『邯鄲の夢』が実際にあったという希有の記録
2003年11月8日作成

◇ index
  1. 邯鄲の夢
  2. ある兵士の戦地での体験
  3. ある少年の体験

◇邯鄲の夢

『邯鄲の夢』は中国の古い物語りです(沈既済撰『枕中記』)。 さっとこんなストーリーです。

盧生という貧乏な青年が都での栄達を求めて旅をしていた。 その途上の邯鄲という町で昼食をとろうと一軒の店に入った。
その店の老人が粟が焚けるまでまで、一休みするようにと枕を 枕を貸してくれた。この枕で休むと栄華が意のままになると言いながら。

若者はその枕で夢を見ていた。都で地位、名誉、財産を得て暮らすという 50年にもおよぶ長い夢だった。ふと目を覚ますと、炊きかけていた粟がま だ煮えないほどの短い間の事だったと知る。

その老人は呂翁という仙人だ った。青年は人生の儚さを知って故郷に返ることにした。

この『邯鄲の夢』は物語りであって、現実にはありえないと普通は考えます。 ところが、これと全く同じことが現実にあったという希有の記録があります のでご紹介します。


◇ ある兵士の戦地での体験
 さて、われわれは定められた山の斜面に、体を横たえて雑談したり、瞑想にふけって時を
すごし、今夜の乗船を、ある種の期待と不安が交錯した複雑な心理状態で待っていたが、夕
方近くになって、乗船は一日延期の指令が出たので、そのままこの地に野営することになっ
た。
 乗船が一日延期となると、寿命が一日のびたような安堵感が胸を横切る。日本の船に一刻
も早く乗船もしたいが、その反面、死にたくもないし、といった奇妙な感じである。
一日延期したための野営は、べつに苦とするところではないが、折悪しく、夜に入り雨が
降りだしたのには参った。このときは、われわれは寝具はもちろん、天幕も、雨具も、今朝、
落葉の中に埋めて処分した後なので、だれも持ち合わせがなく、みな雨にふるえながら、膝
をだいて適当に凌ぎるを得なかった。しかし、幸いに、夜半になって雨はやんだ。
 私は寝られぬままに、これからのことなどについて、憶測にふけった。われわれは明日こ
そ乗船して、後方の敵の退路を遮断するというのであるが、こんな体では、とても生きのび
るとは考えられもしない。今日まではこの島の苛烈さによくたえたが、今度はどうにもなら
ぬような気がする。自分の生命も、いよいよ三十三歳の生涯をとじるのか。何事も運命だと
思えば諦めもつくが、ただひとつ、故国の二児に会えずに死んで逝くのは、なんといっても
残念である。しかし、もう事ここにいたっては、万事がおしまいとなった。こうなっては、
死んで霊魂のあるものならば、魂だけでも帰国して、彼らに会いに行こう。
 死! 死! もう前途にはこれだけが待っている。

