Last Update 2016.5.28

USB Filter/Adapter

PCもいまや大事なオーディオデバイス。
但し、PCはノイズの発生源。
USBオーディオデバイスの音質を改善するためには
このノイズを低減させるのが鍵なのだ。

USB電源フィルタ ELECOM USB-MBEA改

MJ無線と実験誌2011年5月号掲載の柴崎功氏発表のアクセサリ

柴崎功氏発表のUSBのバス電源ラインとグランド間にコンデンサを追加し電源ノイズを吸収するアクセサリである。
安価ながらも効果ありとのことで、試してみることにした。
主要パーツの100μFのOSコンデンサとマイカコンデンサ1200pF(記事では1000pF)が手持ちにあることも、後押しした。

ELECOM USB-MBEAを改造

雑誌の作例は、USBのコネクタ・ジャックをビニル線で接続する等フルスクラッチ品である。
USB電源フィルタしかし、市販の延長ケーブルELECOM USB-MBEAを改造して製作することにした。
コネクタの見た目と使い勝手の良さ、ケーブルの通信損失などの点で、下手な工作は最小限にすべきと考えたからである。 左の写真にあるように、USBジャック側にフィルタパーツのOSコンとディップドマイカコデンサをハンダづけしている。
装着されたパーツをホットボンドで固めているのは、雑誌記事と同様である。
製作(改造)の手順は以下のとおり。

  1. USBジャックの被覆(ピンのプラスチックの基板がある側)をPカッターで切り込みを入れて長方形に剥く。
  2. 金属のジャックの下側のホットボンドの中に4つのケーブルが端子に接続されているのが見えるので、両端のケーブルが露出するようハンダゴテでホットボンドを融かす。但し、ハンダ付けが取れないようにする。
  3. ディップマイカコンデンサのリード線に軽くハンダをのせ、すばやく端子にハンダ付けをする。
  4. OSコンをディップマイカコンデンサのリード線にハンダづけ。このときの極性に注意。(上2枚目の写真の(-))
  5. ここで動作確認を行う。
  6. パーツの固定と配線の絶縁のために、ホットボンドでパーツを固める。

さて試聴

USB電源フィルタ右の写真が完成したUSB電源フィルタ。大変コンパクト。
音はというと、大変微妙ではある。が、確かにベールを1枚剥いだような効果がある。
ふわっとしたエコー感、細かな音のきらりとした輝き、バスドラの空気の押し出し。
私のPCM2702 USB DACは、バスパワー電源ではないので効果があるのか、正直半信半疑であったのだが、きちんと効果はあった。
これは作って正解といえる。柴崎先生ありがとう。

電源フィルタ付きUSB 中継コネクタ

"Zonotone 6N・USB 2.0 for HiVi"2本使いのために

自作PCM-2702USB DACは、"Zonotone 6N・USB 2.0 for HiVi"を使ってPCに接続しようと考えた。このZonotone USBケーブルは、三重シールドによる厳重なノイズ対策がなされているが、シールドは、外部ノイズに対するもので、信号に重畳してくるノイズには、やはりフィルタが有効と考えた。
ただ、上記のUSB電源フィルタは、廉価版USBケーブルがベースなので、Zonotoneの実力をいかんなく発揮させるには、物足りない。
そこで、フィルタ付きの中継コネクタを製作し、両端にそれぞれ"Zonotone 6N・USB 2.0 for HiVi"を接続して、PCと自作USB DACを接続することにした。

製作の手順(1) 中継コネクタの製作

電源フィルタ付 USB中継コネクタまずは、USBの入力側のBタイプのジャックと出力側のAタイプのジャックとを背中合わせで基板に配置し、それぞれ同じピンを最短距離で結線する。
左の写真で、右側がBタイプのジャックで黄色の丸印がピンとなる。左側がAタイプのジャックで水色の丸印がピンとなる。Aタイプの側にピンアサインの番号を記しておいた。(タイプA・タイプBとも同じピン同士を結線している)
配線は、金田式でお馴染みモガミ2497の芯線7本よりである。
この段階で、導通・ショートの有無をチェックのうえ、つないで音楽を聴いてみる。
全てZonotoneで揃えた音。透明感は確かに上がったが、何かいまいち。なんか音がザラついている。やはり、電源フィルタパーツを追加してみよう。

