音楽への今日的アプローチ1


慶應義塾大学 講義(火曜3限、日吉32番教室)

慶應義塾大学(日吉) 音楽への今日的アプローチ

1999-1---響きと身体

1999-2---言葉と環境

前期・後期履修者全員のためのページを作りました。レポート提出の確認など をこの上で行います。後期はリンクへの目次としても機能させる積もりです。 レポートへの寸評や成績評価の根拠も判る仕掛けになるでしょう。

99年前期履修者のためのページ

99年後期履修者のためのページ

前期 「響きと身体」

解題: 既成の音楽的分節によらず、認知科学などの概念を援用して身近な音、音楽対象を捉える。とりわけ、J・J・ギブソン由来の「アフォーダンス」概念を援用し、知覚的時間空間像と身体との双補性を具体例に即して理解させ、学生各自が選んだ対象をそれを援用して解釈し、従来のアプローチでは見えない具体的展開に気づかせる。 やる気のあるものには更に進んでレポートを受付け指導する。また研究所や現場などの見学の機会も与え、受動的なファンの心理からより能動的な聴き手への覚醒を促す。

0  4/13 ガイダンス

1  4/21 導入、「宇多田ヒカルとダンゴ三兄弟」

アンケート1(当日回収、履修動機など)

2  4/27  アンケートの結果を踏まえて、及びベリオの話題。

アンケート2(レポートに向けて、1)

3  5/11 NTT制作「耳から脳へ」ほか、認知科学の基礎 

アンケート3(かなり本質的な質問)

4  5/18   認知科学の復習、アンケートのまとめと桝岡氏制作のフジテレビなどのCF

この日はアンケート3を配り直す筈が手違いで、アンケート配布せず

5  5/25 発表、高野英彦君 「ベルリン・ラヴ・パレードになぜ人は集まるのか」

発表をするようになってから当日翌週2通のアンケートを配布、回収。

当日アンケート4 感想その他

翌週1 佐々木、レグシュなど配布したプリントへの理解度計測用

6  6/ 1  発表、加藤卓也君 「ポップス、ロックを楽しく聴こう聴こう」

当日5

翌週2 = アンケート3と同様ブツを翌週で回収

7  6/ 8  発表、荻野雄仁君 「ボサノヴァを通過した耳で現代を聴こう」

当日6 

翌週3(試験問題作成のための)

8  6/15 発表、橋本正喜君 「音楽が人に与える影響について」

当日7  

翌週4(一柳氏への予習)

9  6/22 特別講義 一柳 慧氏(作曲家、ピアニスト) 「音楽と空間」

当日8 

翌週5(試験問題への学生からの講評)

10 6/29  まとめ

当日9 

翌週6(後期電算化のための)

11 7/ 6 映画と音 1

当日10

翌週7(今期の講義への学生による批判と後期への提案、試験時に答案と共に提出)

以上のように、当日提出分10通、翌週提出分7通の学生アンケートを課した。

「総電算化」についての補足(7月7日時点)

議論の出ている「電算化」について、実効的な見通しが立ちつつあるので、ひとまず 考えをリリースします。反論などもあるでしょうが、ご意見を頂きたいと思います。

後期については、基本的にすべての履修者に「電子メール」は持って頂くことをお願いするつもりです。何らかの事由でどうしても無理な人は直接私に言って下さい。その分は私が手を動かしてフォローします。

自分自身でコンピュータを持っている学生には、ホームページを持つことを強くお願いします。UNIX上で大変な建設作業をしてくれ、というつもりはなく、例えばこのページのGEOCITIESのような簡単な無料ページに登録すれば、極めて簡単にHPを開設することができます。ネットワークに繋がっていないマシン(STAND ALONEといいますね)とリンクしているそれとは、メガホンと電話くらいの差があると言って良いでしょう。レポート類も手書きで原稿用紙にかく、といった方法は、直しが利きにくいのであまり得策ではありません。後期も音楽、メディア、コミュニケーションといった問題を(とりわけ「声」などのキーワードを以て)扱って行きますが、ネットワークに繋がったマシンを「思考の道具」として用いることは、手書きとは別の水準での知的生産を可能にします。

学校でのみアカウントを持っている人でも、すでにHPを持っている人にはそれを活用して頂きたいと思います。学期の途中でページをアップロードできるようになれれば、より良いことだと思います。一番問題になるのは、大学でしか計算機にログインできない皆さんですが、インターネットにしろメールにしろ、必要に迫られなければ作ることはない、という性格が強いと思います。他ならず僕自身が前々から作ろう作ろうと思っていたページをやっと作ったのは前期の講義が決定的な動因となったからに他なりません。そういう機会が皆さんのメディア生活を変化させて行くとおもうしそこからご自分なりの展開を見つけて欲しいと思うわけです。

