SFセミナー2000 出張報告書



日程:2000年5月3~4日
場所:本会場   全電通労働会館ホール(東京・お茶の水) 
      合宿会場 ふたき旅館(東京・本郷) 
出席者:silverberry[記]

■ 概要 

今回で2回目の参加となるSFセミナーですが、今年も充実した内容でした!
パネルディスカッション形式の本会企画と、分科会形式の合宿企画に分かれています。
合宿企画では、聞きたい企画があれもこれも裏にまわってしまい、悔しいのなんのって!
でも、畳の上で輪になって話をする楽しさは、やみつきになるのです♪

■ 入手資料
小説推理11月臨時増刊号「SFワールド」(昭和58年11月1日発行)
「イティハーサ1」水樹和佳子 ハヤカワ文庫JA サイン入りポスター付
「ブックハンターの冒険 古本めぐり」牧真司 学陽書房  サイン入り

■ 詳細

[ 本会企画 ]

1)角川春樹的日本SF出版史
出演/角川春樹  聞き手/大森望

角川春樹社長の豪快な語りに、なかなか楽しませてもらったトークショー。
なんでも、これからはSFの時代になる!とのこと。
角川春樹事務所もこれからSFをがんがん売り出していくそうです。期待!
角川氏は、3年以内にSFでミリオンセラーが出ると豪語しておられました (^^)

2)ブックハンターの冒険
出演/牧真司  聞き手/代島正樹
「ブックハンターの冒険」学陽書房 を出版なさった、牧真司氏の古本トーク。
古本コレクターの世界は、やはり奥深いのです。
しっかり、本にサインを頂いて、幸せにひたりました~

3)日本SF論争史
出演/巽孝之・牧真司・森太郎
SFをめぐる数々の不毛な論争はまさに「歴史は繰り返」して行われて
きたらしいです。この議論の歴史を一冊にまとめた「日本SF論争史」
からの引用を交え、紹介したパネルでした。
ほとんどの論争は知りませんでしたが(一番新しい、通称”クズ論争”も
かろうじて、そんなのがあったらしい、くらいの認識でした)
いやはやSF者は、むかしっから議論好きだねえ、と、とても興味深い
のです。読んでみたいけれど、一次資料を読みこなすのは難しそう~
現在、進行中のサイファイ論争も、収束した暁には「サイファイ論争史」
としてまとめられる日がくるのでしょうか (^^;

4)新世紀の日本SFに向けて --新人作家パネル
出演/藤崎慎吾・三雲岳斗・森青花
聞き手/柏崎玲央奈
日本ファンタジーノベル大賞受賞「BH85」の森青花氏、「このSFが
読みたい!1999」アンケート1位の「クリスタル・サイレンス」藤崎慎吾氏
日本SF大賞新人賞受賞「M.G.H」(他、2冠)の三雲岳斗氏のパネル
ディスカッション。
クールなイメージの"著者近影"と異なり、ぽーっとした(失礼!)雰囲気の
三雲氏の発言がなかなか。
「野望は海外進出です」(会場拍手)「まずは、台湾から・・・」(会場大拍手!)
たまたま3氏の作品に共通なテーマとなった、「現実世界と仮想世界のどちらの
恋愛を選択するか?」という問いにたいし、年代によって解答が変わっていくのが
興味深かったです。ちなみに私は、仮想世界でもぜんぜんおっけー、な三雲さん
世代のようです(^^;

5)妖しのセンス・オブ・ワンダーへようこそ --小中千昭インタビュー
出演/小中千昭
聞き手/井上博明
「ウルトラマンガイア」や「バブルガムクライシス」等の脚本・構成を
なさっている小中氏のインタビュー。特撮もアニメもあまりわからない私は
残念ながらぴんとこない点も多かったのですが、唯一見ていたアニメ
「アミテージ・ザ・サード」は、スゴイ!と思った覚えが・・・。

[ 合宿企画 ]

1)進化SF総解説
出演/大森望・野田令子
最先端のバイオテクノロジーにお詳しい、のだ@のだなのだ さんと、
「ダーウィンの使者」の翻訳をなさった大森望さんが「ダーウィンの使者」
「フレームシフト」をネタに生物学の初歩とバイオSFを解説してくださった企画。
”どこまでが現実でどこからがSFか”すらわからない私のような素人でも、
バイオテクノロジーの世界の面白さを堪能できたのです♪
しかし、2冊とも読んでないのは、ちょっと悔しかったかも (^^;

2)フェミニズムとかSFとか(やおいとか)
出演/小谷真理・柏崎玲央奈
いわゆる やおい作品は(野阿梓以外)読まないことにしているのですが、
フェミニズムSF論や、やおい論が好きな私は、小谷真理さんがいらっしゃる
と聴いて跳んでいきました。
オープニングで「わかる人だけ来て下さい」と紹介したためか、ゲストばかりの
こじんまりとした部屋でちょっとおののきましたが、次々に小谷さんの繰り出す
アメリカのやおい事情(あるのですって!)の話などにすっかり聞き惚れて
おりました。
しっかし、”カーク/スポック”ですか・・・濃いですね~ (--;;

3)ほんとひみつ  --これでおしまい編
出演/牧真司・三村美衣・北原尚彦・日下三蔵・天野講堂・代島正樹
各出演者の自慢の古本の逸品を持ちよるという企画。皆様の古本にたいする
コダワリが楽しいのです。
装丁にこだわっていらっしゃる日下さんは、去年の「色のついている文字」特集
も面白かったのですが、今年の「フランス装丁(袋とじ)」もあれだけ並べると
壮観でした! 泡坂妻夫作品など、知っている作品もいくつあったのですが
岡嶋二人「ツアラトゥストラの翼」の文庫版はヒントが袋とじになっていたと
知って、大ショック! 私はノベルズ版を古本屋で買ったので、ヒントがなくて
解答にたどりつけなかったのです。
驚いたのは、北原さんが持っていらした”東大の先生がお書きになったSF”
の紹介のあと、「実は」と手を上げたのがなんとお知り合いのUさん・・・
その表紙を書いたのは、なんとUさん御本人だとのこと!あとで、北原さんに
サインをねだられておいででした (^^;
あと、恩田陸さんの「象と耳鳴り」の装丁の元本が見れて嬉しかったのです。

■ 所感
今年は、昼企画が少し地味な気がしましたが、多方面のジャンルを取り揃えており
楽しめました。特に、巽さんのSF論争史は、”歴史は繰り返される”のが
よくわかって面白かったです。ただ、ファンダム活動をしていない(私もですが)
純粋な活字SFファンには、ピンときたのでしょうか? (^^;
合宿企画では、見たい・聞きたい企画が重なり、哀しい思いをいたしました。
でも、とりあえず参加した企画はすべて楽しめたので、とても有意義でした!!
とくに、小谷真理さん企画は・・・ふふふ。

ちなみに、合宿のオープニングで、倉坂鬼一郎さんと秘書のミーコちゃんに
ご挨拶できたのが、今回、一番嬉しかったことです♪

-以上-


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