製作の手順(2) フィルタの追加

電源フィルタ付USB中継コネクタ 上の写真のタイプBコネクタの1番と4番ピン(黄色の丸印)の間に、OSコン16V100μFと、SEコンデンサ620pFを並列で2個追加した。
基板のランドは小さく、その間隔も狭いので、まず一つめのSEコンデンサのリード線を基板にハンダづけし、残りのSEコンデンサとOSコンを一つめのSEコンデンサのリード線に取り付ける。
ちょっと分かりづらいが、左の写真の右上の画像でその様子を見て欲しい。
そうそう。4番ピンがマイナスとなることに注意。
SEコンデンサも金田式で方向性を揃えている。
コネクタをマウントした面は、銅箔テープでアースをとってみた。 最後の仕上げは、ホットメルトで基板の両面をコーティング。不慮の事故防止と銅箔テープの酸化防止を狙った。

完成−試聴

ここで再度試聴。いいですよ。いい。Zonotoneの本領発揮といった感じ。
このZonotoneケーブルについて、麻倉怜士氏はHiViの記事で「ひじょうに稠密な階調を描く」と表現したが、さすがは百戦錬磨の評論家を言うべきか。うまいことをいう。いいケーブルである。
この電源フィルタ付USB中継コネクタの製作は大成功である。
このZonotoneケーブルは三重シールドによって外来ノイズには強いはずなのだが、やはりPCからはUSBケーブル自体にノイズが乗っていることが実感される。
今回のHiVi付録の20cmケーブルとUSB電源フィルタ付き中継コネクタの組み合わせは、広く有用性がある使い方ではないかと思っている。"Zonotone 6N・USB 2.0 for HiVi"とこの中継コネクタの後に、通常の長いケーブルを接続すれば、高品質なUSB電源フィルタを多くの人が自分の使用環境に応じて楽しめると思うのだ。この付録ケーブルの「短さ」をメリットとして積極的に活かしてはどうだろう。皆様もお試しあれ。

USB外部電源アダプタ

お手本は柴崎先生のUSBクリーン給電器

電源フィルターで結構な音質改善効果があるのだから、バスパワーで駆動するUSBオーディオデバイスの電源そのものを改善すれば、より大きな効果があがるはず。
私もRoland UA-25とかDigiFi#10/Olasonic USB DACなどバスパワーデバイスを持っているので、電源改善に挑戦してみることにする。
MJ無線と実験誌2011年6月号に、柴崎功先生のUSBクリーン給電器の記事がある。
この給電器は、USBコネクタの1PINを、PCとの接続から外して、そこにスイッチング電源アダプタから3端子レギュレータを通した5V電源を供給する構成である。とてもシンプルでわかりやすい。

いろいろな電源をつなげるアダプタ方式に

柴崎功先生のUSBクリーン給電器は、3端子レギュレータによる低電圧を採用しているが、もう一ひねりこだわりをいれたい。
3端子レギュレータより、金田式レギュレータやLED電源などを採用すれば、より低ノイズの給電ができるはず。さあ、どうしようと思案したところで、はたと気がついた。
スマートフォン用バックアップバッテリーがあるじゃないですか。これはそもそも直流だ。
こうなれば、マイクロUSBコネクタで電源を供給する形にして、いろいろな電源をつなげるようにしよう。
それだけでもつまらないので、データラインにファインメットビーズのフィルタも挿入してみよう。

