土星の環

Saturnian Ring


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Story
 土星の赤道地帯に浮かぶツイン・ガーデン・ホテルズは、外惑星随一の高級ホテルリゾートだ。巨大な与圧ドームの中に作られた庭園や最上層のスイートから見上げるリングの雄大なパノラマ、下方に広がる雲の果てしない流れなど、土星の魅力を余すことなく味わうことができる。
 また、特殊な浮力機構により軌道運動することなく土星大気の上層部にとどまっていることができるので、ホテル内は0.94Gという土星赤道重力に保たれ、無重量状態での訓練を受けていない地球からの旅行者にも好評だ。快適な1G加速で航行する豪華客船でここを訪れる裕福な旅行者は、船の方向転換とシャトルの乗り継ぎにかかる数時間を除き、不快な宇宙酔い悩まされることも無いからである。

Background
土星の赤道に程近い、北緯10度付近から見上げた土星の環(リング)のパノラマです。カメラは土星の大気上層付近にあり、あたりには筋状の雲がまばらに浮かんでいます。眼下では速い気流が渦を巻きながら、西から東へと吹きすぎていきます。
 現在では、木星をはじめとする4つの巨大ガス惑星はすべて環を持っていることがわかっていますが、その中でも地球から低倍率の望遠鏡でも見ることができる雄大な環を持っているのは土星だけです。その幅は、主要な部分を成すA環外縁からB環内縁の幅だけでも4万4千キロ、B環の内側、大気上層付近まで広がる暗いC,D環を含めると6万9千キロ、A間の外側に淡く広がるG,E環まで含めると実に地球-月間の6割に相当する23万キロに達します。
 このパノラマでは、A環のすぐ外側にあるF環(パノラマ作品「羊飼い衛星」参照)からもっとも内側のD環までのモデルを描いています。環の明るさは、A,B環がもっとも明るく、内側に来るにしたがって暗くなります。アメリカの惑星探査機ボイジャーが近傍から撮影した画像と同じく、それぞれの環は細い環がたくさん並んでできており、まるでレコード盤のような様相を呈してます。
 環の模様と直交する放射状の暗い筋が見えますが、これは「スポーク構造」と呼ばれています。環は別々の軌道をとって土星を周回する無数の氷の微粒子の集まりであるため、内側ほど速く、外側ほど遅く回転しています。これに対し、スポーク構造は土星本体の磁場によって環を構成する微粒子が引きずられるなどしてできる模様と考えられており、環の回転速度とは無関係に土星の自転に同期してリング面を渡っていきます。
 望遠鏡で見る土星本体は木星のような複雑な渦巻き模様はなく、変化に乏しい縞模様に見えますが、実際には赤道付近でも木星大気の3倍近い秒速500キロ弱の東風が吹く荒々しい世界で、ボイジャーが撮影した画像には、地上からは観測できない規模の渦巻きが多数写っています。

Production Note
環は、外からG環(描画していない)、F環、A外環、(エンケの間隙)、A内環、(カッシーニの間隙)、B環、C環、D環をそれぞれ平たくつぶしたドーナツで作り、その表面に別のドーナツでスポーク構造を加えています。環を構成する個々の細い環は雲のテクスチャのY方向の繰り返し周波数を高くしたもの、スポーク構造は逆に雲のテクスチャのY方向の繰り返し周波数を落としたもので表現しています。
 環は各部の寸法を実物に合わせていますが、土星大気そのものはタイタンのパノラマと同様、無限平面と大気設定で再現しています。このため、カメラの高度については土星のふちが地平線として見えるくらいの近さを想定しています。雲の模様は、デフォルトの「渦巻き」のテクスチャを90度回転させたもので表現しています。
 環だけだと少しさびしかったので、浮遊都市(ホテル)と、遊覧飛行船を加えてみました。浮遊都市はmyShade2でモデリングしたものです。これはもう、SFでもなんでもなくファンタジーの世界ですが、浮遊都市や飛行船に環が写りこんでいるのがわかるでしょうか?

2000/12/23 公開
2001/04/20 細部を修正して再公開

DATA
[Saturnian Ring]
1B = 10km
[Atomosphare]
Not Sacale

関連リンク:カッシーニ計画ホームページ
アメリカやヨーロッパ各国の協力により打ち上げられた探査機で、土星の人工衛星となって土星本体およびリング、衛星群の長期にわたる探査を目的としています。20世紀の終わりにあたる2000年大晦日には木星から1億キロを通過し、木星を周回しながら観測を行っているガリレオ探査機と共同観測ミッションを行います。土星系には2004年に到着予定で、このパノラマでとりあげている衛星タイタンの地表に、子機「ホイヘンス」を投下して史上初のタイタン地表の観測も行います。
 カッシーニ計画に関して児童生徒向けに解説する「スライドセット」は、筆者のホームページでも邦訳・公開しています。


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