
真核生物細胞の細胞小器官の一つ、細胞の生化学的エネルギーを生産する中心器官。
TCA回路と電子伝達系を持ち糖質の酸化のエネルギーでATPを生産する。
1細胞数100〜2000個ぐらい存在し、一層の外膜がひだ状に折り畳まれ、複雑な構造をした内膜を包んでいる。ミトコンドリアには固有のDNA、リボソーム、tRNAが存在し半独立の増殖系をなしている。
ヒトのmtDNAは16569塩基対から成り約1kbの非翻訳領域を除くと、その大部分が13種類のタンパク質とその翻訳に必要な2種類のリボソームRNAと22種類の転移RNAの遺伝子をコードする領域となる。
mtDNAの変異速度は大きく核DNAの5〜10倍とされ、エネルギー生産の場で多くの酸化ストレスにふれるミトコンドリア関与は老化にとって重要となってくる。
ミトコンドリアはエネルギー生産の場であり多くの活性酸素に曝されmtDNAの点変異、欠損が誘発され電子伝達系の異常がもたされミトコンドリアからの活性酸素種の漏出が増大し、さらにmtDNA変異の蓄積の悪循環に陥る。
もちろん、これらの活性酸素は核DNAやタンパク質等も損傷する。
長寿のmtDNA遺伝子型、パーキンソン病、アルツハイマー、各種生活習慣病のリスクを減らす遺伝子型についての田中雅嗣教授の研究がある
百寿者37名と252例の愛知県内の健康的な献血者の試料よりMt5178Aというミトコンドリア遺伝子を持っているものに有意義な差が見え、Mt5178Aが長寿に関連していることを示唆している。
また、Mt5178Aを有すると各種生活習慣病、アルツハイマー・パーキンソン病のリスクが減ることも示されている。Mt5178Aの日本人の比率では45%と高く世界では比較的希で日本人の平均寿命が高いことがこれに関係している可能性がある。
ミトコンドリアは各種の活性酸素、過酸化脂質の細胞内における主要な産生の場でmtDNA型の相違によって、ミトコンドリアからのラジカル産生量が違いその結果成人発生性疾患に羅漢する危険率が変化し、寿命にも影響を及ぼすと想定される。
ミトコンドリア等の細胞質の老化への関与についての研究より
呼吸能の低下した老化細胞から核を除き、ミトコンドリアのみを含んだ細胞質体を得て、これをあらかじめミトコンドリアを除去しておいた不死化細胞に融合させサイブリッドを作った。核が不死化細胞でミトコンドリアが老化細胞に由来した細胞になりこれを調べると呼吸能が完全に回復していた。
これはミトコンドリア機能の低下が核DNAにあることを示している。
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