後期はレポートを必須で課すことに変更したい旨、以前お伝えしましたが、字数などは大幅に裁量の幅を持たせるつもりです。(実際のところは前期のものがすべて集まって、採点が終わってからリリースします)

この、全員に課す必須のレポートには、もう二つ条件をつけるつもりです。それは

1 タイトル、及び冒頭に短い要約を、日本語及び英語でつけること。

2 英語の要約は、ネットワークを通じてネイティヴ(もしくはそれに準ずる友達)にチェックしてもらうこと。

この2点です。そして、ホームページなしに参加される学生には、必ず上の「日英両語でのタイトル及び要約要旨」を電子メールで指定アドレスに送付することを、一つの単位の条件とするつもりです。ここまで書いて想像される通り、すべてWEB上で公開することを前提とするものです。移し込みの作業はすべて私が手で行います。

事前評価の「楽勝」度は『D』の本講義ですので、決して「楽して」単位を貰おうとはおもわないで下さい。自分の頭や手を動かして、自分なりの解を出して頂ければ、悪くない成績単位を差し上げたいと思っています。高橋 彩さんのような、そのまま社会学の卒論にも発展しそうなレポートも頂いて、変に学生におもねるような敷居の下げ方をしなくて本当に良かったと思っています。

川口幸裕君からこのような意見を貰いました。他にも類似の意見がありました。

「試験について、なぜ細かい語句の説明を要求するのか、アフォーダンスを説明できたからといって音楽的に成長するのか自分には理解できない。」

一般に目新しい語句の正確な定義など、試験でもなければ一生理解しようとはしないものです。(法律などでそうなると困るから司法試験とかがあると言っても良いかな。危険物取扱者2級とか、一般の資格試験は大半が用語や手順の正確な理解に重きを置くのは当然のことでしょう)。持ち込み不可で、一通り自分の中で咀嚼する機会を持たせて良い、というのが、講義の成績評価に「試験」を導入する理由でしょう。私が求めているのは「アフォーダンスの説明」ではなく、正確に語義を理解した上で(その確認が説明)それを用いて自分で対象を考察できるか、を問うているのです。

定義のいい加減な文句でいい加減なごたくを捏ねても、結局その場凌ぎ以上のものが出てくるとは期待できません。用語の正確を期すのは議論の最低水準を確保する為です。「音楽を聴いた、楽しかった/つまらなかった」といった水準と明確に一線を画すためにこれらの質問は必須と考えています。まだ疑問があれば、どうぞお寄せ頂きたいです、が、その前にまず「概念」を自分で使える「道具」にまで咀嚼して、その経験を経てから意見を寄せて頂きたいと思います。

私は皆さんの「音楽的成長」など全く期待していません。この講義は専門外の学部の一般教養で、音楽家を養成するコースでもなければ、音楽力を向上させるコースでもない。そもそも音楽の生徒さんにはこんなに甘口ではありません。私自身はかなり古いタイプの、封建的な叩き上げ教育でバシバシやられたクチなので、その手の話題は到底大学での教育スキームに馴染むとは思っていません。音楽は個人レッスンで学ぶ、あるいは個人的な体験を通じて成長してゆくものだと確信しています。現に私は音楽大学に入学も卒業もしませんでした(就いていた先生は当時芸大教授でした。ちなみに、私の家庭事情を考慮して、下見の先生以外は一切お金を受け取られませんでした。)。すべて個人レッスンとコンクールなどのタイトル及びオン・ザ・ジョブ・トレーニングだけで今までやってきました。ポップスで活躍している人の大半だって、そうでしょう? 経済的に恵まれている、厳しい、機材がある、ない(コンピュータを持っているとかいないとか)、音楽的な知識や経験がある、ない、そんなことはどうだっていいことです。目の前にあるだけのものがあって、そこであなたは (音楽や音と関わって)何を新たに考え、何を提示して見せられるのか。それを拝見しましょうといっているのです。

私が期待しているのは、音楽と関わって皆さんが大学教養程度の水準で人間としてどの様に成長して貰えるか、にほかなりません。その契機を従来とは異なる、主に私たちが第一世代として始めた方法論で提示しているのです。アフォーダンスのみならず、ネットワーク、正確な論述、その日本語及び英語での公開、公開前に NATIVE SPEAKER にチェックしてもらうコミュニケーション等々、皆さんに提示しているどれ一つとっても「音楽力」を選択的に伸ばす課題ではない。でも、これらを通じて、皆さんおひとりおひとりなりに、物を考え、行動し、その結果を記名を伴って広く社会に開いて行く人間的な成長のきっかけにしてもらうことは、大いに可能だと思います。私が「音楽への今日的アプローチ」と名付けて考えていることは、そのあたりにポイントがあります。

