
<HEM-Netシンポジウム>
アメリカ調査報告とドクターヘリの成果 NPO法人、救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)は10月31日、「ヘリコプター救急システムの構築をめざして」を主題とするシンポジウムを開催、國松理事長の活動計画に続き、西川渉理事から「米国ヘリコプター救急」の調査報告、川崎医科大学救急医学の小濱啓次教授から「ドクターヘリの成果」について報告が行われた。
米国ヘリコプター救急調査報告 西川理事による調査報告は昨年の米国の状況調査を中心に、一昨年の欧州調査をまじえて、世界の主要な国のヘリコプター救急に関する国際比較を行った。
米国のヘリコプター救急は民間ヘリコプター会社によって運航され、運営主体はカウンティや病院である。開始時期は1972年。現在は全米で350機が飛んでおり、各機の担当する飛行地域は半径150〜200kmの広範囲に及ぶ。
ヘリコプターに乗る医療スタッフは、医師の搭乗が少なく、ほとんどはフライトナースとパラメディック1名ずつか、フライトナース2名である。しかし、これらのスタッフには広範な医療行為が認められており、メディカル・コントロールを背景として、医師に変わらぬ処置も行う。
運航費は受益者負担が原則で、ほとんどは患者の加入する医療保険でまかなわれる。飛行は夜間も行っており、計器飛行も導入されている。
先進諸国のヘリコプター救急の現状を比較すると、米国は良い意味で「商業的」と言えよう。これに対しドイツは体系的、スイスは国民的、フランスは官制的だが、日本のドクターヘリはなかなか進まず「停滞的」である。運航者は、いずれの国も民間会社が主体となっている。
ドクターヘリの成果 小濱教授は改めて「搬送時間の短縮ではなく、医師が現場で治療を行うことが重要」とドクターヘリの役割を強調した。
ドクターヘリは現在7ヵ所で実施されているが、現場に降りるのはまだ少ない。しかし、救命率の向上、予後の改善等効果ははっきりしている。今後の課題としては
- 運航時間に見合った補助費
- 格納庫の整備
- 通信方法
- 道路上の離着陸
などがある。
(「日刊航空通信」2003年11月7日付より要約)
「ドクターヘリの成果」(小濱啓次教授)(HEM-Net、2003.11.11)
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