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日本式の雇用制度: 終身雇用制度

スワンスダー・ウォンワッチャナ

序論:

 企業が社員を入社から定年までの長期間について、雇用する終身雇用制度は、年功序列とともに、日本経済が最も繁栄した時代から現在まで、世界中から関心を持たれてきた。しかしながら、戦後世界経済のリーダーになっている日本は、急速なグローバーライゼーションの中で行き残っていくため、日本的雇用制度を構成し直すべきかという差し追った問題に直面している。これに関しては本や記事や論文などにさまざまな意見が述べられている。今の全世界的な競争時代にこの制度が障害になっているのか、また、それが日本経済に必要であり、継続されるべきなのかは簡単に言うことはできない。けれども、終身雇用と年功序列の二つ制度になにか変化が起きているとも言われている。このような時代に、日本はどう問題と取り組んでいくのだろうか。本稿では、こうした問題について、資料にあたり、考察してみた。さらに、海外でこれらの制度が実施されているか、また、外国人がそれに対してどう思うのかを解明するため、事例研究としてタイにある日系会社で働く社員を対象にして調査を行うことにした。その結果はこのレポートの最後に記してある。


1.日本的終身雇用制度の紹介

 戦後の混乱期のあと、成長期に入り、日本経済は労働力不足の状態が続き、労働移動率は急激に低下していった。経営者の理念とか組合の交渉力というよりも、その後三年以上も続いた成長と労働力不足の時代が終身雇用制度を生み出したといえよう。終身雇用は日本的雇用制度の特徴であり、日本社会にとっては、年功序列、企業別組合とともに゛三種の神器゛の一つと言われている。実際には終身雇用制度とは、一生ある会社で働くことではなく、長期間継続する雇用の形だと考えられている。なぜなら、日本では、大企業の役員さえ定年制度には逆らうことはできず、60才になると、退職しなければならないからである。


1.1.日本社会における位置:採用から就職まで

 終身雇用は様々な部分からなっている。はじめに、この制度によって入社する新入社員のほとんどは、公的な職業紹介所を通してではなく、大学から引き抜きされている。そして、その人たちは長期間働くことを自分の会社に期待されているとともに、自分でも長期の安定した仕事をすることを希望している。つまり、この制度の下では、長く勤めれば勤めるほど昇進することが半ば約束されており、不況になっても、めったに解雇されることはないということだ。ただし、この制度はパートの労働者や女性を対象としていない。女性はだいたい、結婚したり、子供を生んだりして、転勤できないという事情もあるので、終身雇用制度の対象になっていないのである。終身雇用制度という概念は日本企業の在り様に大きく影響している。新入社員を入れるたびに、会社側は非常に注意深く考える必要がある。なぜかといったら、誤った人材の採用は損失が大きく、正すのは難しいからである。したがって、複雑な過程を経て採用が決められる。一方、新入社員はどの会社に就職するかを決めるのに慎重にならなくてはならない。日本では会社員が途中で大企業を退職した場合、他の大企業に雇われることは難しいらしい。会社側も職員側も終身雇用制度を通してお互いに大切にし合っていることを見れば、双方ともの家族同士のようだと言えるだろう。


1.2.年功序列との関係

 終身雇用制度に密接に関係があるのは年功序列賃金という制度である。龍昇吉は「年功序列賃金とは、職務給と反対の賃金関係で、学歴別に決った初任給を基礎に、あとは勤続年数や年齢によって賃金が上がっていく賃金体系で、日本独特のものと言われている」と説明している。新入社員のほとんどが大学から直接に引き抜きされるので、同期の社員の間に年齢や勤務期間に差が出てこないことから、年功序列は仕事の昇進の速さを決める道具になっている。このようなわけで、年功序列は、社員に長期間同じ企業で働くことを望ませている要因の一つだと言えよう。


1.3.儒教と日本的価値の影響

 なぜ終身雇用制度が以前から大切にされ、存在し続けているか、その理由を考えてみようと思う。周知のように日本はかつて中国から儒教を学んだ。日本経営(特に終身雇用制度)に影響している儒教の教えは、目上の家族に対する疑いのない服従、および、地位の高い者に対する完全な忠義である。日本社会の服従は家族内だけでなく、上司と部下との間にも見られる。社員は自分の会社に従順と忠義の心を持つことのゆえに、できる限り会社のために働いたり、自分の家族のように会社を大切にしたりするのである。


