「衝突しない宇宙」
Last Update 9/03



〜「衝突する宇宙」〜

異端宇宙論者 イマニュエル・ヴェリコフスキーが提唱した驚天動地の理論。
ヴエリコフスキーによれば、金星は大昔から存在していたわけではなく
比較的最近、木星から誕生し地球に何度か大接近した。
その際起きた天変地異を複数の民族が似たような記録で残している。
その記録の代表的なものが旧約聖書の「出エジプト」で起きた奇跡なのだという。



金星は紀元前15世紀以前は存在しなかった?!



〜”飛鳥理論”と”ヴエリコフスキー理論”〜
飛鳥昭雄氏の提唱する「飛鳥版太陽系理論」は全てにおいてヴェリコフスキー の「衝突する宇宙」をベースにしている。 ただし、あきらかに誤っていると思われる−「例えば地球の自転が止まった 」 等− は飛鳥氏自らがポールシフトという概念を用いることで さらに理論武装 している。 (もちろん、ポールシフトの概念の使用は飛鳥氏が最初ではない) だが、基本はやはり「トンデモ」なのだ。 一般的擬似科学批判本にあるヴェリコフスキー批判で「飛鳥版宇宙理論」にも 十分に適応できるものをいくつか紹介していこう。 さらに、読み進めて行くうちに飛鳥ファンはヴェリコフスキー事件の真相の一 端に触れる事になるかもしれない。 飛鳥氏の持つJPLの極秘情報が正しいかどうか今回納得いく形で紹介する 事になる!! (おっと、また飛鳥節になってしまった(笑))
〜巨大彗星「メノラー」(金星)の謎〜
飛鳥氏は原始「金星」を彗星「メノラー」と呼ぶがここでは分かりやすく「金 星」と呼ぶ。 まず金星クラスの質量を持った惑星が木星の引力圏から脱出するには10の41 乗エルグ必要である。 (※「エルグ(単位)」解説開始(-_-) エルグはCGS単位(センチ・グラム・秒)系の仕事・エネルギーを 表す単位。 1J(ジュール)=107erg(エルグ) ちなみに1J(ジュール)=約0.24cal(i)です。 こちらの方がなじみが深いですね。 解説終了(^^;) これは太陽が放出する一年間のエネルギーの匹敵するものである。 これほどまで巨大なエネルギーだと岩石で出来た彗星は脱出する前に溶融して しまう程なのだ。 飛鳥説では木星は地殻惑星という事になっているが、それならば脱出に必要な エネルギーはさらに大きなものとなってしまう。 なぜなら、もし仮に木星が地殻惑星であったとすれば、実際にNASAが発表 しているよりもはるかに質量が大きくなるからだ。 (木星の密度から考えて地殻惑星である可能性はかなり低いだろうが) さらに仮にうまく引力圏を突破したとしよう。 木星からの脱出速度は毎秒60kmであり、太陽系の脱出速度は毎秒63kmであ る。 今度は太陽系に止まっている事が難しくなる・・・ で、うまく太陽系内にとどまる事ができたと仮定しよう。 今度は内惑星に向かって突進しなければならない。 ところが、「金星」が「地球」に接近するのは非常に難しい・・・ 例を挙げるなら、1cm足らずのパチンコの玉を400m以上離れた所にあるサイ コロに命中させるようなものだと考えてもらえば分かりやすいと思う。 「ヤハウェ」が海王星にニアミスするのは的の位置を3.5km以上離してもらえ ばいい。(※いずれの場合も最短直線距離の場合でである) さらにこれを太陽系内の複数の惑星にたいして行わなければならない。 そのくらい金星が地球や火星に何度もニアミスする確率はかなり小さいのであ る。(惑星「ヤハウェ」の場合も同様である) この事から惑星は意志を持っている可能性が高い!・・・というのは当然考 察に値しない仮説である事は明らかである。 取り敢えず「金星」が「木星」より誕生して内惑星にニアミスを繰り返すとい うのはまず考えがたい・・・・ ここで電磁気力が全てを解決してくれるという考え方は無意味である。 銀河を貫く磁場は確認されているが、天体規模の質量の物体が及ぼす力に比べ てあまりに小さなものだからだ。 こうした偶然に偶然を重ねたのが「飛鳥版太陽系理論」(ヴェリコフスキー理 論)なのだ! (飛鳥氏の進化論批判をパロってみました(笑))
〜「金星」と「諸民族の記録」の謎〜
