
"湖水地方旅行記"
湖水地方旅行記
- いざ湖水地方へ
7月27日(金)の朝8時に、ロンドンを出発する。借りた車はフォードのモンデオ、1800ccの5ドアであり、高速走行も快適である。M1、M6を通ってひたすら湖水地方に向けて走り続ける。2回目の休憩はForton サービスエリア、ここのインフォメーションでは、湖水地方に関しての情報があり、だんだんと近づいてきたことを感じさせる。12時過ぎにM6からA590に入る。A590はWindermere の直前まで2車線の快適な道路であり、予定より早く湖水地方に到着した。
- Windermere Steamboat Museum (蒸気汽船博物館、Windermere)
12時半にSteamboat Museum到着。ここでの目的は、アーサー・ランサムのお話に出てくるヨットのアマゾン号のモデルを見る事である。中に入るとヨットがいくつか展示されていた。その中の一つがアマゾン号であった。考えていたものよりも大きく、このようなヨットを子供たちだけで操れるのかと感心する。また自由に操れたら楽しいだろうなあとうらやましく思う。できれば私もいつかヨットに乗って帆走してみたいものである。イギリスのアーサー・ランサムファンクラブ、TARS (The Arther Ransome Society)に関する展示もあり、やはり”聖地”だと感激する。
Museum の人が、1時から湖を回るクルーズがあるから乗りませんか、と声をかけてくれたので、これは良い機会だと、乗ることにする。ウインダミア湖、地図で見て大きいとは予想していたが、本当に大きい湖である。ロング・アイランドを一周するクルーズは、途中船上で紅茶(コーヒー)とクッキーがでて、なかなか楽しかった。最後にフリント船長の屋形船のモデルのエスペラント号を間近に見る事ができた。売店ではアマゾン号修復の”日本語の”ブックレット(英語版はなかった)や、ランサム関係の場所を示した地図もあり、早速購入する。またロンドンの書店では見つけるのが困難なランサム関係の本が大量に置いてあった。
- The Worls of Beatrix Potter (ピーター・ラビットの世界、Bowness)
次にボウネスに向かうが、ここの駐車場が一杯なので、先に今日宿泊するホテルへ行く事にする。ホテルは割と急な坂の上にあった。チェックインした後、歩いてボウネスを見て回ることにする。ピーター・ラビットで有名なBeatrix Potterの世界を見に行く。最初にポターの生涯に関する短い映画(日本語あり)を見て、次に絵本の風景をそのまま作ってある場所に入る。ここではかなり大きいピーター・ラビットに出会う事ができる。ここの喫茶室でお決まりのスコーンと紅茶で休憩する。ボウネスの街は観光客であふれていた。桟橋の近くでは、白鳥がすぐ近くまで寄ってきている。白鳥と記念写真を撮っているのは日本人だけのようであるが、やっぱり私も撮ってしまう。
- 北極のプレート探し(Ambleside)・その1
7月28日(土)は、まず北極のプレートを探しに行く。アーサー・ランサムの『長い冬休み』は、湖北を北極と呼んで探検に行く話である。この北極 (北極小屋)があった場所に、TARS (The Arther Ransome Society)の人たちが、プレートを埋めたので、それを見に行こうというわけである。Windermereから北にしばらく走り、AmblesideのInformationの近くにあるボラリスパークに到着する。しばらく公園内をうろうろ歩き回りプレートを探すが、見つける事ができない。子供を連れて公園を散歩している人と話すが、彼も知らないという。こちらの人は、アーサー・ランサムといってもわからないが、Swallows and Amazons というと、ああ、あの話なら知っていると言う。たいていの人が子供時代に読んでいる本のようであり、日本で言うと、どのような本にあたるのかと疑問に思う。残念ではあるが、予定もあり見つけるのを断念した。
- Dove Cottage (Grasmere, Wordsworthの住んでいた家)
Ambleside からさらに北上してGrasmere に行く。ここにDove Cottage という詩人の Worfdworth の住んでいた家を見る。ここで日本人の団体客(バスツアー)と遭遇し、大混雑に巻き込まれてしまった。このCottage は、人数を区切って中にいれ、それぞれの部屋、家具について、ガイドが説明しながら案内してくれる。説明もわかりやすくて良かった。林望の本に出てくる、地下に水が流れていて貯蔵室として使っていた部屋も見る。しかし昔の人は小さかったのか、ダブルベッドがものすごく小さい。壁紙に昔の新聞が貼ってある部屋もあり、面白かった。