2.制度がもたらした成果

 日本企業の雇用制度に対する評価は、高い評価・低い評価の両極端へ何度か変化してきたことが分かる。日本経済の成長がまだはっきり現れていなかった頃、日本企業とその経営システムは非常に低く評価されていた。会社のためどれだけ頑張って働くかに関係なく定年まで働くことを意味する終身雇用制度と年功序列が原因で、勤勉に働く人が少なく生産力が小さいのだとかつて思われていた。日本はできるだけ早くアメリカ式システムに改めるべきだというのが当時の評価であった。しかしながら、日本経済の成長が目立つようになってからは、このような評価は聞かれなくなってきた。1950年代の半ばからバブル時代までは、日本企業が急速に成長するにつれて、終身雇用制度と年功序列があったからこそ日本は経済的に成功できたのだと評価されるようになった。この制度により社員が多数の先進的な商品をいくつも生産した結果、日本は経済大国となった。アメリカ経営システムより優れていると認められている。

 日本経済の面だけでなく、日本社会にもプラスの効果がみられる。まず、この制度が存在する社員の会社に対する忠誠心は、企業と社員の制度関係を強めているのみならず、安定した「日本会社」として具現されている日本社会の和合を創り出したと思われる。また、終身雇用制度の下では、企業が不況になっても、各社員は入れ替えられる部品としてではなく、重要な人材としてよく保護されている。それは日本企業の独自の価値観であるヒュマニティー(humanity)(Ida1995)だと言えよう。最後に、終身雇用制度に関連した結婚の問題がある。Okada(1996)によると、日本では今会社ではじめて出会って結婚したカップルが増えてきている。プロポーズされた女性が男性を評価して選ぶことは以前よりも簡単にできるようになった。男性が終身雇用制度を採用している会社で働いていることは、女性にとっては重要な条件になっている。なぜなら、女性は長期間ある会社で働き、会社から信頼された男性と結婚するならば、明るい将来が期待できるからである。一方、男性は一生の仕事が保証されているので、他の国の男性と比べると、女性の関心を引きつけるのが容易である。女性が安定した地位を持っている男性と結婚したいということがその理由だと言えよう。

 以上のことを考慮すれば、終身雇用制度は日本社会の大部分にとって昔から役に立つ制度であり、文明社会である日本社会を作った要因の一つだということは否定できないだろう。


3.制度がもたらしたマイナスの結果

 終身雇用制度と年功序列はプラスの結果をもたらすこともあれば、当然、マイナスの結果をもたらすこともあると思われる。本節ではこのマイナスの面について論述する。

 周知のように、現在どの国も全世界的に競争の時代に入っている。したがって、経済の安定性や繁栄は、自分の国だけでなく、全世界と交流することによって作れると考えられる。経済大国になっている日本もその例外ではない。そのため、他の国との競争に勝ち続けたいなら、日本経営の欠点だといわれる終身雇用制度と年功序列を構成し直すべきだと述べる意見も出てきた。

 終身雇用制度と年功序列は、仕事に適していない多数の管理職のためにはなっているが、会社側には悪い結果を生んでいるといえる。なぜなら、会社がもう役に立たない高齢の管理職を雇い続けるのは、資金の浪費になるからである。したがって、企業はたくさんの能力がある若い人を採用することができなくなり、企業としての競争力が弱まってしまう。それに、現在では年功序列とは反対に能力主義を信奉する若い人々が少くない。その人たちは年功序列より自分の能力や才能を発揮できることの方を好んでいる。だから、一生懸命に働いても速く昇進できない若い社員にとっては、この制度はいく分不公平だと感じられるのではないだろうか。そのような不公平さを感じる若い社員たちが自分の仕事を全力でやる気をなくしてしまうことは、企業に損失を与えるおそれがある。

 終身雇用制度がもたらした忠誠心は日本人に悪い影響も与えることがある。自分の家族より会社のことを大切にする日本人が多いと言えよう。そのため、様々な社会問題が起こっている。たとえば、遅くまで会社に残って働き過ぎるのを長期間やり続けて、死んでしまう日本人がたくさんにる。また、家族のための時間が仕事に奪われてしまい、家族に問題を生じさせている。また、一つの企業に勤め続けるにつれて、自分の仕事と企業に対する責任を強く感じるようになる。多くの高齢の管理職社員が自分のミスのため企業に何か損失を与えたことを理由にして自殺してしまうというニュースもときどき聞かれる。


