなかったのはそういう背景もある。ただ時代の流れには何人も逆らえないな。
キンコン、カンコーン、キンコン、カンコーン。
もう終わりか、要望があればまだまだやるぞ。
もう結構です。でも大変面白かったです。
こりゃ、こりゃ、ひまわりの種を食うなっちゅーの。何度も言っておろーに。。。。