
<ニュースの要約>
救命救急センターの増設へ 厚生労働省は、全国の救命救急センターを現在の164か所から363か所へ倍増する方針。設置条件を緩和して小規模センターの設置を進め、一般的な医療に支障がないよう都道府県を分割して定めた「2次医療圏(363圏域)」に1か所ずつ整備する。このため来年度予算の概算要求に560億円を盛り込む。
これまでは、設置の最低基準が「医師16人、専門病床20床以上」とされ、高度な医療機器費も必要なことから、多数の救急患者が見こめない地方では引き受ける病院が現れにくかった。今の救命救急センターは大規模な病院に併設されている。
こうした実情を踏まえて、厚労省は設置要件を緩和、5〜10床程度の小規模センターの設置を認めることにした。この場合、建設費や医療機器費のほか、運営費の赤字分について国と都道府県が3分の1ずつを補助する。また救急救命士に医療指導・助言を行う「メディカル・コントロール」の中核機能も持たせる。
救命救急センターについて、専門家は「2次医療圏ごとの設置」を求めてきた。しかし財政上の理由などで開設が進まず、77年の設置当初から「人口100万人に1か所」を暫定目標にしてきた経緯がある。このため、秋田、福井、鳥取など12県ではセンターが1か所しかなく、熊本では県内1か所のセンターが人口186万人を受け持つ過重負担になっている。
なお、救急救命士に気管内挿管を認める条件を検討している厚労省と総務省の検討会は、7月にまとめた中間報告で医師による指示体制の中核となる救命救急センターを、人口約30万人に1か所を目標とするよう提言。
さらに2004年度から義務化される国家試験合格後の医師の臨床研修では、救急部門が必修となる見通しで、研修医を受け入れられる救命救急センターが各地域にあることが望まれており、早急な整備が必要と判断した。 (朝日新聞2002年8月24日付、毎日新聞2002年7月21日付から統合要約)
【ニュース解説】
救命救急センターの設置に当たっては、とりわけ地方では病院構内や隣接地に運動場や駐車場を兼ねた場所を確保して、救急ヘリコプターが着陸できるように配慮していただきたい。救急搬送に際して、わずかな時間差が患者の生死を分けることはよく知られている通りだが、ヘリコプターはその期待に十分応えるであろう。
(HEM-Net、2002.8.25)
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