慶應義塾大学(日吉)講義要項 音楽への今日的アプローチ 1999-1 ---響きと身体                                

本講義の前半では音楽に隣接する1990年代の関係諸科学の知見に基づきつつ、音楽を捉え直す知的な枠組みと具体的なアプローチの方法論を概説する。特定の基礎知識は前提としない。だが、前週までの内容を前提とするため、自発的好奇心をもって毎週講義に参加する意志のある学生の履修を望む。また、好きな音楽があることが望ましい。音楽の具体的ジャンル分け以前の「聴こえ」や「演奏」の実態を認知科学的な視点から捉え、前期はとりわけ響きの環境の中での身体という観点から、現実の音楽現象を考察する道具、トゥールとしての知の技法を学ぶ。後半ではそのような知見に基づき具体的な音楽事例を検討する。ここではノートルダム楽派いらい1990年代に至る伝統的な西欧音楽と同じ比重で、非西欧の民族音楽やポップスも取り上げる。評価はレポートとテストを併用し厳正に行う。新たに獲得したトゥールをもちいて、自身が興味のある音楽対象を科学的、社会的に考察するレポートを歓迎したい。教科書、参考書などは随時指定する。

慶應(日吉)「音楽への今日的アプローチ」 前期定期試験問題 事前リリース分

(試験問題の量は少なくなく、結構忙しい筈。レポートを出さずに筆記式で頑張ろうという人(Q5を解答する者)は50分の時間内、超特急でダッシュし続ける必要がある。)内容については公平を期すために、個別に質問があれば電子メールで受付け、ホームページ上で回答します。また正解や採点、結果の情報もホームページで公開します。

  Q1 以下の用語を簡潔に説明せよ。一般的な概念の場合、授業で用いた語義を正解として採点する。(当日公開分、以下略)

(授業に出席していれば必ず正解出来るような用語について説明を求めます。学生発表のレジュメなども見ておくこと。出席していなかった人でも常識で答えられそうではありますが、一応出席対応分という設問です。休んでいた人はプリントの入手を奨めます。)

Q2 以下の概念(中略)、それ簡潔に説明すると共に、自分自身の経験に照らして音や音楽にまつわる事例について、その概念を用いて説明してみよ。(以下略)

設問に伏せ字が入っていますが、要するに各々の概念を理解しておいてほしいこと、理解にあたっては、自分自身の身近な例に適用して検討しておくこと。丸暗記は通用せず。

ヒントになるかもしれない単語: ・聴覚末梢系 ・錯覚 ・リカーシヴな自己意識 ・情動回路 ・扁桃体 ・行為 ・アフォーダンス ・ピックアップ など、その他。

Q3(当日公開分)

(その場で考える、簡潔な記述式小問を数題。講義で扱ったような意味で、具体的あるいは科学的な論拠を示しつつ解答することを求めています。)

Q4 あなたの出席状況などについてお尋ねします。

4−1 全11回の内 何回出席しましたか?               回

4−2 その内「当日提出分アンケート」を提出したのは何回ですか?    回

4−3「翌週提出分」の提出回数は何回ですか?              回

4−4 全出席回数が6回に満たない方にお訪ねします。欠席の主要な理由は何ですか?7回以上出席している方は以下を記入しないで下さい。

また、レポートを提出していますか?            ・Yes ・No

・この講義は出席を前提とする旨公示していますが、それでも単位が必要な方はここで単位請求をアピールしてください。レポートの提出がなく、本欄も空欄の場合、成績は斜線で対応します。(ABCD表記による成績を学事センターの採点用紙に記入できません、という意味です。)単位の欲しい者に弁論の機会を与えます。(裏面も使用して構わない。)    

・あなたが採点者として、上の出席率に対して適切な評価はABCD4段階評価で 何だと思いますか?丸をつけてください。       ・A ・B ・C ・

D4−5 すべての受験者へ。あなたがこの講義で(現実的に欲しい)評価は何ですか?                        ・A ・B ・C ・ D

(上記の出題意図という質問がありました。「マーケティング」すなわち学生動向を知りたいために他なりません。重要な内容なので考査で尋ねています。)

Q5 あなたはレポートを提出していますか         ・Yes ・No

上でYesの(レポートを提出した)方、及び第二回締め切りでレポートを提出する予定の方は以下の設問に解答する必要はありません。

問い

任意の「音楽」あるいは「音」の関係する事例を対象として、それについて簡潔 に説明すると共に、自ら選定したアプローチ法をもってそれについて詳細に論趨 し、自身の見解を整合した論理をもって展開せよ。   (2000字〜4000字程度)

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