●●地震雲の震源方位と、その読み方!●●



 地震雲から読み取る予測震源方位について、もう一度ここで明確にしたいと思う。
 地震雲からは一定した方向への“指向性”が見られる。帯雲ならばそのどちらか延長方向、
放射状なら収束点方位に震源がある。空全体を覆う雲(層雲など)に見られる複数の筋(ライン)も大抵の場合は、どちらかその延長方位である。―――仮説/雲に動きが見られる時は重要で、その進行方向が震源である場合が多いように思われる。観察すれば大抵の場合は、帯や筋(ライン)のどちらかの延長方向へと向かっていることが多い(勿論、ほぼ静止していることもある)―――波紋状のようになっている円弧の一部のような複数帯の場合には、その帯の直角方位が震源。円弧の中心が確認できるならばより正確で、その方位に震源がある。
 以上のことを基本にして観測するならば、より該当地震を確認できるようになるだろう。

  それから大切なのが方位の示し方の問題。
地震雲が自分の真上を跨るものとは限らず、大抵は西空であったり、東の地平線に見られたりするものである。
 方位の見方は自分を中心に置いてではなく、例えていうと地震雲の真下に居るようなつもりで方位を読んで欲しい。例えば、自分を中心として帯雲などの両端を見た場合、表現方位は(図1)「南東←→西南西」などとなってしまう。しかしこの方位、観測地点からの「南東」「西南西」そのどちらにも震源はない。よく地震雲を見て欲しい。その示す帯の延長方向、筋のライン、進行方向そのものは違う筈である。あくまでも雲そのものの示すラインは(図2)「東南東←→西北西」などとなり、雲の両端は“正反対方位”で表示される。これが震源方位の示し方です。
 こうすることで報告を受けた側にも、観測地点と方位が知らされることで大凡の震源方位と、震源域を理解することができる。

  図1)誤     ←→            図2)正  ←→
  ==========地震雲     ==========地震雲
南東・             ・西南西
      ・         ・  
         ・   ・         東南東 ←  ・  ・  ・  →  西北西    
          @                     @
        観測者                   観測者   

 波状雲の場合については、その波模様のどちらかのほぼ直角方位に震源がある。雲が移動している場合は重要で、雲の進行方向もそのどちらかの直角方位と合致している筈。それが多くの場合は震源方位(仮説)です。  


    ←→波模様の直角、どちらかの方向に震源

‖‖‖‖‖‖‖
‖‖‖‖‖‖‖ 
‖‖‖‖‖‖‖   ⇒ 進行方向が判ればその方向が震源(仮説)

                                           2000 10/15 2001 7/11 訂正加筆) 筆   以上


●方位磁石の使い方●

―――“N(北)極の編西”について―――
 コンパス使用での注意点として、“N(北)極の編西”という事情(特異性)がある。
 その土地柄の地磁気狂いというのがあるために、
実は磁石が示すNは真北ではないということである。日本においては磁石は僅かに西寄りを差す。沖縄は4度、北海道は9度、関東・東海・関西は6度、本州本土の大部分は大体6度〜7度、編西している。私のところはほぼ9度なので、磁石の針が制止した位置から方位盤を東に9度分ズラす。後は針は無視し、そのズラした方位盤から方角判断を行うわけだ。  

                                                    2000 08/02 筆  
  以上


●●地震雲観測の実際●●

 まず地震雲の観測は、必ず方位磁石を用いて震源方位を測定すること。方位は各々、在る程度はどっちが東西南北か判っているつもりでも、実際に方位磁石を使用してみるとかなり違っているという場合が多い。地震雲は震源方位の測定が命なので、必ず方位磁石を使う必要がある。測定方位が違っていると、発生地震の震源が遠方であるほどに想定震源と実際の震源位置の誤差が増大してしまう。
 そして、できることならオイル・コンパスが賢明です。実際、これを使ってみると通常のタイプ(非オイル・コンパス)との差は歴然とする。私もこの春までの観測1年半の間は通常のタイプを使ってきたので違いが判る。これがなんとも笑ってしまうが、両者を一緒に出して測定し比べてみたところが、オイル・コンパスとは同一方位を示してはくれなかった。非オイル・コンパスは、方針が静止するのに時間を要し周囲の磁気や金属の影響も受けやすいこと、そして静止しても正確な方位を示してはいないようなのだ。また、自動車の傍では誤測定してしまうので、最低でも2メートルは離れる必要がある。

