イアペトゥス軌道投入

Iapetus Orbit Insertion Burn


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Story
 ディスカバリー号は、衛星イアペトゥスを周回する軌道に乗るための噴射を開始した。イアペトゥスとの距離が1000キロ台から100キロ台へと縮まるにつれ、燃料系の示数はみるみるゼロに近づいていく。噴射が終わったとき、燃料を使い果たしたディスカバリーは、この衛星上空80キロを回り続けるだけの無力な存在となる。そして、その時が15億キロに及んだ旅の終わりなのだ。
 月面のティコ・モノリスが発した強力な電波は、まっすぐ土星系を指向していた。この凍てついた衛星で待ち受けるものは何か?ディスカバリー号唯一の乗員となったディビッド・ボウマン船長は、後部カメラが映し出すイアペトゥスの巨大な三日月をにらみながら、遭遇のときを待った。

Background
 アーサー・C・クラークの小説「2001年宇宙の旅(2001:Space Odyssey ハヤカワ文庫SF1000)を題材にしたパノラマです。初期状態で正面やや下よりに見えるのが宇宙船ディスカバリー号(全長120m)で、画面左向きに運動しながら減速噴射をしています。映画版と異なり、与圧球体の後部には酸素タンク4基と、長さ90mの放熱パネルが2枚ついています。左に視野を振ると、衛星イアペトゥス(赤道半径718km)が、その左側には356万キロ彼方の土星が見えます。カメラは、イアペトゥスの上空約1500kmにあります。
 イアペトゥスは、他の衛星と同じくつねに土星に同じ半球を向けています。このパノラマで見えているのは反土星側半球で、向かって右側が「進行側半球」、左側が「追尾側半球」です。イアペトゥスは画面右方向に向かって公転しています。イアペトゥスは追尾側半球が反射率50%ときわめて明るいのに対し、進行側半球は反射率3~5%ときわめて暗い奇妙な衛星です。アポロ11号の月面着陸の前年(1968年)に出版されたこの小説では、追尾側半球にほぼ円形の白色の地域があり、その中心に巨大なモノリスが発見されます。

Production Note
 1980年11月と翌8月に惑星探査機ボイジャー1号と2号が相次いで土星系フライバイを行いました。その際に撮影されたイアペトゥスの画像は、最小分解能がそれぞれ50kmと16kmあまりで、ほとんどの地域はそれより劣る分解能でしか撮影されていません。このパノラマではイアペトゥスに見立てた球体表面の2.7kmの大きさのものまで識別できるはずなので、ボイジャーの画像をそのままテクスチャに使うと粗すぎます。そこで、イアペトゥスの表面画像をマスクとして、明るい領域と暗い領域に別々のテクスチャを与え、さらに別のテクスチャで地表の凹凸を表現しています。
 ディスカバリー号は映画版のデザインに近すぎず離れすぎずを狙って、BryceのプリミティブオブジェクトとDoGA-L1からインポートしたパーツを組み合わせて作りました。ただ、小説版に書かれた「すらりとしたV字型」の放熱パネルは、もしかすると長辺でメインシャフトに接続された形が正しいのではないかという気もしています(そのほうが加減速に強いはずですし・・・)。
 土星系のモデルは、「羊飼い衛星」、「竜騎士」(いずれも「惑星への旅」に掲載)と同じものを多少手直しして流用しています。イアペトゥスの向きや土星、ディスカバリー号との位置関係をなるべく忠実に再現しようとした結果、構図はかなり制約を受けざるを得ませんでした。

Courtesy Jet Propulsion Laboratory. Copyright (c) California Institute of Technology, Pasadena, CA. All rights reserved. Based on government-sponsored research under contract NAS7-1407

2001/07/09 公開

DATA
[Saturnian System]
1B = 100km
[Spaceship "Discovery"]
1B = 1.0m


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