アフタータッチとピッチベンド

シンセサイザキーボードの中には、押した鍵盤をさらに強く押し込んだり、 水平方向に揺らせたりすることでビブラートやトレモロ、グロールなどの効果をつける機能を持ったものがあります。 この機能をアフタータッチといい、キータッチ後の動作を示すメッセージで、鍵盤などにつけてある圧力センサで検出した圧力値などを送出します。
ただし、アフタータッチの効果は、受け取り側(スレーブ機器)の機能や設定にまかされているので、 まったく同じ効果になることはほとんどありません。また、圧力センサの不安定さなど扱いづらい側面があるのであまり使われることの無いメッセージです。
また、アフタータッチとは別に発音される音に対して演奏効果を付加するものとしてピッチベンドチェンジがあります。

アフタータッチについて、MIDIではチャンネルプレッシャとポリフォニック キー プレッシャの2種類のメッセージが用意されています。


ポリフォニック・キー・プレッシャ



ポリフォニックキープレッシャでは、鍵盤ごとに独立したアフタータッチ情報の扱うことができます。 ポリフォニックキープレッシャの情報量は非常に大きく(押している鍵盤の圧力が変わるたびに 送られてくるため)、多用するとMIDI機器に大きな負担をかけたり、MIDIケーブルを占有して しまうので、まだ一部の楽器にしか対応していません。


チャンネルプレッシャ



一般にアフタータッチといえば、チャンネルプレッシャをさします。チャンネルプレッシャはチャンネルごとに一つのプレッシャ値を送るので、 和音が押さえられたとしてもメッセージはその中の代表値一つだけしか送られません。
メッセージはチャンネルプレッシャを示すステータス”Dn”に続き1バイトのプレッシャ値が出力されます。

ポリフォニックキープレッシャは3バイトから成り、しかも押し込まれている鍵盤ごとに個々のメッセージが出力されるのに対し、 チャンネルプレッシャは2バイトから成り、和音でも一つのメッセージしか出力されません。 したがって、メッセージ全体の出力量ははるかに小さくてすむので、ポリフォニックキープレッシャに対応していないMIDI機器でもチャンネルプレッシャには対応していることがあります。


ピッチベンド・チェンジ



ピッチベンドはシンセサイザキーボードにあるホイールやジョイスティックなどのピッチベンダー情報を送るメッセージです。 ピッチベンドとは音程(ピッチ)を自由にシフトさせることで、ギターのチョーキングや管楽器のしゃくり上げ、スライドのいった滑らかな音程の変化をつけることを可能にします。

ピッチベンドのメッセージはピッチベンドを示すステータス”En”に続き、LSBとMSBの2バイト、あわせて3バイトで構成されます。
ピッチベンド幅はLSBとMSBの2バイトを使って、最大14ビットのデータの下位7ビットをLSBバイトへ、上位7ビットをMSBバイトへ分割して出力します。

たいてい、ピッチベンドデータは10ビット程度以上の精度で運用されるので、1バイトでは表現できません。 そこでデータを上位と下位にわけ、2つのデータバイトに分割して送信するわけです。