UFO コンタクティ、ビリー・マイヤーの嘘

2003.11.8



UFO コンタクティであるビリー・マイヤーの主張は全くのデタラメ、嘘であることを知らない方も多いようです。これまでのマイヤーに対する批判者は彼の撮影した写真、フィルムを分析した結果からデタラメと判断しているものが多いようですが、素人には分析の内容がわかりづらいのも事実です。

そこで、以下ではマイヤーの撮影した写真、フィルムではなく、彼の発言の内容そのものに含まれる矛盾、虚偽から彼の嘘を具体的に暴いてみます。

まず最初に小学生にも納得できるような単純かつ決定的な矛盾を指摘します。マイヤー(のコンタクトした宇宙人)は次のように述べています。

---{
今日のキリスト教的時間に換算すると、ノアの洪水は(1975年の)1万79年前に起こ
ったのです。
 一個の巨大な彗星が地球を軌道から追いだし、地球の公転軌道と周期を変えて
しまったのです。その結果、地球に大惨事が起こったのです。その当時地球の一日
は40時間以上にもなり、今日のように太陽は東から昇りませんでした。大洪水の後、
公転周期と軌道の変化は二度地球を襲いました。
---} 『宇宙がくれた21世紀の聖書』64ページ、大高良哉著 徳間書店(1989年2月)
   (以下特に言及しない場合はこの本からの引用)

---{
キゼーのピラミッドは7万3300年位前琴座のある星がカニ座の位置にあっ
たときにある目的で建設された。そして大洪水の300年前の1万400年頃
に放棄されたと言う。
---} http://homepage2.nifty.com/motoyama/past.htm

整理します。マイヤーは

(a)約1万年前に地球は(太陽の昇る方向が変わるくらい)自転方向が大きく変
  化した。
(b)ピラミッドは7万年前以上昔に建設された。

と言っています。さて、ピラミッドの方角が正確に東西南北を向いていることは有名です(方位の誤差は最大でも 0.1 度)。そして東西南北は地球の自転方向に基づいて決められます。

マイヤーの主張が正しければピラミッドは建設時の7万年前には東西南北を向いていなかったことになります。そして、1万年前の彗星の引力で地球の自転方向が大きく変化した結果、ピラミッドが誤差0.1度で正確に東西南北に向くようになったことになります。このあまりにも不自然な偶然を信じないとマイヤーの主張は成立しません。小学生でも嘘だと納得するでしょう。

ですが、マイヤーを信じたい大人はまだ納得しない可能性があります。予想される反論の一つはこうです。地球の自転方向は正確に 180度だけ逆転したのだ、だからピラミッド建設時も正確に東西南北を向いていた…と。しかし、それではピラミッドのあの長い参道やピラミッドより古いスフィンクスが太陽の沈む方角に向かうように建設されていたことになってしまいます。当時、西方浄土信仰でもあったのでしょうか。

そもそも接近した彗星の影響で地球の自転方向が変化したり、まして停止や逆転するのは運動力学的にありえない事です。彗星が(ロッシュの限界の外で)どれほど地球に接近して通過しようと地球に潮汐力以外の回転モーメントを与えることはできませんから。

彗星と地球の間の引力は、マントルに対する潮汐力で自転方向が逆転するほど大きくはなりません。その遙か前に地球の公転軌道が顕著に変化しています。

試しに、潮汐力が働くよう短い鉄棒を天井から紐でぶら下げ、緩やかに公転させて見ましょう。磁石をその鉄棒のすぐ側を通過させて鉄棒に自転方向の回転を与えようする場合を考えればわかります。鉄棒が自転する前に磁石の力で大きく公転軌道が乱されます。

潮汐力は距離の3乗、引力は距離の2乗で弱くなるように作用するため、潮汐力(自転に作用する力)は引力(公転に作用する力)に比べ格段に弱いのです。


木内鶴彦氏の臨死体験に関する検証でも詳しく述べましたが地球の公転軌道や自転周期の顕著な変化はここ25万年の間は見つかっていません。一万年前にそのような大惨事があれば生物の瞬間的な大絶滅の痕跡が見つかっている筈ですがそれもありません。

世界各地の鍾乳洞の壊れやすい石の柱(数十万年以上かかって生成されています)が自転の停止・逆転がなかったことを如実に証明しています。

さらに言えば、万一なんらかの原因で自転が逆転したなら流動体である下部マントル層や外核層の巨大な角運動エネルギーで地殻は全て破壊されるでしょう。衛星イオの場合、木星からの僅かな潮汐力の変化で活発な火山活動を生じていますが、地球の自転の逆転ともなれば全生物の絶滅はおろか地殻そのものがマントルの中に消え去る筈です。


他にもマイヤー(のコンタクトした宇宙人)がデタラメなことを言っていますのでそれらを見てみます。

月が地球に捕獲された時の状況は次のようだったと言います。
---{
 太陽系の内輪に入ると、小天体はすでに破壊されたいくつかの惑星の断片と衝
突し、大きな火口をつくりました。その結果、小天体の航路はさらにわずかながら
変化し、すでに原始的生命が芽生えていた第二惑星の軌道に平行して航行するこ
とになりました。
 この第二惑星は、大きな海が多く、原始林が密生し、危険で無慈悲で驚異に満ち
た原始世界でした。この時点から34日経過したとき、小天体は第二惑星に追いつ
き、その軌道に捕えられたのです。
  第二惑星すなわち地球は、この小天体を引きとめて、新しい衛星として自己
の周りを回転させる力を十分にもっていました(その当時第二惑星の楕円軌道は
たえず変化していました)。
 それ以来、小天体は地球の周りを月として回転しているのです。
---} 78ページ