部品

パーツ名メーカー数量
USBプラグ Type-ALinkman1
USBジャック Type-ALinkman1
マイクロUSBコネクタ変換基板 CK-37Sunhayato1
プラスチックケースSW-40タカチ1
ユニバーサル基板TNF25-35タカチ若干
2芯シールドケ−ブルオヤイデ若干
2497芯線MOGAMI若干
ビニル線(RK-G129芯線)Sony若干
ファインメットビーズFT-3AM B4AR日立金属2
銅箔テープSunhayato若干
3×10ビスNo Brand4
3φナットNo Brand8
左表が今回製作するアダプタの部品一覧である。
ケースは、USB Type-AジャックやマイクロUSB変換基板が収まって、なるべく小さなもの(邪魔なので)ということで選んだ。
加工が容易なことも大事なのでプラスチックケースを選択。
ユニバーサル基板は手持ちのスルーホール基板をケースのサイズにカットして使用したが、最初から部品集めするなら、ケースサイズにあったものを買うのが手っ取り早いと思う。
USBプラグに取り付けるのは、もともとヘッドホン用として購入したオヤイデ電気のPCOCC二芯ケーブルだ。シールドがあって、良質な線材を使おうと考え、切れ端を使った。電源ケーブルは今回不要なので、3つの経路があれば事足りる。
マイクロUSB変換基板と、メインの基板の接続には、RK-G129の芯線を使用した。赤と白の色で区分けが容易であって、線材の質も良質でやわらかい素材は細かなところの配線に向くというのが選択基準だ。(もともとはピンヘッダで2つの基板を接続しようかとおもったのだが、配置がうまくいかなかったり、メンテナンスが却って面倒になりそうだったので取りやめた)
総じて、ファインメットビーズ以外は特殊な部品はなく再現は容易だと思う。とはいえ、パーツの通販サイトは種々あるので、送料に目をつぶればどの部品も入手できると思う。

基板組み立て

フィルター基板 アダプタは、メイン基板とマイクロUSBジャックのサブ基板の2枚からなる。
両者はネジで背面同士を向かいあう形で組み上げる。スペーサーは2個のナットである。
基板はケースにはネジ止めしない。メイン基板のサイズをケース内径にあわせており、またUSBジャック(写真左)をケースの穴から外に出すので、位置ずれはおきない。
メイン基板には4本のビスが付けられていて、そのビス頭がメイン基板をケース底から浮かせる足の役割を果たしている。
サブ基板を取り付けない2本(写真の上側)は、短い長さでも問題ない。

フィルター内部 基板の周辺部は銅箔テープでベタアースとしている。
サブ基板とメイン基板を結ぶ外部電源ラインは、RK-G129の芯線である。赤が+白が−。
信号ラインはMOGAMI2497芯線7本より線で、データラインはファインメットビーズを通している。
なお、PCへの接続用に2芯シールドケーブル(左写真の右側)は、基板をケースに入れてから接続する。
下側の白いプラグが電源供給のマイクロUSB。

ケース組み込み

アダプタケース プラスチックケースSW-40の穴あけは3つ。
USB Type-Aジャック、マイクロUSBジャックそして2芯シールドケーブル用。
いずれもノギスで基板側の寸法を測って現物あわせで穴をあける。特にUSB Type-Aジャック用の穴は、ななめ上方から挿入できるようケース内側では上辺をヤスリでけずる。
基板をケース内に収めてから2芯シールドケーブルを基板にハンダづけして完成だ。

試聴。

Digi Fi #10 Olasonic USB-DACで試聴。
まず、アダプタにスマートフォン充電用SonyポータブルリチウムイオンバッテリーCPV5を接続して、PC本体に接続。その後にアダプタにUSB-DACを接続する。
モニターヘッドホンは無論MDR-Z7
いいですね。すっきりしてます。耳に刺激がない音。雑味のベールを一枚剥がしたとでもいうような感じ。
安心して、ボリュームを上げることができる。結果、ライブ音源など、迫力ある低音が楽しめる。気持ちよくて音量の上げすぎに要注意。
製作した甲斐がありました。やったね。という感じだ。