4.今後の変化

 現在、不況が原因で多くの日本企業が終身雇用制度と年功序列を存続させていけないと言われているが、それは事実だろうか。ここでは、調査や意見やニュースなどを参考にし、それを確かめてみたい。

 Aridome(1995)によると、今多くの企業では、多数の新卒者を採用し、仕事の内容を深く理解してもらうために行う研修にたくさんのお金を使い、そのような投資からの見返りを望むということをやめて、かわりに中途採用者やパートの労働者を採用することにしている。また、企業は解雇しやすい中間管理職社員よりむしろ若い社員のほうを雇っていくだろうと考えられる。終身雇用制度と年功序列を信頼しない若者たちが日本では多くなってきているのだ。

 龍昇吉(1996)はこれについて、次のように指摘している。

 このような、中高年の出向などが増える一方、パートやアルバイトが増加する状況は、「半身雇用」とも呼ばれ、終身雇用制度は確実に変質しつつあると言えよう。特に、1970年代の減量経営による人減らしは、この終身雇用制度にも大きな影響を及ぼした。経営者側は、終身雇用の枠内に入れる労働者を小数精鋭主義の名のもとでスリム化した。このことから終身雇用制の枠内に生き残るための企業への忠誠心をめぐる労働者間の競争は激烈なものにならざるをえなかった。

 以上のさまざまな意見を支持するような具体的な調査結果を挙げてみよう。

 労働省が5月1996年行った調査によると、18.9%の企業が「終身雇用制度が大切だ」と回答している。この数字は1993年を12.9%も下回っている。一方、50.5%の企業が終身雇用制度を採用していない。

 また、総理府が20才以上の人を対象にし、1995年10月に調査を行った。その結果37.8%の人が終身雇用制度に賛成したが、11.1%の人が反対している。さらに、63%の人々が年功序列をやめて、能力で給料が決まるシステムに変えるべきだとしている。

 もう一つの例を挙げると、足利銀行が栃木県で517人の新入社員を対象にし、調査を行なった。「私はこの会社に必ず定年まで働き続けるつもりだ」と答えた人は517人のうち16.3%しかいない。このように、日本はバブル経済崩壊以降、企業の規模が小さくなり、経営システムが急速に構成し直されていると同時に、終身雇用制度が次第に崩壊してきているということも明らかである。この足利銀行の調査から分かるように現代の若者が終身雇用制度に対する望みを失い、50%弱の女性が結婚や出産のときになって仕事を辞めているということは、終身雇用制度に変化が起きていることを示すよい例であろう。

 ところが、他の調査結果をもとに、終身雇用制度は継続されているのではないかという意見を述べる人もいる。Okada(1996)は、経営者と社員、特に、熟年層は、この制度が継続されるべきであり、日本社会に存続していくはずだということを現れている調査の結果をまとめた。この例はリクルート社が1995年末行なった調査である。これによると88.1%の企業が「終身雇用制度を存続させていく」と答えた。同じ質問に対する1993年の結果は89.2%であったので、それを1.1%しか下回っていない。また、第一勧業銀行が中年経営者を対象にアンケート実施した。その結果、ほとんどの人(90%)が「終身雇用制度が続いていく」と回答した。そして、65%は個人の能力によって給料を決めるべきだという考えを持っている。

 以上の例は日本では終身雇用制度が崩壊していないということを示している。けれども、これらの例に対する次の意見とニュースを検討してみれば、終身雇用制度が現実に転換期を迎えているということがいえよう。

 Kato(1993)は終身雇用制度と年功序列が変化しているかどうかという問題に対し次のような意見を述べている。

 日本的経営システムが崩壊し始めたということは事実である。日本社会の約25%が変わったら、それは、日本社会全体が変わったに等しい。終身雇用制度が日本の企業から25%なくなったら、激しい転換になっているだろう…。現在の不況は日本社会のインフラストラクチャーを構成し直すよいチャンスなのではないだろうか。

 現在、社員たちは、次々と起きる大企業の倒産の問題に直面しているため、自分の仕事に対する不安がますます増えてきている。そこで、会社だけに頼ることができなくなり、自分自身のことのほうに心を向けるべきだと考えるようになった社員が多くなっている。具体例を挙げれば、会社のことだけに専念するという終身雇用制度の価値観が山一証券の事件に動揺を与えられているということである。(Japan Times Weekly International Edition 1997年12月29日〜1998年1月11日 pp.10〜11)