ここで地球が第二惑星なのは当時、金星がその位置になかったとされているからです。月の捕獲はごく最近、100万年〜23万年以内だと言いながら(時代の明確な記述がないため幅が生じる)当時の地球は

・すでに原始的生命が芽生えていた
・原始林が密生し、危険で無慈悲で驚異に満ちた原始世界

と述べています。100万年前〜23万年前といえば既に原人や旧人類がいる時代ですがマイヤーにとっては数億年前の原始世界と同じイメージしか浮かばなかったようです。

---{
 三つの惑星とは、マローナ、地球、火星であった。23万年前の三惑星は荒涼として
危険な状況にあったのでいったん立ち去ったが、地球に原始的な知的生命が活動
しはじめたころ、彼らほ再び地球にやってきた。
---} 106ページ

23万年前は荒涼としていて、まだ原始的な知的生命が活動していなかったと言います。しかし明白に自己矛盾しているのはマイヤーが

---{
 マイヤはわれわれの「日本人のルーツを知りたい」という希望に応えて、直接
プター(セムヤーゼの父で宇宙母船の最高司令官)にテレパシーで尋ねてくれた。
そのためプターはわぎわざ「過去旅行」のために宇宙船を飛ばして、地球の500〜
600万年前まで遡り、その当時すでに日本人が地球に生活していたことを確認し、
日本人発祥の惑星を探し出してくれた。
---} 38ページ
とか、

---{
 宇宙人たちは宇宙の誕生は約47兆年前であると考えている。私たちの太陽が
球形に形成されたのは1兆7300億年前で、地球が塵雲から形成されて同じく球形
になったのは6460億年前、そして表面が硬い状態になったのは460億年前であっ
たという。そして60億年前に人類がこの地球上に発生した……。
---} 96ページ

と主張している点です。僅か23万年前に原始的生命が芽生えたばかりなのに、人類は60億年前からいた、500万年前には日本人がいたと言います。年表を作らずにでまかせの嘘をつくとこうなるという見本です。


---{
 この太陽は自己崩壊しましたが、そのとき、宇宙空間に穴ができました。この太
陽の物質は巨大な力のために自ら圧縮して、小さな固まりになりました。その太陽
は通常の状態で直径が1100万キロメートルあったのが、縮小したときはわずかに
4.2キロメートルになっていたのです。
 こうして圧縮された物質ほわずか一立方センチメートルの重さが、数千トン以
上にもなりました。それ以来、それはぽっかり口を開けた暗黒の穴として、宇宙に
漂うことになりました。
---} 70ページ

まず「一立方センチメートルの重さが、数千トン以上」では全然駄目です。数値が5桁も間違っています。正しくは一立方cm あたり中性子星でも10億トン、ブラックホールでは100億トンになります。これでは100億円の金持ちに対して数千円以上の金を持っている、と言うようなものです。

次に圧縮後の直径(=シュバルツシルト半径*2)が4.2km というのも1桁小さくて駄目です。シュバルツシルト半径は質量に比例します。我が太陽ですら計算上ではその直径は 6km になります。ブラックホールならば太陽の8倍以上の質量をもつとされますから 50km 程度となります。


マイヤーの語る月の由来も驚異です。最近、100万年という短期間に次のような出来事があったそうです。

(1)地球付近の恒星[A]がブラックホール化し、
(2)そこからあぶれた惑星αが別の恒星系[B]に突っ込み、
(3)αがその恒星系[B]のある惑星を半分に割ってしまい、
(4)割られたかけらの半分[β]が属していた恒星系[B]から弾き出て、
(5)βがいくつかの恒星を通過し、
(6)βは最後に太陽系に到着して地球に捕捉され、それが月となった。

恒星間の膨大な距離(5〜20光年)をまるで感じさせないストーリー、月が複数の恒星系からの脱出速度を持ちながら地球に捕獲される矛盾、そして超新星爆発の凄まじさがマイヤーには理解できていないようです。

恒星[A]がブラックホールになる場合、超新星爆発を伴います。恒星[A]の惑星は瞬時に爆発・蒸発しますので、恒星系から飛び出る余裕などありません。

太陽系のすぐ近くの恒星(互いの惑星が捕捉されるような近距離)で超新星爆発が起きた場合、地球表面に届く放射線の強度は生物の絶滅や少なく見積もっても遺伝子に重大な損傷を与えるレベルになります。これらついて何の言及もないのは嘘だからです。以上でマイヤーの嘘の暴きは終わりです。


最後にマイヤーについての感想を言えば彼も「他人を騙したグル」の一人だったという事です。自分の作った嘘を信じる者を内心では嫌い、馬鹿にし、心底からうんざりしつつ、それでも道化をやめられなかったグルのひとりでしょう。

時間旅行してイエスに会ったと言い、「創造の法則」や「人間の進化段階の法則」を説かねばならぬほど、空虚な求道心を持つに至った哀れなグルです。

彼がアダムスキーについて

---{
トリック写真を作りあげ、多年に渡って、あつかましくもやってきた主張でし
た。

 こんなことは、彼の仲間に対して、彼の性格、真正直さをみせることで簡単
にできました。最大の注目すべき点ぱ、彼の極端な暗示能力が決定的であり、
それによって著名な人物達に幻想を起させたりできたことです。長い間にこの
方法で、彼の意志と幻想から極めて現実的な考え方をする人々に影響を与え、
彼が異星の知性とコンタクトしていると確信させたのです。その上、アダムス
キは他の同じような嘘つき達を働かせていました。アダムスキ程とはいきませ
んが、その中の何人かはその役目をはたしていました。
---} http://homepage2.nifty.com/motoyama/past.htm

と批判した時、自分自身のことが念頭にあった筈です。


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