- 北極のプレート探し(Ambleside)・その2
また湖の方へ南下して行くが、やはり気になるのは北極である。そこで、もう一回探すことにする。公園内を歩き回り探すこと15分、遂に発見!! 見つけてしまえばなんで見つけれなかったのかと思ってしまう場所である。(今後探しに行かれる人へのアドバイス、公園に大きな切り株とその隣にベンチがあります。このベンチから湖に向かって歩いて行く、その左側を探しましょう。)しかし他の人は、あの二人(私と姉)は地面を見ながらうろうろと、一体なにをしているだろうかと思ったであろう。
- Museum of Lakeland Life & Industry (Abbot Hall, ランサムの部屋、Kendal)
Kendal にあるこの博物館は、アーサー・ランサムの部屋があり、ランサムファンにとっては見逃せない場所である。そこでNiftyServe FSHIP アーサー・ランサム会議室 の”世紀のケンダルオフミ”が開かれる事になった。参加者は私とLさん、そしてPさん一家である。
Kendal の街は一方通行の道が多くてわかりにくく、しかも道路が工事中で渋滞していた。アボットホールのランサムの部屋、展示が続く通路から横に入らないといけないのだが、ここは子供が遊ぶところかなと思って、通り過ぎてしまい、どこにあるのか最初迷ってしまった。ランサムの部屋に入るとLさんと思われる方が、窓際に座って置いてある本を読んでおられた。挨拶をするとやはりLさんで、もうすでに他の所も見て回られたとのこと。そこで私達もあちこち見て回ることにする。しかし、ここ、ランサムの部屋には、ツバメ号などの旗もあり、ランサムファンにとっては、宝物がたくさん飾ってある所である。その中に、ランサムが発明した(?)ころがり防止鉛筆、たんに鉛筆に糸がぐるぐると巻いてあるだけなのだが、大変使いやすくなったと書いてあるのが面白かった。ここの博物館は、香水を売っていた店を再現したものや、湖水地方の生活に関する展示があり(lakeland life museum だから当たり前ではあるが)、なかなか面白く、ランサムとは関係なくてもお勧めの場所である。
2時半過ぎにPさんが一団でやって来られる。なんでも湖水線が止まっていたそうで、振り替えのバスで来られたとの事である。ランサムの部屋で記念撮影をする。この時にLさんから、ランサムのお墓がラスランドの教会にあると聞き、位置を地図で教えてもらう。Lさんは列車の時刻があるので、先に帰られた。その後30分ほど、展示を見て回ったりして、私達もお先に失礼する。それで博物館の外に出ると、先に駅に向かったはずのLさんが、まだいるではないか。なんでもタクシーが来ないとの事。それならと私達の車でオクスンホルムの駅まで送ることにする。Kendal の街の渋滞をなんとか避けて駅にぎりぎりの時間に着く。この駅は丘の上にあった。その丘に登る途中に果物摘みができる農場があり、時間があれば寄ったら面白そうである。
- アーサー・ランサムのお墓参り(ラスランド教会、ウインダミア湖の西)
次にランサムのお墓参りをしにウインダミア湖の南の方を回って行く。ところが、ここでラスランドの辺りの詳しい地図を持っていないことに気付く。私の持っているウインダミアとコニストンの地図では含まれていなかったのである。大ざっぱな道路地図とランサムの部屋で教えてもらった時に見た地図の記憶を頼りに細い道に入っていく。道標をたどって、対向車が来たらどうしようかと思うような所を探していくが、教会のある場所がわからない。どうやらラスランドと思われる所に着き、そこで左折してしばらく行くと、あった!。丘の上の目立つところに教会らしき建物があった。一車線幅の道を登り教会の前に行き車を止めて降りると、羊の鳴き声がメーメーと聞こえる、のどかな田舎であった。Lさんにランサムのお墓は、奥の方の壁ぎわだと聞いていたので、簡単にお墓を見つけることができ、お参りをする。しばらく景色を眺めたりして過ごす。とてものんびりとして素敵なところであった。
- Hill Top (ピーター・ラビットの生まれた場所、Near Sawrey)
7月29日(日)まず Beatrix Potter が愛した村、Near Sawry へと向かう。Bownessからフェリーに乗ってウインダミア湖を横断する。このフェリーは水中のケーブルをつたって移動している、いわばケーブルフェリーであるらしい。対岸に着きNear Sawryへと登っていく。まだ公開されているポターの住んでいた家、Hill Top が開館するのに時間があるので、近くの湖まで散歩することにする。途中牧場に入り湖の近くに向かう。牧草は思ったよりも丈があり、朝露で靴ばかりでなくズボンのすそまで濡れる。また羊さんや牛さんの落とし物が落ちているので下を見て歩かないといけない。
