


神戸市消防局の元航空隊長、定岡正隆氏は本頁既報のとおり、去る6月11〜13日モントリオールで開催されたAHSインターナショナル(国際ヘリコプター学会)主催の年次学術総会「フォーラム58」の表彰晩餐会(Grand Awards Banquet)で「会長賞」(Chairman's Award)を受賞しました。受賞の内容は、阪神高速道路におけるヘリコプター救急など、氏の長年の防災救急活動に対するものです。
(定岡さんの受けた賞状)この受賞について、産経新聞(2002年6月7日付)は事前に、定岡さんの写真と共に次のような記事を大きく掲載しました。
ヘリ救急搬送に光 神戸市消防局の元操縦士
国際学会が特別表彰へ
日本人初、本紙報道がきっかけ神戸市消防局の元ヘリコプターパイロット、 定岡正隆さん(60)が6月12日、カナダ・モントリ オールで行われる国際ヘリコプター学会(AHSインターナショナル)で会長特別表彰される。日本人では初めての栄誉。きっかけは、昨年三月に起きた阪神高速上での事故でヘリから医師を道路につり下ろした瞬間をとらえた本紙報道で、日本では遅れているへリによる救急活動での貢献が認められた。定岡さんは「国内でもヘリの救急活動が社会的に容認されるようになってほしい」と話している。
定岡さんはパイロット歴約35年の大ベテラン。昭和48年に神戸市消防局に入り、消防航空隊長、消防機動隊長などの要職を歴任した。 へリでの活動は当初、山火事などの災害支援がほとんどだったが、定岡さんが救急活動での活用を働きかけ、平成3年、同市消防局が独自にへリによる救急搬送基準を定めた。 しかし、すぐに定着したわけではない。7年の阪神大震災では発生直後からヘリを待機させたが、わずか数件しか出動要請がなかった。本格的に動きだしたのは震災から4日後。へリ出動についての消防局員らの理解不足が原因だった。
「日ごろ使っていないシステムは、緊急時には役立たない。震災当日から動いていたら、と思うと悔しかった」。この教訓から、ヘリの活用が消防局員に浸透。昨年の出動件数は264件と、震災前の2倍以上に伸びている。
12年5月には、同市内の高速道路トンネル内で起きた交通事故で、救急搬送のためヘリが高速道路上に着陸。また、昨年3月には、阪神高速で交通事故が発生。渋滞で救急車が現場に到着できないことを知り、医師をへリで事故現場に下ろした。この様子を本紙が写真入りで報道して大きな反響を呼び、AHS関係者の自にとまったという。
ヘリによる救急活動に詳しい地域航空総合研究所所長で日本航空医療学会理事を務める西川渉さんによると、救急などでヘリの出動件数(年間)は、米国で約30万件、ドイツで6万件。一方、日本ではわずか約1,400件しかなく、西川さんは「海外では、へリが救急車のように使われている。日本でもヘリによる救急活動を整備すべき」と指摘する。
今年3月、市消防局を定年退職した定岡さんは「世界では緊急事態が発生したとき、市街地の道路上でもヘリが着陸しています。日本は遅ればせながら、ようやく世界の仲間に手をかけた感じ。日本の救急活動に一石を投じたかたちになったので、後輩に頑張ってほしい」と話していた。
(6月12日表彰晩餐会の壇上でAHSジョン・マーフィ会長から賞状を受ける定岡氏)
(舞台の袖でAHSレット・フレイター理事長と)(AHS Japan、2002.6.21)
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