 以上のように、さまざまな例をみれば、終身雇用制度と年功序列が転換し始めているということは否定できない。中でも、多数の企業が下降している景気を回復させるためにまず終身雇用制度と年功序列から変え始めたということは注目すべきことである。


5.タイに進出している日系会社の終身雇用制度調査結果

 筆者は、1998年1月、バンコクの日系会社で働いているタイ人25人を対象に、「終身雇用制度と年功序列に関する調査」を行なった。この調査は、タイの日系会社が日本国内と同じように終身雇用制度と年功序列を採用しているか、また、タイ人社員たちが終身雇用制度と年功序列についてどう思っているか、ということを調べるために行なわれたものである。バンコクを選んだ理由は、終身雇用制度と年功序列を採用している日系会社のほとんどがバンコクに集中していることである。調査の方法は、様々な日系会社で働いているタイ人にアンケート用紙を渡し、記入してもらったその回答と意見を資料として用いている。

 この調査のうち、終身雇用制度と年功序列に対する考え方と知識に関しては、表1のような結果が出た。

 〈企業が終身雇用制度を採用しているか〉については「はい」と答えたのは8人、「いいえ」と答えたのは7人であるが、〈企業が年功序列が採用しているか〉に対する答えは「はい」が15人「いいえ」が9人、無回答が1人である。この結果を見れば、終身雇用制度が年功序列ほどたくさんの会社で採用されていないということが分かる。その他、〈終身雇用制度を採用している会社で働きたいかどうか〉については、19人が「はい」、6人が「いいえ」と答えたが、〈年功序列を採用している会社で働きたいかどうか〉については、14人が「はい」、11人が「いいえ」と回答した。これを見ると、終身雇用制度は認めている人が認めていない人よりも圧倒的に多いが、年功序列を望んでいる人といない人の数はそれほど差がないということがわかった。

 最後に、〈仕事を探す時に、どんな条件が重要だろうか〉という質問では、答えを三つ選んでもらったら、回答は、多かったものから順に第1位が「給料」で22人、第2位が「会社の安定性」で、18人、第3位が「福利厚生」で11人である。「自分の専門性を発揮できる」という答えは4番目なっているが、10人もの人がそれを選んだ。これとは対照的に、終身雇用制度と年功序列を選んだ人はそれぞれ2人と1人しかいなかった。

 以上のことからまとめると、終身雇用制度と年功序列は上に述べたとおりあった方がいいとは考えられているが、重要さは意外に小さいようである。なぜこのような結果が出たかは、次節に記すことを考慮してみれば、明らかになるだろう。

質問の回答と調査結果(表1)

1.あなたが現在勤務している会社では終身雇用制度を採用していますか。
はい  =  8
いいえ = 17
2.あなたが現在勤務している会社では年功序列を採用していますか。
はい  = 15
いいえ =  9
無回答 =  1
3.あなたは就職するとき、終身雇用がある会社で働きたいですか。
はい  = 19
いいえ =  6
4.あなたは就職するとき、年功序列がある会社で働きたいですか。
はい  = 14
いいえ = 11
5.あなたは仕事を探すとき、どんな条件が重要ですか。3つ選んでください。(かっこ内の数字は結果の順位)
(1)給料               = 22人
(4)自分の専門を発揮できるかどうか  = 10人
(5)会社の名前            =  2人
(3)福利厚生             = 11人
(5)終身雇用が採用されているかどうか =  2人
(6)年功序列が採用されているかどうか =  1人
(2)企業の安定性           = 18人
(−)その他

 なぜ終身雇用制度を採用している企業の数が少ないのか、また、なぜ調査に回答してくれた社員たちが終身雇用制度と年功序列をあまり大事に考えていないのかという質問は、調査で出てきた意見や表2で答えが明らかになるであろう。

 調査対象者の意見から、タイにある日系企業が終身雇用制度を採用していないーつの理由は、タイ人の社員が自分の会社に対する忠誠心や会社の仕事に専念することが日本人より少いことだということが分かった。実際、他の会社から、もっといい条件を提示されたら、今の仕事をやめて、その会社に移ることにする人が少くない。また、タイで現在起こっている景気後退のせいで、多くの日系企業が能力のない社員を雇い続けていくことができなくなっているという点もその理由だと言えよう。