飛鳥氏の書いた本「火星の謎と巨大彗星メノラー」という本がある。 ここでは全ての民族が金星の超接近の記録をしているわけではないという事実 については深く触れられていない。 ヴェリコフスキーはこの辺をどう考えていたのだろう? 彼は「集団的記憶喪失」に説明を求めた。 つまり起きた事態があまりに劇的で民族全員がそのことを記憶の彼方へ消し去 ったというのだ。 しかし、これだと記録を残した民族が何故「集団的記憶喪失」にかからなかっ たのかを説明できない。 では飛鳥氏が孫引きする「衝突する宇宙」で示された引用の数々はどれほど正 確なのだろう? バビロニア数学および天文学研究の学部長であったオットー・ノイゲバウアー は「衝突する宇宙」にある膨大な数の誤りのうちいくつかを指摘し、ドイツ語 文献の訳を取り上げて以下のコメントを残している。 「著者のドイツ語の力はセンテンスごとに引用符をくくらねばならない程お粗 末なものだったのだろうか?」 イエール大学の東洋史教授K・S・ラトゥーレットはヴェリコフスキーの中国 語翻訳の用い方について問題を言及している。 ヴェリコフスキー理論には神話や伝説、翻訳における欠陥、時代遅れの資料や 数多くの恣意的な引用、バビロニア天文学への誤解、都合の悪い所は忘れてし まうというもっと始末の悪い欠陥が控えているのだ。 これは、飛鳥氏が言うような当時の天文情報等の不足からくる問題ではない。 ではヴェリコフスキー理論の中核にあるかつて金星が存在しなかったというの は事実なのだろうか? 本当に紀元前15世紀以前は金星の記録がなかったのだろうか? 残念ながら、少なくとも紀元前1900年までに金星は「明けの明星」とか 「宵の明星」として古代天文記録に残されている事が判明している。 シュメール時代の石碑にイオンナ女神あるいはイオンナ星が「明けの明星」 とか「宵の明星」として記録されているのだ。 この事自体が、当時、金星の軌道が地球より内側の軌道で安定していた事を意 味する。 また紀元前16世紀のバビロニアでは金星が崇拝の対象とされており、当時 の観測によってすでに現在の軌道にあったことも確認されている。 さてここで二者択一の問題である。 あなたは古代人が観測した「金星」の記録と恣意的な引用によって導かれた 「金星」が存在しなかったという仮説のどちらを信じますか?
〜ヴェリコフスキーの予言〜
ヴェリコフスキーは「金星」が熱い星だと述べた。 これを踏まえて飛鳥氏は金星が熱平衡に達していないために熱い星であり、 今だに太陽から受け取る以上の熱を宇宙空間に放出しているという類の説を 提示した。 現実は太陽から受け取る以上の熱を放出してはいないし、ヴェリコフスキーは 天文学者ルパート・ヴィルトの温室効果によって「金星」は熱いという仮説を 利用したに過ぎない。 ヴェリコフスキーの指摘は当たっているどころか外れている。 接近してきた「金星」から余剰熱をもらったはずの「火星」はやはり高温であ るという説を提示したが、どう大目に見ても「火星」の温度は高くはない。 また謎の食物「マナ」についても同様である。 ヴェリコフスキーは炭化水素と炭水化物を混同していたのだ。 しかし、飛鳥氏は絶え間なくおきる放電効果によって炭化水素から炭水化物が 出来たとしても、おかしくはないという見解をとっている。 (まったく、無茶苦茶強引なフォローだ(^^;) 一体どれだけの間地球はそれほど激しい放電効果が続いていたのか?! また、「マナ」の条件を満たす食物がうまく生まれるかどうかも極めて疑問で ある。 飛鳥氏に一度作っていただきたいところだ。 もっとも、それだけ激しい放電効果が常時その辺で起きていたら人間の方が どうかなってしまうと思うが・・・。
〜 リトルリン理論 〜
飛鳥氏は、ヴェリコフスキー理論を超える理論としてリトルリン理論なるも のを提示している。(AファイルズやNPAシリーズを参照) これは、金星以外の内惑星も同様に木星から飛び出したという事を定量的に 証明した理論なのだそうだ。 (飛鳥著書では何をどう定量的に証明したのか述べられていないので不明) それにしても、前述した不可能に近い条件をリトルリンは全てクリアしたの であろうか? この件に関してワシントン大学物理学教授 マイケル・W・フリードランダー 氏が、氏の著書「きわどい科学」において自分の調査結果を報告している。 以下はその引用である。 ヴエリコフスキーは、高名な宇宙物理学の理論家R・A・リトルリンが、 「金星は・・・木星から飛び出したのでなければならない」と書いたとして いる。 そこでリトルリンの本を調べてみると、「なければならない」という 言葉は見つからない。リトルリンは「もし・・・ならば・・・ありうる」と いう控えめな書き方で、可能性のあるシナリオを探っているだけである。 以上がリトルリン理論の真相であろう。 飛鳥氏はサイエンスエンターティナーぶりを発揮して「理論」に仕立て上げ てしまった可能性もある。 (もしくはネタ本にそう書いてあった可能性もある(笑)) また仮に、リトルリンがそうした理論を確立していたとしても飛鳥説ではそ れを使えないはずなのだ。 リトルリンは飛鳥氏のようにNASAの極秘情報とやらを持っていない以上 既存の木星データを用いて「定量的」に証明しているはずである。 従って飛鳥氏のデータが正しければ必ずどこかに過ちが出てくるはずなので ある。 飛鳥氏には是非、リトルリン理論を超える飛鳥理論を「定量的」に証明して 欲しいものだ。 そこまで、要求するのが酷ならば、その未だに間違いである事が証明されて いないリトルリン理論を是非そのままの形で日本で発表して欲しい。 それでも十分センセーショナルであろう。