 オイル・コンパスは方針の静止が早くてしかもかなり精度が高い。価格は非オイルのタイプよりは高価で、数千円もする本格的なタイプまで揃っている。しかし低価格ものなら千円以下でも手に入る。これから方位磁石を購入予定の方には、絶対にオイル・コンパスをお薦めします。長く使えるので決して損はしない。因みに私が使っているのは、ディスカント・ショップで購入したレンザティック・コンパスという多機能・高性能の軍用タイプで2千円程度のもの。
 それから測定方位は、できれば方位角の360度計測で行うことを奨めます。私もついこの春からの実施でしたが、せっかくのオイル・コンパスの効力を無駄にすることなく発揮するためにも、このほうがやはりベター。ただ何度という数値は方位の感覚的な把握は難しいので、私は方位角度と同時にその近しい側の16方位も用いて提示するように努めています。つまり、60度の東北東といった具合です。ただ注意点としては、方位角や16方位の如何を問わず、地域別の磁北偏差(偏西角度)を補正して測ることです。

 地震雲の震源方位の読み方と測定については、当サイトの「地震予知研究」を見て頂きたいと思いますが、もう一つの重要なことは、観測地震雲の測定震源方位を、コピーした白地図へ分度器を使用してライン引きして置くということです。しっかりと旨く測定できた場合にはズバリ、ちゃんと線引きしたラインの真上に観測地震雲の地震が来ます。測定誤差は±5度内、大抵は±3度内程度に納まると思います。これは危険なM6超級でも、M7震災級の場合でも全く同じです。毎回の書き込みが面倒で、ちゃんと記録管理のできる方ならば、360度全方位のラインを引いた地図を使って確認してもいいと思います。これは見づらくなることが難点でしょうか。
 私のように観測場所が北海道という列島端の地域である場合や、遠方震源の確認においてなどは、どうしても世界版の地図の方も必要となってきます。しかしその場合、正績方位法、円錐法などの屈曲面はどうしても直行する方位ラインの判断には向きません。広く使われているメルカトル図法などの平面タイプは方位誤差が酷く、遠方地域の確認には使えません。やはり正距方位図で方位線の確認を行うか、もしくは球面三角法で面倒な計算が必要になってきます(以前、使用したメルカトル図法による超遠方震源の確認には誤認が生じました)。

 観測後は必ず該当地震の発生有無の確認を行うこと。面倒でもこれを続けることです。そうすることで、大凡ながら、どの程度の地震雲がどんな規模の地震であるかも必然的に判るようになります。これまで何度も当サイト上で述べている通り、発生地震の規模(M)は地震雲の長さ、或いは断層状部分などの長さとハッキリとした比例関係にあります。尚、発生時期については、さほど神経質にならなくても大した問題ではないと考えます。それが地震雲ならば、大抵の場合、数時間〜数日中には測定方位に想定規模の地震として発生するからです。
 ただ、地震雲のタイプにもよりますが規模がM5以上の場合には、1週間前後か、もしくはそれ以上を要することが結構あります。当サイトでは一応、2週間14日間までを最長の該当限度と見ていますが(絶対的なものではなく、9割以上の意)、このような発生に日数を要するタイプは大抵、M6近いかM6超級の大型の場合に限られるようです(大型の全てが発震に日数を要するという意味ではない。タイプによっては直前、48H内の場合も在り)。逆に小さな地震は発生も早いことが多い傾向のようです。

 もし地震雲に興味を持たれた方は、どうぞ自分自身で体験してみられることをお薦めします。きっと大自然の神秘を知ることが出来る筈です。まさか?と疑惑に駆られる方へも、もちろんお薦め致します。これは誰にでもできます。

2001 09/27 筆(2002 03/28 一部訂正)  

 

※下記に山梨県在住の観測者、
 猫魚氏より方位測定についての素晴らしい解説を寄稿して頂いたので
 ここに掲載紹介致します。私からもお薦めします。是非、参考にされて下さい!(2001 07/11 01:40 追加)

★★≪ 猫魚式地震雲方向測定法講座 ≫★★

◆ 地震雲のエッセンスは方向性
 地震雲はその雲が、必ず方向性を持っていると言うのが私の個人的な考えです。個人的なといったのは、私は地震雲の研究をした事はなく、雲をウォッチングして来ただけで、文献を漁った事もなければ、地震雲研究家のサイトを見てその成果を拝見した事も殆どありません。だから、正直な気持ちとして、「俺の見てる雲は本当に他の方々の言う所の地震雲と同じ物なんだろうか?」と疑問に思うことも多々あります。
と言う事で、私の考えはあくまでも私の個人的な独断と偏見に基づいた非科学的なものとしてご理解ください。
 繰り返しになりますが、私の考えでは、「地震雲の特徴は何であるか?」との問を煎じ詰めて行くと、「震源地を指し示す方向性」と言う事になるのではないかと考えている訳です。
 研究者によっては、雲を見ただけで、地震規模や地震発生までのタイムラグ、震源の遠近、発生深度、メカニズム(内陸直下、プレート内、海溝型等)等までも判別できると言う方もいるようですが、私の経験から得られた考えでは、「そうした事が解る場合もあれば解らない場合もある」と言った所でしょうか。
 地震雲に地域特性があるというのも、最近になって知りました。しかし、それすらも本当にそうなのかも判りかねています。
 こうした不確定要素を除いて地震雲の特徴となるものを煎じ詰めていくと、残るものが「方向性」と言う事になります。