 ふと、目がさめた。まだ暗闇である。少しまどろんだようだ。その時間はどれくらいであ
っただろう? 数分間の短い時間のようでもあり、また、二、三時間くらであったような気
もする。
 その間のことであった。私は、かつて一度も経験したことも、他人から聞いたこともない
ような、驚くべきことを経験した。それは、だれに言っても信じてもらえないかもわからな
いが、自分の意識の中には、たしかに在ったことなのである。
 それというのは、その、うとうと寝た間に、自分のいままでに至る一生涯の生活全部を、
夢の中に見たということである。一生涯の生活全部とは、その字のごとく、本当に生まれて
からの全部である。
 それは、自分の記憶の中にある過去のこと全部――というような簡単なものではなく、い
ままでに、自分の意識に一度も浮かび上がったこともないような過去の情景が、さかんに出
て来たのであるから驚きである。
 自分の意識に一度ものぼったこともない情景の展開であるが、確かに、それは自分の過去
の真実の姿である。善きことにしろ、悪しき(好まざること) にしろ、自分のやったことに
は違いない事実なのであった。
 それが順を追って、幼時から現在までの一部始終を、じつに克明に見せつけられたのであ
る。あの雨にぬれた砂砂利肌の山の斜面に横たわる、わずかなまどろみの時間に、自分の一生
涯が走馬燈のように、夢の中につぎつぎと展開したのであった。
 これは、当事者の私としては、形容を絶した驚異そのものであった。いったい、こんなこ
とがあるものだろうか。いままで、だれからも聞いたこともないようなことだが……。
 いまのこの自分に、なぜに起きたのであろうか?
 まだ夜も明けぬ暗闇の中で考える。たしかに自分の踏んできた厳然たる事実が、自分の脳
裡に、つぎつぎと展開したということは、なんと説明したらいいのだろうか?
 貧弱な頭ではまとめもできない。
 これは、目前にせまった死を強く意識し、自分の一生涯の長さを限定せざるを得ぬ羽目に
たちいった結果、その追いつめられた想念のあがきが、こんな情動をもたらしたのではない
か――と思ったりしてもみた。
 私はこのことを通じて、人間というものは、その死の瞬間には、自分自身の全生涯をその
観念の中に見るのではないかと思えてきた。そしてこれは、人によっては、そこに死の瞬間
の安らぎがあり、またある人にとっては、苦悶の姿になるのではないかと思う。
引用は下記の 446ページです。
文庫本:『ガダルカナル兵隊戦記』
一九九九年一月六日 印刷
一九九九年一月十二日 発行
著 者 牛尾節夫
発行者 高城直一
発行所 株式会社光人社
ISBN4-76980-2221-9 CO195

単行本 昭和57年7月 光人社刊 原題「神を見た兵隊」

◇ ある少年の体験

以下は、気絶している数分間の間に、この地上世界とは異なる別世界で数世紀の 生活をしていた(あるいは、その記憶を思い出した)という体験(?)の例です。
  Another experience happened when I was a little
older, perhaps fourteen or fifteen. I used to have playful
wrestling matches with two other boys. One day we were
talking about wrestling, and got on the subject of the
world-famous wrestling hold called "the sleeper hold."
The hold would knock an opponent out by cutting off
blood circulation to the brain. Anyway, we all wondered
what it would be like to be knocked out. FD was the
strongest of the three and the third boy was afraid, so I
agreed to let FD knock me out with a bear-hug.

  We went outside and he gave me the strongest bear-
hug I've ever experienced. I couldn't breathe and soon
became unconscious. It was like waking from a dream;
this world was a dream and I awoke to a reality more real
and vivid than this world was. I saw the illusion of this
existence on earth dispelled! It faded away and I didn't
regret it. Soon I found myself in the "real" world in a huge
city that I already knew.

  My memory seemed to return-yes, I had gone to
sleep and dreamed ofa litde place called "earth" and now
I I was awake. "That was a silly dream," I thought, and I
soon forgot all about "earth." I continued my life, just
like it was before I fell asleep. I lived in that fantastic city
for years and years-centuries it seemed. I lived there so
long that I completely forgot about earth. For hundreds
of years I had forgotten earth. If someone asked me about
it, I couldn't remember, since I had left it so long ago.

  Then one day I was walking to a store. Suddenly I
became confused, losing my sense of direction, and I felt
myself falling. Abruptly I opened my eyes only to see
strange leaves, the sky, and FD and the other boy looking
at me! Where was I now? How did I get here? What
happened? Then I remembered: hundreds of years ago,
I fell asleep and found myself here. This place was called
"earth" and was a part of a weird dream. I must have
fallen asleep again. Slowly my earthly memory returned.

  I asked the boys how long I had been unconscious. They
said only a few minutes. They asked me what happened,
and I told them I didn't want to talk about it.

引用は下記の 25ページです。
"Out of Body Experiences"
1997: Robert S. Peterson
Hampton Roads Publishing Co.,Inc.
ISBN 1-57174-057-0


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