そしてHill Top 、当時そのままに保存されているポターの家へと入る事にする。家に向かうと、まず入り口、玄関の辺りが、ピーター・ラビットの絵本の挿し絵と全く同じである。中に入り部屋を見て回ると、まさしく絵本の挿し絵がそのまま存在している世界である。どういう事かと言うと、いろんな家具や柱時計、階段などが挿し絵通りなのである。ドールハウスもあり、これまた挿し絵に出てくるチーズ、ハム等のミニチュアがある。ポターは、身近にある物をそのまま描いていて、それが残っているのである。いやはやおどろきであった。絵本と見比べて部屋の中を見て回った。
- Beatrix Potter Gallery (Hawkshead)
Hawkshead にはポターの資料館があり、そこにも行く事にする。ここでNational Trust の会員になってしまう。何故か声をかけられ、なりゆきでなってしまった。会員であると先のニアソーリー等National Trust の所有する所の入場料はただになり、また駐車場もただになる場所があるようである。ここのPotter Galleryには原画があり、きれいなタッチで描かれていた。また遺品や写真等も展示されていた。
- コニストン湖 (Coniston)
そして次はいよいよコニストン湖に向かう。アーサー・ランサムの物語の舞台となっているヤマネコ島がある湖である。湖へ坂を降りていき、コニストン湖北側の湖岸の駐車場に車を止め、湖に挨拶に行く。湖岸では老夫婦や家族連れがピクニックをしていた。こちらのピクニックはピクニックバスケットにお皿やグラスを入れ、折畳みのイスやテーブルも持ってきて、のんびりと過ごすようで、なかなか日本では見られない風景である。コニストン湖に手を浸して湖に挨拶をする。ヨットも数多く湖に出ている。湖畔で昼食を取りしばらく湖を眺める。とうとうあのランサムの舞台の湖に来たのである。
- ラスキン博物館(Brantwood)
次にBrantwoodの、ジョン・ラスキンのデッサンや水彩画が展示されている博物館に向かう。ラスキン博物館の建物は白く美しく、目立つ。中に入ってたくさん展示してある絵を見ていく。水彩画が印象的であった。途中ビデオ上映もあり、ラスキンの生涯がわかる。モリスなどにも影響を与えた人らしい。どこから来たのか、どうしてここの博物館を知ったのか等アンケートに答える。隣にちょと素敵なティーハウスがあり入ろうかとも思うが、入らなかった。
- 犬小屋探索・その1(Coniston 湖東側)
犬小屋とはランサムの『スカラブ号の夏休み』に出てくる小屋の事である。この小屋が実在しているので、次はそれを探しに行く。"In the footsteps of S&A" という本(ランサムの話に出てくる場所を訪ねるための案内書のような本) に書かれている通り、大きな駐車場の次にピクニックテーブルがある小さな駐車場を通過する。確かに半ば隠れている駐車場に車を止めて歩きだす。上に登っていく目印のサインポストがあるはずだが、わからない。ちょっと先に少し広くなっていて、上に登っていく横道がある。もう少し先まで行くと家があり、その横からも上に上がる道がある。いずれもサインポストは見当たらない。初めの横道を少し登ってみるが、見通しが悪いので、すぐ近くまでいかないと小屋はわかりそうにない。残念ながら船に乗る予定もあるので、今日は断念する。
- Bank Ground Farm (Coniston)
次に今日泊まる予定の Bank Ground Farm へチェックインに行く。このB&B は、ランサムの話の中に出てくるハリ・ハウという農場のモデルとなった場所である。このハリ・ハウへ降りていく道からの眺めが最高に素晴らしい。コニストン湖、コニストンの桟橋、そしてオールド・マン (このあたりで一番高い山)が一望できる。中に入っていくといかにも農場のおばさん、という感じのちょっと太ったランドレディー、から名前も何も聞かれずに、はい2号室ね、と鍵を渡される。泊まるのが初めてだと言うと、中を案内してくれ、多分アーサー・ランサム・クラブのメンバーであろう日本人のハリ・ハウでの結婚式の写真を見せてくれる。部屋はなかなかきれいであった。ただしドアノブが半分壊れかかっているのと、鍵を開けるのに、こつが入る。鍵を渡してくれるときに教えてくれたのだが、ちょっと手前にドアを引いてから開けると開けやすい。実際にしてみて、なるほどこの事を言っていたのかと納得する。
