
<ニュースの焦点>
ドクターヘリの高速道路着陸に新たな動き
ドクターヘリ、高速道路に直接着陸へ 交通事故死者の大幅減をめざしている政府は、大きな救命効果を持つドクターヘリが活躍できる環境を整備していく方針だ。
6月1日の参院国土交通委員会で小泉純一郎首相は、公明党の森本晃司氏の質問に答え、今までほとんど実現していないドクターヘリの高速道路本線上への着陸について、「直接離着陸ができるよう各省庁が連携して取り組む」と表明。石原伸晃国交相も6月16日、はまよつ敏子代表代行らの要請に「本線着陸ができるようにする」と述べ、環境整備を加速させる考えを示した。
ドクターヘリは救急専用の医療機器を装備し、医師や看護師を乗せて現場に急行するヘリコプター。半径50キロの範囲であれば現場に15分以内で到着できるため、1分1秒を争う救急医療の切り札だ。2001年度にドクターヘリ導入促進事業が始まってから千葉、愛知など7県が導入。千葉では01年10月から今年6月8日までに1,287件の救急出動をおこない、救命率が大幅に向上している。
公明党も普及拡大を推進しており、マニフェストにはドクターヘリ拠点を4年間で3倍にすることを公約した。
普及が強く望まれるドクターヘリだが、運用面では課題も少なくない。その一つに高速道路本線上への着陸が、道路公団から許可されない問題がある。二次災害の恐れや障害物の存在などが不許可の理由だが、そのためにヘリコプターは事故現場から遠く離れたサービスエリアなどへの着陸を余儀なくされている。
昨年6月、愛知県の東名高速で4人の死者を出した多重玉突き事故では、2機のドクターヘリが事故現場上空に到着したものの、路上着陸の許可が下りないために10分間も上空を旋回。結局100メートル離れた空地に着陸せざるを得なかった。
これに対し、欧米では救急ヘリコプターの路上着陸は一般的。1970年から救急ヘリコプターを導入し、当初から高速道路に直接着陸しているドイツでは、高速道路の事故の犠牲者が劇的に減少した。ドクターヘリの高速道路本線上への着陸は重大事故の際の緊急救命に不可欠であり、今後の政府の取り組みが注目される。(「公明新聞」2004年6月22日付より要約)
ドクターヘリの路上着陸で要請 公明党のはまよつ敏子代表代行は6月16日、国土交通省に石原国交相を訪ね、交通事故死の大幅削減に向けて、高速道路本線上へのドクターヘリの着陸を原則可能にするとともに、ヘリコプターの出動経費についても財政支援をするよう要請した。
石原国交相は「本線着陸ができるようにしたい。財政支援も前向きに検討する」と答えた。(「公明新聞」2004年6月17日付より要約)
ドクターヘリ高速道への着陸で首相「省庁が連携し検討」 参院国土交通委員会は1日、小泉純一郎首相が出席して道路関係4公団民営化法案の締めくくり総括質疑を行い、公明党から森本晃司氏が質問した。
森本氏は、年間の交通事故死5千人以下をめざす政府方針の達成に向け、大きな救命効果を持つドクターヘリの導入促進を要請した。
救急ヘリコプターが救命のために高速道路本線に直接着陸しようとしても殆ど認められない問題を取り上げ、「直接着陸により搬送時間が短縮されるならば、多くの命が救える。着陸できるよう関係省庁と公団が一体となって取り組むべきだ」と訴えた。
これに対し小泉首相は「高速道路上、または事故現場付近でヘリコプターが離着陸できるよう、各省庁が連携し、検討していきたい」と表明した。(「公明新聞」2004年6月2日付より要約)
2003年6月23日、東名高速道で発生した多重玉突き事故の現場。
瀕死の怪我人を前にして、上空で待機中のドクターヘリから撮影。
写真中央の白煙が炎上中の事故車(複数)。
その前方左側の路肩で負傷者のトリアージと救急隊員だけの応急手当がおこなわれている。
その向こうは道路が広くあいている。対向車線の車も止まっている。
この無人の路上に、医師をのせたヘリコプターはなぜ着陸が認められないのか。
救命活動を阻害し、瀕死の怪我人を見殺しにする犯人は誰なのか。
詳細は「生きる権利と走る権利」参照。(HEM-Net、2004.6.28)
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