◆ 必要なもの
 方向性が地震雲のイノチなら、それをどうやって計ったらよいかという疑問がフツフツと湧きあがってきます。そこで私は独自に雲の方向性を測る方法を考えました。誰にでもできる方法で、しかも大掛かりな観測機器など必要としない方法です。
 必要なものは登山に使う、オイルコンパス1つと日本地図だけです。たったこれだけあれば、今見た地震雲が、どちらの方向を差していて、日本地図上のA点〜B点を結んだ延長線上に発生するであろうと言う事が判る様になります。
 オイルコンパスとは、アウトドアショップに行けば2000円前後で入手可能なものです。一般に小学校の理化の授業で使うようなコンパスは、針が非常に不安定で、雲の方向を測定するためには少々不便なものです。
 オイルコンパスと言うものは、コンパスの針が密閉された円形の容器の中に仕込まれており、容器の中にオイルが封入されていて、針がフラ付かず、安定した状態で方向を指し示すという登山用のコンパスと言うように理解してください。
 オイルコンパスにも様々なタイプが売られていますが、必要な機能としては、@ベースプレートが付いているもの。Aガイドリングが付いているものの2点に注意して購入してください。

◆ 会議室の天井にて
 地震雲の測定には「ある種の慣れ」が必要なのは確かです。しかし、私の測定方法は決して難しい方法ではありません。少し練習すれば誰にでも出来る方向測定方法だと思います。
 「ある種の慣れ」が必要だといったのは、「雲が三次元の空間に浮いているから」と言う事が原因です。つまり、東西南北に上下(高低)の要素が加わり、遠近感によって雲のある方位と雲の示す方向が感覚的に、直感的に思った方向とは異なって見えてしまうから、と言う事です。
 例えば、私が、大会議室に立ったと想像して見て下さい。天井は、フラットです。フラットな天井に真直ぐな蛍光管の照明が取り付けられています。蛍光管は全て同じ方向に並んで何列も取り付けられています。この天井に取り付けられた蛍光管を地震雲に仮定して考えて見ましょう。
 私が部屋の片隅に立った場合、頭上に一番近い蛍光管の方向は何となく解ります。ところが、私の立っている地点の対角にある一番遠い蛍光管の方向は一体どんな感じに見えるでしょうか?
 実際、会議室の天井は同じ高さですが、遠くにある蛍光灯は低く見えます。頭上の蛍光灯が一番高く見えます。
 会議室の天井の蛍光管は全て同じ方向を向いて平行に取り付けられていると頭の中で理解できているから迷う事はない筈ですが、それを知らなかったとしたら・ ・ ・そして、実際にはあり得無い事ですが、全ての蛍光管がバラバラの方向に取り付けられていたとしたら。長いもの、短いもの、一段低い所に付いていたり、高い所にあったら・ ・ ・
 もう、私にはサッパリ解らなくなります。更に、私があちこちに移動したりすれば尚更です。そして実際の雲は自らも移動する訳です。もう、ただ見ているだけでは方向を測定する事など不可能だと御解り頂ける事と思います。
 そこで、オイルコンパスの登場となる訳です。

◆ 雲の測定方法
 このように、自分の立つ位置からどちらの方角に見えるかと言う事と、地震雲がどちらの方向を指し示しているかと言う事は全く別の事柄だと言う事を先ず理解してください。南に見えたとしても、東に見えたとしても、それは見る人と、雲との位置関係の問題です。ですから、地震雲は、どちらの方角に見えたというのはあまり重要な問題ではありません。
 但し、地震雲が何処の上空にあるかという大雑把な捉え方は必要です。
 では、実際に、南の空に地震雲らしきものを見付けたとします。そしたら、その雲の指し示す方向を頭の中で想像し、自分の真正面にまで延長して来たらこんな方向だろうかという方向に体の両肩のラインを雲の延長ラインと平行になるように体を回転させます。
 この作業に「慣れ」が必要となる訳です。これは繰り返し練習する事で誤差を少なくする事が出来ると思います。
 この時に、オイルコンパスをベースプレートを自分の両方のラインと平行になる様に、胸の前で両手で捧げ持つようにします。つまり、これによって、雲が指し示す方向を延長したラインと、体の両方のラインと、オイルコンパスのベースプレートの3つが平行に揃った事になる訳です。
 その状態で、オイルコンパスの針は、磁北を指していますので、ガイドリングを回して、その状態での針の指す磁北方向にリングのNマークを合致させます。
 これで雲の方向はベースプレート方向が、針の示すN方向の角度のズレが読み取れる訳です。何度ズレているかはガイドリングから読み取れます。
 