 今回の調査結果を見ると、タイ人社員たちは終身雇用制度と年功序列にもかかわらず、それをあまり大切にしていないということが分かる。調査からは表2のような結果がでてきている。「働いている会社の終身雇用制度と年功序列とはどんなものか」については最も多くの人が挙げたのが「自分の専門の知識や能力を発揮させない」で13人、次いで「忠誠心を育てる」が10人となっている。また、9人が「仕事や昇進が保証される」と認めているが、それに対し、8人が「社員には不公平だ」と判断した。なお、「日本人の同僚はこの制度の下ではあなたと平等かどうか」については、平等だと思っている人は9人、不平等だと思っている人が14人おり、2人は分からないと答えた。どんなところが不平等かという質問に対しては、多くの人が給料、福利厚生、能力を発揮する機会、仕事の上で決定権、昇進の機会などと回答した。不公平を感じている人のなかには、「日系企業では日本人が管理職になっており、タイ人はだいたい一般の職員にしかなれないので、あわゆる面で日本人社員の方が有利だといえよう。」という意見を述べた人もいる。

 以上のことから、景気の低迷が長期化する中、タイ人社員の多くが自分の仕事が保証されられるという理由で、終身雇用制度と年功序列を望んでいる、ということが言えよう。ところが、制度の欠点や不公平などを見れば、日本式の制度の良さを認めている者さえもそのような制度があっても楽観視できないと考えているということは否定できないだろう。

表2

1.あなたが働いている会社の場合、終身雇用制度と年功序列の制度とはどんなものだと思いますか。○を付けてください。
(4)社員に不公平だ          =  8人
(3)仕事や昇進が保証されている    =  9人
(7)同僚の間の競争率を高める     =  1人
(6)女性に対して不公平だ       =  3人
(5)古いイメージがする        =  6人
(2)忠誠心を育てる          = 10人
(1)自分の専門性を発揮させない    = 13人
(かっこ内の数字は結果の順位)


結論:

 以上本稿では、現在全世界的な競争時代だということを考慮しながら、日本的雇用制度の特徴である終身雇用制度と年功序列の実態を検討した。その結果、多くの日本企業がグローバライゼーションと景気の後退の時代に行き残っていくために終身雇用制度と年功序列を変え始めたということが明らかになった。さらに、事例研究としてタイの日系企業における終身雇用制度と年功序列の情況について調査を行った結果、多くのタイ人の社員はこれらの制度に関心を持っているが、日本人ほど大切に考えていないということが分かった。今回の論文では、紙幅の関係上、このような経済低迷期に日本企業が終身雇用制度と年功序列をどれだけ転換していくべきか、また、アメリカ式経営システムに変えることを迫られているということが多数の日本企業にとって簡単に認められないのではないかという点についての考察を含めることができなかった。今後の課題として検討していきたい。


参考文献:

Aridome, O. (1995) " Signs of "Japan pessimism" Part 1: Collapse of lifetime employment", web page, http://www.smn.co.jp/forum/0049f01e.html

Arther M. Whitehill (1991) " Japanese Management. Tradition and Transition", Routledge

Frank Gibney Jr. (1998) " Death of a Salaryman" , Time. 151(6), pp.18-20

Hori, T. (1995) " Japanese business operations 'Facing a Crisis - A Counter Argument to 'Another Look at Japanese Business Operations', by Tsuneo Ida(No.20) ", web page, http://www.smn,co.jp/forum/0022f02e.html

Ida, T. (1995) " Another look at "Japanese business operation", web page, http://www.smn.co.jp/forum/0020f01.html

Japan Times Staff (1997-1998) "Bad news on the door step: Japan's top stories of 1997", Japan Times Weekly International Edition, December 29 -January 11, pp.10-11

Kato, H. (1993) " Whiter the Japanese Economy"(interview), Pacific Friend. 21(1)

Min Chen (1995) " Asian management system. Chinese, Japan and Korean Styles of Business" , Routledge.

Nakamura, K. (1996) "Going Global", The Japan Times Ltd.

Okada, M. (1997) "Lifetime employment. Is the traditional empolyment system fading out? ", web page, http://www.dtinet.or.jp/`ja1rna/employment/empolyment.html

Robert M. Maresh and Hiroshi Mannari (1976) "Modernization and the Japanese Factory", Princeton University Press.

龍 昇吉 (1996) 「日本経営システムの転換」, web page, http://www.ritsumei.ac.jp/kic/kiseon/kiso/4-1.html


改訂履歴
1998/03/15
タイプミスを訂正しHTMLファイル化してアップロード。


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