minolta Hi-MATIC E

ミノルタハイマチックE

ジャンクで買ったミノルタ ハイマチックE。シャープな描写のロッコールレンズ40mm F1.7 搭載のレンジファインダー機。いつもは電子シャッター機には手を出さない研究員だが、この機種だけは実家でも父が今でもリバーサル用として使っていて研究員も中学の修学旅行で持っていった事がある思い入れもあったのでついつい買ってしまった。何よりこのカメラで気に入っているのはレリーズのフィーリングなのだ。ボタンを押し込んでいくと途中からガバナーの微かな“ジュリッ”とした音と手応えがたまらない。言葉で書くと変な音だが何とも言えない高級なフィーリングなのだ。あの感触をもう一度楽しみたくなって思い切って購入した。何より¥1000というのが安かった。完動品で程度のいいのは中古相場で2万円弱もするのだから。でもこの判断が苦労の始まりだったのだ。

画像ではわからないが一面緑青がふいている。

底もメッキが剥がれ電池液漏れ。

これが有名なモルト劣化 (^^;)

買ったハイマチックEはジャンクの名に恥じない劣悪な状態だった。電池室は液漏れでコテコテ、セルフは垂れ下がりで固定。底もメッキが酷く剥がれていた。幸いファインダーは非常にクリアー。レンズも奇跡的にクリアーだった。もしファインダーやレンズが駄目だったら、たとえ思い入れのあるハイマチックEでも買っていなかったと思う。(ハイマチックEと打ち込むのが面倒なので以下ハイEとします)

早速、修理なのだ!

先ずは分解がてら構造検証。電子シャッターとはいえまだこの頃のカメラは魂を完全に電子化されてはおらず、シャッター幕が開くところまではメカニカルな機構だった。レリーズボタンを押し込んでいくとその軽い力でシャッターユニットにテンションを貯え、最後に5枚の絞り兼用のシャッター幕が開く。ただ、ボタン押し下げ直後からシャッター用ソレノイドには通電が開始されシャッター幕制御の準備は始まっている。シャッター幕開き始めからが電子化されていてCdsの捕らえた外光強度が抵抗値として変化し、時定数回路でソレノイドの通電時間を電気的に演算しているのだ。このページ冒頭で「ボタンを押し込んでいくと途中からガバナーの微かな“ジュリッ”とした音と手応えがたまらない」と書いたが、このガバナー動作は何かというとレリーズボタンを押し切ったところで瞬間にシャッター幕は高速で全開せず、このガバナーで減速ブレーキがかかりながら開いていくのだ。(といっても人間の目には一瞬であるが)だから、シャッター幕が全開になる前でもソレノイドに供給されている電流が断たれるとシャッター幕は閉じてしまうのだ。単純に言うと明るいところでは絞り込んで短時間露光。暗い所では開放で長時間露光となる。まあ、簡単な構造のコニカC35などもトランジスターこそ使わないが同じようなアルゴリズムではある。C35ではソレノイドの代わりに露出計の針位置をメカ的にシャッター幕時間としているだけだ。あと、補足としてストロボ使用時にはホットシューのストロボ検出ピンが押し込まれ内部機構がストロボ撮影用に切り替わる。メカ的に絞り値(シャッター幕開き量)はレンズヘリコイド繰り出し量に連動するようになり、近距離にピントを合わすと絞り込まれ、ピント位置が遠距離に行くほど絞りは開いていくのだ。

故障の検証

分解が進みシャーシから基板+レンズユニットを降ろした状態で仮配線し通電してレリーズボタンを押し込んでみると、シャターは開くものの全開のまま固定されてしまう状態だった。先ず疑ったのは基板の配線。電池の液漏れの影響もあり絶縁不良を起こしてそうだった。配線は細いメッキ線で2枚の基板をメカをかいくぐり配線されている。細いメッキ線は無理な力がかからないようにメカのプレートスぺーサーを1周して配線されてあったり、9本のうち1本は他の8本を束ねる為にスパイラルにぐるぐる巻きで8本を束ねていた。これで絶縁不良なら目も当てられない。仕方なく全ての配線を外して新たにフラットケーブルでやり直していった。外したメッキ線をテスターであたってみるとやはりショートしていた。

オリジナルの導線は劣化激しく、絶縁不良だった。

全て配線し直した

配線のミスがないか再三チェックし、電気とメカの接点であるSWもメカの動きで正常にON、OFFされている事を確認する。全ての配線を終えて今度こそはと再度シミュレーション。結果は同じ。「ガーン」

メカ機構と電気回路のI/O部分(SW)

(上の画像では配線はまだメッキ線の時)

次は基板が怪しい

こうなれば疑うは基板しかない。一番始めは簡単にチェックできるCdsから調べるが異常なし。後はトランジスターかコンデンサーしか残っていない。どちらにしてもパーツ交換を考え型番をチェックする。トランジスターはサンヨーの2SC536が3石使われていた(うち1石は面実装SMD)互換表であたると既に製造中止だったが東芝の2SC1815で代用できることがわかった。コンデンサーは研究所掲示板でRABBITさんから助言をいただき、タンタルコンデンサーが時定数回路に使われている事を発見。2.2μF(マイクロファラッド)6Vだったがこれも入手出来ず、16Vで代用する。パーツ1個1個を基板から外しテスターでチェックすると、タンタルがショートしていることをつきとめる。トランジスターに異常はなかった。コンデンサーを乗せ帰ると、やっとのことでシャッターは正常に動作するようになったのだ!

怪しい奴等

交換用パーツと犯人

実は修理中に電気、メカ検証の為もう1台ハイEを買ってしまった。

この人が原因だった。

初期型では電気2重層が使われていた

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ここまで書いて疲れてしまったので続きはそのうち・・・・。

電池の事や他の事を追加していく予定。

矢印Aが強制開放ピン。Bがシャッター(絞り)開放ピン

電磁石OFFでシャッター閉じる。