◆ 磁北偏差について
 雲の方向性をオイルコンパスで測定したら、今度は地図の出番ですが、その前に、コンパスの指し示す方位は、真北ではありません。あくまでも「磁北」と言う仮の北方位なんです。そこで、自分の住んでいる地域の真北と磁北のズレを調べておく必要があります。私の住んでいる土地では約6度のズレがあります。真北に対して磁北は左にズレていますので、仮にコンパスで測定した雲の方向が真北と真南であったとしても、実際には地図上では真北から左へ6度傾いていると言う事になる訳です。
 これが磁北偏差と呼ばれるものです。磁北偏差は日本全国で、かなりの差があります。正確に知りたい場合は、国土地理院発行の5万分の1の地図の自分の住んでいる地域の地図を購入して見れば、何度何分と言う形で、地図の欄外に必ず記載されています。
 つまり、コンパスで測定した数値よりも、磁北偏差の分だけ、左回りに補正してやる必要があると言う事です。
 
◆ 地図の活用
 地図は北が上になっているのが一般的です。そうでない場合は、方位の指示が必ず出ています。まず使用する地図の「真北」方向がどちらか必ず確認します。
 そして、日本地図全体が一目で見える地図を出し、先程見た地震雲が発生していたと思われる位置に中心地点を置きます。中心地点を基点に、地震雲が指していた方向(例えば甲府盆地上空に磁北より右68度だったら、磁北偏差6度を補正して、N右62度となります)のラインを分度器等を使って、地図上にラインを引いて見ます。
 すると、右に伸ばした線は、概略茨城県水戸市を指します。反対に左へ伸ばすと、鹿児島県鹿児島市を指します。
 私の場合は、平凡社のレッドアトラス県別日本地図というものを使用しています。この地図帳の最初に日本全体が見開きで載っていますので、ここで概略のラインを設定し、ライン上に大きな都市名がないときは県別の詳細地図で町村名やら岬名や島名などを調べます。

◆ 測定が困難な雲
 地震雲の方向測定は、やはりあまり遠くない位置から測定することが大切でしょう。遠くにある雲というのは、どうしても見た目の仰角が低くなりますので、方向測定はかなり甘くならざるを得ません。従って、初めの内は、あまり低いところにある雲は測定しても誤差が大きいと言う事を忘れないようにしなければなりません。
 もう1つ方向測定が困難なものとしては、雲の長さが短いものです。頭の中で、雲のラインを延長する想像作業がなかなかうまく行かない場合がありますので、長さが短いものも測定誤差が大きくなりがちです。

◆ 地震雲の正確な震源方向
 とは言え、ある程度の経験を積んで、きちんとした方向測定ができる様になれば、日本国内の地震であったなら、驚く程正確に雲が、震源を指し示していたことが理解できるはずです。私の場合は、5度震源とラインがずれたら、測定失敗くらいに考えています。
 震源が雲の指し示す方向の右か左かについては雲が移動した方向に震源があるとする説がありますが、私の個人的な考えでは、そうではない場合も多々あると思いますので、まだこの点についての結論は出せません。
 私は現在では、オイルコンパスを使わず、登山用の腕時計で測定しています。カシオのプロトレックと言う製品で、何処でも手に入る登山用の腕時計です。これを使って、オイルコンパスと同じ要領で胸の前で捧げ持つようにして測定しています。
 こちらの方法では、腕時計を水平から少し傾斜させただけでも測定角度の表示が随分と異なってしまいますので、オイルコンパスの方が、より正確だろうと思います。
 と言う事で、誰にでも出来る地震雲方向測定法講座でした。

 
追記: 全くの素人の方には、少し遠くに離れている住宅の壁の面をこの方法で測定してみる事を勧めています。いつも地震雲を見ていられない我々はこういう物で練習するしかないので、少し離れたところから住宅の壁のラインを測ってみて、実際に建物のすぐそばまで行って測定が合っていたか、或いはどの位の誤差が出るのかと言う事が判る様になり、何度かやっているうちに誤差が1〜2度、せいぜい2〜3度程度になるものです。

 以上

2001 07/09 00:09 筆

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