- Swallows and Amazons Cruise (Coniston)
コニストン湖を周遊するクルーズの一つに S&A Cruise という、ランサム関連の場所を見て回るものがある。これはランサムファンにはとても嬉しいものである。早めにコニストンの桟橋に行くと、スチームボートのゴンドラが動いていた。時間まで桟橋で湖を見ながら過ごす。小さな子供は湖の中にばしゃばしゃと入っている。やがて昨日お会いしたPさん一家がやってくる。船に乗り込む。船名はラスキンであった。出発ぎりぎりになって、マンチェスター在住のランサマイトであるOさんが飛んでくる。
船に乗っている半数が日本人であった。船はまず北に向かい、Bank Ground Farm、ハリ・ハウを見る。そしてヤマネコ島へ向かう。途中ランサム・シリーズに関する質問を船長さんがする。時々日本語での答えがわかっているのに、英語が出てこないという事があり、悔しい思いをすることがあった。途中でBrantwood に上陸して、なんと入らなかったティールームでお茶であった。おいしいスコーンと紅茶で休憩する。またロープの結び方の実習もあり、なかなか面白い。やがて灯台の木のあるヤマネコ島に近づく。ヤマネコ島の秘密の港!実在するとは夢にも思わなかった場所を見る。次回はボートを借りて上陸を試みたい。クルーズの終わり頃になって雨が降り出し、屋根のある船内に入る。いろいろと本に出てくる場所を見ることができて大満足のクルーズであった。
- Bank Ground Farm (Coniston)
7月30日(月)とうとう湖水地方最終日である。ここでの朝食は8時半からであり、その前に散歩をする。湖まで降りていく。すると、途中でぴょんぴょんと跳ねていく動物がいるではないか、うさぎである。やはり身近にいるんだ!と感動する。しかし動きが素早く、写真には撮れなかった。湖のそばまで行き、ここからツバメ号は出帆していったのかと、思いをはせる。またロジャはどのあたりを間切って農場に行ったのだろうかとと考える。農場まで登っていき、あたりをうろついていると、またうさぎを見る。どこに住んでいるのだろうかと疑問に思う。最後に記念のハリハウTシャツを買い、Bank Ground Farmを後にする。
- 犬小屋探索・その2 (Coniston 湖東側)
まず犬小屋探索を再び行う。地図を見て考えた結果、やはり最初の道で正しいと考えてもっと上まで登ることにした。今度は登り口に車を止めて、登っていく。しばらく登っていくと道が川になってくる。15分ぐらい登ると川を横切って(ここから道に水があふれていた)、その奥、道の左側に小屋が見えた。この風景は、まさしくランサムの挿し絵そのままである!もう一回探しに来た甲斐があったものである。小屋の入り口には TARS(The Arther Ransome Society)のプレートがはめてあった。
- オールド・マン(カンチェンジュンガ)登山 (Coniston)
次はオールド・マン、ランサムの話ではカンチェンジュンガという名前ででてくる山へ向かう。中腹までは車で登り、少し楽をする事にする。山の方へ細く急な坂道を車で上がっていく。この入り口が本当にここで良いのかわからなくて、降りてきた登山者に聞いて確かめる。対向車が来たらどうしようかと思いながら行くが、無事に駐車場に着く。皆ここまで車で来て、ここで着替えてキャンプ用具などをかついで行くようである。時間の関係上、山頂まで行く余裕はないが、途中行けるところまで登ることにする。最初は比較的なだらかな道を行く。既にここからでもコニストン湖の眺めは素晴らしい。コニストンの街から上がってくる道と出会うまで15分、ガイドブック通りである。ふもとから登ってくるのは結構大変そうである。しばらく行くとだんだんと道が急になってくる。山も岩山であり、日本では見ないような風景である。途中鉱山か、スレートの切りだし場の跡を通る。切り出したスレートが山になっているような感じの所をさらに登っていく。low water (?)が見える所まで登り、眺めも良いので休憩をして、残念だがここから引き返すことにする。石を登頂記念に持って帰る。そしてついに湖水地方から帰る時がきた。コニストンからアンブルサイド、そしてウインダミアを通って帰途に着く。もっとゆっくりと滞在していたいものであった。次回はやはりヤマネコ島への上陸を是非とも試みたい。
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