「歴青材料」

(1)歴青の定義

天然または人造の炭化水素(炭素と水素の化合物)。
歴青の代表であるアスファルトは、石油の蒸留残留物。
土木系の材料で「歴青」といえば、石油から得られるアスファルト、タール、これらの乳剤である。

建設材料として アスファルトは、接着・防水などが主な用途で、
舗装では骨材の接着を担い、防水材としては、耐水性、撥水性を期待される材料。


(2)アスファルトの種類

○天然アスファルト→石油が地殻まで上昇し、油分が蒸発して生成したもの。
日本の天然アスファルトのルーツは秋田県(昭和町)。
アスファルト舗装が日本に普及する初期は、秋田の天然アスファルトが、全国に用いられた。
しかし、アスファルト舗装の寿命は一般に10年といわれ、残念なことに秋田県産アスファルトによる舗装は現存していない。

アスファルト舗装の歴史については、「アスファルト舗装史」(登芳久著・技報堂出版)に詳しく、
神田昌平橋の車道舗装に秋田産「土瀝青」を使用したのが、日本初のアスファルト舗装とあります。
国土交通省秋田河川国道事務所のホームページにも紹介されています。

昭和町豊川のアスファルト産地あと 。池の表面に油が浮いて真っ黒です。

現地に建つ、説明看板。クリックすると拡大します。

○石油アスファルト→石油を蒸留し、ナフサ、ガソリン、ケロシン、重油などを取り出した際の残留物として得られる。
石油アスファルトの種類として
@ストレートアスファルト→石油精製の残留物そのまま。
Aブローンアスファルト→蒸留の際、空気を吹き込み酸化硬化させたもの。

 


(3)アスファルトの特徴

アスファルトは温度によって大きく性質を変える粘弾性体と言われている。
この性質のため、
・針入度・軟化点・伸度・粘度・引火点・蒸発量などで品質を表示する。

道路舗装などに用いられるアスファルトは、構造物の強度部材として用いられるような他の材料と異なり、あまり、「強さ」を期待された材料ではない。
強度は最大でも3.0N/mm2程度で強度らしい強度は期待できない。
道路舗装では、アスファルトが骨材の接着材としてはたらいている。

舗装では、下のイメージ図のように砕石などの骨材と混ぜて使用される。
セメントを用いたコンクリートと同様、アスファルトコンクリートとして舗装に使用される。
ただし、コンクリートという名称ではセメントを用いたコンクリートと混同するので
アスファルト混合物」と呼ばれる。

セメントを用いたコンクリートは、骨材が7割を占めていたが、
アスファルト混合物では骨材が96%を占める。(アスファルトは4%程度に過ぎない。)
アスファルトは骨材のかみ合わせを助け、交通によって剥げないよう、
骨材同士を接着しているイメージ。


長所・短所
〔長所〕
・石油製品の副産物として大量に得られる。
・応力緩和により、伸縮目地が必要ない。走行性のよい舗装が得られる。
・工事してすぐに交通解放できる。
・機械施工ができ、早い。(硬化時間が短い)
・地盤が沈下しても多少追従できる。
・コンクリートに比較すると薄層舗装で済む。
〔短所〕
・耐久性が低い。(舗装寿命は10年)劣化する。
・クリープにより、わだちができる。
・真冬の施工が難しい。
・夏に軟化する。
・アスファルトは強度が低く、骨材に強度を依存している。(路面の穴ぼこ)

アスファルト舗装は、「たわみ性舗装」
コンクリート舗装は、「剛性舗装」と呼ばれる。
一般道路は、ほとんどアスファルト舗装だが、トンネル内や交通量が極めて多い道路を
コンクリート舗装にすることがある。


(4)アスファルトの利用

アスファルトは、その強度、耐久性、加工性の問題から、アスファルト単独で建設材料の目的を満足できない。
何らかの方法で液状化して他の材料と混ぜ合わせて用いられる。
(当然、混ぜた後は再び固体化して材料としての性能を発揮してもらう。)
この液状化の方法として次の3種類がある。

@加熱して液状化させる。→冷却すれば固化する。
A揮発性の溶剤と混合して液状化させる。→カットバックアスファルトという。
他の材料と混ぜた後は、溶剤が揮発することで固化する。
B乳化剤を用いてアスファルト粒子を水に分散させる。→アスファルト乳剤という。
混ぜた後は、水が蒸発して固化する。

アスファルトの主な用途は、

ストレートアスファルト・・・・舗装、塗料、接着剤
ブローンアスファルト・・・・・防水、目地、ターポリン紙、金属ライニング
カットバックアスファルト・・・舗装、塗料、接着剤、防水剤、シール剤
アスファルト乳剤・・・・・・・簡易舗装、特殊舗装、接着剤


身近なアスファルトの疑問についてQ&Aをつくってみました。
Q&A


【補足情報】

舗装アスファルトの劣化について

舗装アスファルトの劣化に関する研究報告が、独立行政法人 土木研究所(西崎到氏他)より
「月刊建設 2007 1月号」に掲載されていました。
内容を簡単に説明すると、舗装アスファルトの劣化は、

@熱・酸化によるアスファルトの劣化
A紫外線によるアスファルトの劣化


の2種類について研究されていて
Aによる劣化の方が著しいとのことでした。
紫外線により動的弾性率の増大、位相角の現象が見られるそうで
専門的な物性値の変化は詳しい資料を調べる必要があるが、簡単に言えば、

アスファルトは紫外線を受けると急速に劣化し、粘性的性質を失う、

そうです。飽和分といわれるワックス成分が著しく減少するのだそうです。


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