〜 罵倒されるカール・セーガン 〜 Last Update 4/25
ヴェリコフスキー理論には確かに多くの過ちがあった。 しかし、飛鳥本(NPAシリーズ)で紹介されているように木星から電波が出て いる事を始め幾つかの予言を行い、的中したものもある。 当然そのことを踏まえておく必要もある。 ところで飛鳥本では、ヴェリコフスキーは正義でそれを批判した科学者は全 て悪者という扱いである。 特にカールセーガンに対しては手厳しい。 |よって、本来ならマーズ・パスファインダーの着陸基地(地点)の |名には、セーガン記念基地ではなく「ヴェリコフスキー記念基地」 |と名づける方が正しいのである。(「A-F1」P204より) コーネル大学では、確かにセーガンに批判的な人もいる事にはいる。 しかしながら、本当にセーガンは飛鳥氏の言うようなエゴイストだったの であろうか? 「ベリコフスキーが積み上げた伝承の連鎖には驚きを禁じえない・・・  その伝承のつながりの二割でも真実であれば・・・おそらくそれによって  何か重要なことが説明されると考えられる。」 (「世界不思議百科」コリン・ウィルソン+ダモン・ウィルソン著/関口篤訳  /青土社より) 「科学は自由な研究によって進歩してきたし、自由な研究のために存在する。  どんな奇妙な仮説でもその長所を考えて見ようというのが科学である。」 (「COSMOS 上」カールセーガン/木村繁訳/朝日新聞社より) 以上は、カールセーガンの発言である! エゴに固まった人間が、目の敵にしている相手についてこのような発言を行 うだろうか? さらに、セーガンはヴェリコフスキーの研究に圧力をかけた当時の科学者に 対して次のように述べている。 「ベリコフスキー事件の良くない点は、彼の仮説が間違っているとか、確立  された事実に反しているというのではなく、科学者と自称する人達がベリ  コフスキーの研究を抑圧しようとしたことだ。」 ( 前掲著より ) セーガンはヴェリコフスキーの研究に対して不当な妨害を行った科学者達を 「科学者と自称する人達」と痛烈に批判しているのである。 どちらかといえば、飛鳥氏がベリコフスキー擁護に回って暗殺されたと主張 するアインシュタインに近いスタンスではないだろうか? セーガンはこうも述べている。 「科学というのは、もともと自己修正的な仕事である。  仮説が広く受け入れられるためには、確実な証拠をもって真理の厳しい関  門を突破しなければならない。」( 前掲著より ) 残念ながらヴェリコフスキー理論には万人が納得行くだけの証拠がなかった。 そのために、真理の関門を突破できなかったのである。 (自己修正的という面でもひっかかるだろうが・・・) 飛鳥版「衝突する宇宙」でもヴェリコフスキーの残して多くの問題点は殆ど そのまま引継ぎながら、これまた何の証拠も存在していない。 果たして、飛鳥理論は「真理の関門」を突破することが出来るのだろうか?
〜 崩壊する飛鳥宇宙論 〜 Last Update 9/3
さてさて、これまで見てきたように飛鳥氏が自説の中心に据えるヴェリコフ スキー理論はすでに破綻している事が分かって頂けたと思う。 それでも、飛鳥氏はヴェリコフスキー理論にすがりながらやっていくしかな いだろう。 それもこれも、全ては飛鳥氏が創造論に固執するからに他ならない。 ヴェリコフスキー理論ほど旧約聖書の”神話”を上手に説明してくれる道具 はないからである。 ここで一つ飛鳥氏の創造論主張を見ておこう。 飛鳥氏はノアの大洪水(惑星ヤハウェの大接近)以前には地球上には厚い雲 の天蓋が存在したために紫外線が地表に届かず、あらゆる生物が長寿だった という主張を行っているが、これも創造論の典型である。 しかし、この天蓋を仮定すると当時の地球の大気圧は異常に高くなってしま うため認められなくなってしまった仮説なのである。 まして、飛鳥説では当時の地球は今よりずっと小さかった事になっているの で地表面積も小さくなってしまい、大気圧はさらに大きくなってしうため長 生きどころか生物は絶滅してしまうだろう。 このように、創造論には何一つまともな証拠は存在しないのである。 あるのは胡散臭い謎の土偶や偽造された足跡の化石くらいしかないのである。 飛鳥氏が物的証拠などと主張する「ノアの箱舟」も実際のところはまだ発見 されていないのである。 怪しい目撃事件をもって、物的証拠などと主張するのが飛鳥説の常套手段な のだ。 〜続く〜

Written by RYO , North All Stars.