吸 音 対 策

「スピーカーのエンクロージャには、吸音材をいれる。」
のが、一般的なスピーカー作りの定石です。
でも、適切な吸音材の量は、個々の条件で大きく異なるようです。
是非、カット&トライをしてみることをお勧めします。

吸音材の量と音の変化を確認

吸音材の役割

普通、スピーカーBOXの内面には、グラスウールとかフェルトとかの吸音材が一面に貼られています。
吸音材の役割は、1)箱鳴りの制動、2)定在波の防止、3)BOX内の空気抵抗をあげSPユニットの先鋭度を下げる、ことがあげられます。

最適な吸音材の量とは役割

実際に、この効果をお手持ちもしくは、自作したスピーカーで確認してみましょう。
具体的には、エンクロージャー内に貼られた吸音材を少しずつ、剥ぎ取ってみて、都度音の確認をしていきます。
ここで意外な発見に出会うはずです。
「吸音材を減らすほど、音がみずみずしくなっていく。」
ただ、一方、吸音材を減らすにつれ、「カンカン」と耳につく響きも増えていきます。これが、箱鳴りの音。
音の鮮度と箱鳴りの度合いを、耳で判断して、最適な吸音材の量を決めることをお勧めします。

吸音材は必要悪?

私は、どうしても、吸音材を入れたときの「音がモコつく」感じが嫌で、一切吸音材を入れなくなってしまいました。
無論、これでは箱鳴りも盛大になりますので、それを、以下にあげる吸音材以外の手段で抑えるようにしています。
最近は、「吸音材は必要悪」とおっしゃる評論家の方もいますが、私も同感です。
もっとも、吸音材は手軽に箱鳴りを抑える手段ということ自体には、私も異論はないですね。(以下の方法は手間がかかる。^^;)

補強で「箱鳴り」を抑える

吸音材を使わず「箱鳴り」の音が耳につくのなら、鳴らない箱を作ろうというわけです。

特に2)の効果は大きいです。板を叩いても余分な音がしなくなります。
SPBOXの重量を増す効果もあり、音にいい影響を与えていると思います。

戸澤式レゾネータ

戸澤氏考案の紙箱

オーディオアクセサリ誌の江川三郎実験室で発表された、戸澤さんという方が考案したSPBOX内に紙箱をいれ、不要な響きを抑えるというものです。
江川氏の実験では、紙風船をエンクロージャーにいれる実験もされました。
信じがたいのですが、頑丈にエンクロージャーを補強してもわずかに残る耳につく反響音をとることができます。これで、万全って感じです。これで、万全って感じです。

自作をしてみる

私は習字用の半紙を糊貼りして箱を作りました。
手間も費用も少々で実現できますので、是非試してほしい手法ですね。
右の写真は、一辺5cm、3cmの正四面体のレゾネーターです。小型エンクロージャー用の小さ目のものです。複数個作ってヒアリングしながらエンクロージャーにいれる個数を決めていきます。

カーボンフェルト熱研プライム2

きっかけは衝動買い

今まで吸音材を忌み嫌っていた私だが、ひょんなことからカーボンフェルトを試してみることにした。
出張のついでに立ち寄った大阪日本橋の逸品館で「カーボンハット」という商品を見つけたからだ。カーボンハットとは、ユニットを覆うだけで音質改善ができるというもの。
エンクロージャー全面に貼らずとも、効果があるということと2000円弱という値頃感からほとんど衝動買いをしてしまったのだ。

カーボンフェルト

カーボンフェルトは、取り扱い説明書によれば、グラスウールより吸音効果が高く、しかも低域にまで効果が高いという特徴がある。
取扱時に注意が必要なのは、カーボンフェルトには導電性があること。
スピーカー端子等の導電部分はビニルテープその他で絶縁をしないと、ショートしてアンプを壊したり大変なことになってしまう。

カーボン「ハット」

何故「ハット」としてユニットにかぶせるのか。
これも、取り扱い説明書によるが、スピーカーユニットのすぐ後ろ(=振動板に近く音のエネルギーが最大になる場所)で吸音すると効果が大きいということと、エンクロージャーの内壁からの反射音をコーン紙に届く前に吸音し、中高音の濁りを減らす効果が大きいから、ということである。
「ハット」をきっちりかぶせるか、ゆるくかぶせるかは、ケースバイケースというのが、逸品館の店員さんの説明だ。

カーボン「のれん」?

今回の対策は、メインの405−8HとTVスピーカーSA/F80alに施した。
いずれも小型のユニット。そして取り付け穴にあまり余裕がない。
「ハット」としてスピーカーユニットを覆ったら、穴に入らず、取り付けができなくなってしまった。
コーン紙の直後に貼ることに意味があるのだから、全体は覆わずとも、スピーカーユニットのフレームの開口部だけ覆えば十分だろうと、開口部よりわずかに大きくカーボンフェルトを切って、ビニルテープではずれない程度に一部を留めた。
これでは「ハット」ではなく、「のれん」である。
結局、購入したフェルトのほんの一部しか使わなくて済んでしまった。ラッキー。

満足の一品

肝心の改善効果は、ある。購入金額に十分見合う。買って満足。
メインの405−8Hは、一聴して解像度が上がっている。
音の濁りがかなりなくなった。余分な低音が吸収されたためかややハイ寄りになった気もするが、バランスを失うほどでもない。
従来の吸音材で気になった音の鮮度の減衰も無いようだ。
グラスウールだと余計な音は減る反面、音がこもる感じになるのだが、カーボンフェルトでは、このようなことが感じられない。
「音質改善度10倍??」という雑誌の紹介記事は大げさな気がするが(笑)。